さくら学院「さくら学院祭☆2014」ライヴレポート@EX THEATER ROPPONGI 26.OCT.2014  さくら学院の秋のメインイベント「さくら学院祭☆2014」2daysが10月25・26日に東京・六本木のEX THEATER ROPPONGIで行われた。初日に引き続き2日目の模様をお伝えする。
 前日同様、爽やかな秋晴れに恵まれた東京・六本木。前日とは違い、ほぼ定刻通りに開場した場内はやや汗ばむほどの熱気に早くも包まれている。初日はプロレス同好会結成に至るコントや久々に披露した曲、コヤジ部など話題(ツッコみどころ?)満載だったが、果たして2日目はどうなるのか……? 最初の曲は前日同様、生徒たちの自己紹介ソングである『目指せ!スーパーレディー -2014年度-』だ。イントロが始まってもなかなかステージ上に現れない生徒たち。何と意表を突いて左右のバルコニーから登場したのだ。  気になる転入生の歌詞だが、倉島颯良は名前を覚えてくれない森先生ネタに得意のマジックネタで、「覚えてくれないと消しちゃいますよ!」と生徒を消してしまうイリュージョン(笑)を見せてくれ、岡田愛は「メグ知ってる!」ネタと歴史ネタ。
学院祭2日間は明智光秀だったが、今後は日替わりで登場人物が変わるらしい。その他、田口華がかじりつくのがレタスと大根だったり、白井沙樹が全部買うのがグッズだったりと色々変更点があるようだ。  2曲目は『負けるな!青春ヒザコゾウ』。未完成だけど日々成長中のさくら学院の生徒たちにピッタリの曲。整列し元気に点呼する姿がやけに眩しい。そして『Hana*Hana』。
個性的で美しい花をこれから咲かせんとする生徒たち。膨らみ始めた10個の蕾がステージ上で舞い踊るようだ。そして菊地最愛と大賀咲希の掛け合いはいつ見ても可憐だ。  そしてここで前日同様チャイムが鳴ると、椅子を揃えて生徒たちが着席する。担任の森ハヤシ先生も登場し、やんやの大歓声だ。どうやらホームルームが始まるようだが、野津友那乃が手を挙げる。
購買部のお知らせのようだ。  白井沙樹が、「さくら学院はピンチなんです」とショッキングに始める。「秋学期試験でお金を使いすぎて、今さくら学院にはお金がありません!」と宣言し、場内はどよめきに包まれる。プロレス同好会がリングを作ったのが原因らしい(笑)。 「このままだと予算削減で、学院祭の弁当がただの白ご飯になっちゃう」と野津が続けると、生徒たちからは「えーっ!?」とブーイングだ。さらに「家から会場まで自転車で来てもらいます」と言うと、山出は「鹿児島から?」と涙目だ。
「そうならないため、お金に変わる素敵なグッズをみんなに考えてもらいたい」というのが趣旨のようだ。  まずは購買部から白井が見本として発表したのは「鋼鉄フラッグケース」だ。フラッグが折れないように頑丈なケースをという父兄目線なグッズだが、鋼鉄製だからプロレス同好会の凶器にも使えると笑わせた。  野津は「さくら学院のど飴」。この世のものとも思えない味、しかもアンモニア臭とあって森先生は「何を入れたんだ?」と驚くが、野津は「素材そのもののにおい……」とやり、森先生は「アンモニア臭のする素材って何なんだ?」と返し、場内の父兄からはどよどよとした雰囲気が漂ってくる(笑)。一粒4500円だそうだ(笑)。
 菊地最愛は「さくら学院のメンバー枕、その名も〝まくら学院〟」。まくらにメンバーのイラストが描いてあるが、さくら学院のさに×が書かれてまくらになっているのだ。森先生は「別に深い意味はないですからね」とコメント、これが父兄に火を付けてしまった。これで別の意味を考え始めた父兄からは何とも言えないどよめきが(笑)。  さくら学院に相応しくない不穏な空気が漂い始めてしまう。生徒たちはわかってそうなのと意味わからなそうなのが半々(笑)。
森先生は「みんな本当に連想しませんでしたか? 僕は未然に事故を防いだんです」と慌てた。野津は自分のイラストがセンターじゃないと理由で却下していた(笑)。 次ページ「さくら学院版人生ゲームのマス目に出てくる先輩は?」まり菜ちゃんに会うと、振り出しに戻る!?  水野は「ゆいちゃんのほっぺ、もあちゃんのおだんご」。ほっぺがシュークリーム、髪をまとめた団子がおはぎだという。ただ、髪の毛部分が水野によると自毛とのことで、「衛生法とか色々引っかかりそう」と森先生。父兄たちは大喜びだったのだが(笑)。野津は「もあゆいって言っておけば売れるよね」とブラックな感想だ。  田口華は「田口華ドル」。ドル札に田口の顔が描かれている。新日本プロレスのオカダ・カズチカが入場時に撒くレインメーカードルの田口版とのことだ。「これでさくら学院に金の雨を降らせる」と意気込む田口。  これには野津が異議あり。「あんたのどこがレインメーカーなの? こっちはプロレス同好会のせいで借金の雨だ」とぶちまけ大爆笑の嵐を呼んだ。田口も黙らず「友那乃じゃないよ、悪魔だよ?」と返してこちらも爆笑を呼んだ。森先生も「言葉のプロレスが素晴らしい」と感心したようだ(笑)。  次に倉島颯良が発表したのはコケシの絵。生徒たちからは「怖い!」の声が。倉島は「私はコケシに似てるって言われるので、倉島颯良風のコケシフィギュアを考えてみました。名前はコケシマ颯良で、深夜2時になると倉島倉島って泣き声をあげます」とホラーな内容。森先生もビビリ気味に「座ってください、コケシマさん」「倉島です!」の息の合ったやり取りが見れた(笑)。  山出が提案したのはさくら学院の生徒が背の順に並んだマトリョーシカ。これには父兄たちも驚きと賞賛の拍手だ。さらに「(倉島のは)コケシマトリョーシカが入ってます」と上手い答え。そして「最後には可愛らしい愛子ちゃんマトリョーシカが出てきます」と説明したところで岡田愛から却下の声。「全員の身体が真っ二つなんてフキチじゃん」と岡田。不吉と言うところをフキチと言ってしまい、生徒たちも大笑い。山出は「文句言うのやめて。だったらメグの見せてよ」、これに岡田は「メグの方がイケてたら切腹してよ!」と無茶ぶり。森先生は「おまえらケンカがガチになりすぎ」となだめる。  岡田の発表は「石垣レプリカ……めぐフィギュア付き」。あまりにもビミョーすぎて観客からは拍手も起こらない(笑)。野津は「完全な個人の趣味」ということで却下。山出は思わずガッツポーズ。森先生は「おまえらの代になったら学級崩壊だな」と心配顔だ。  森先生に落ち着いて見えるなと言われた磯野は「さくら学院大辞典」。会場からは拍手が起きる。例えば菊地の項目には「さくら学院のしっかりした生徒会長。無駄に薬を常備している」と記載してあるとやり、笑いを誘う。  何の薬を持ってると尋ねられた菊地は「キャベジン」とオヤジな答えで沸かせた。ちなみに森先生の項目はページの無駄だからないそうだ(笑)。  ここで森先生が「他にある人?」と尋ねると、大賀咲希がハイと元気よく手を挙げるが、森先生は気づかないふりで「他にいませんか? 先生もう体力おしまい、最後にこんな大仕事が待ってるなんて」とぼやいて見せた。大賀の発表は「さくら学院人生ゲーム」。父兄たちは拍手だ。 「さくら学院版人生ゲームで、卒業のマスがあって、そこから女優コース、歌手コース、フリーターコースに分かれます」と説明すると爆笑が起きる。マスにはどんなのがあるのという質問には「街でまり菜ちゃんとバッタリ。振り出しに戻る」とやって場内大爆笑だ。「堀内に何されたんだ?」との森先生には「手ぶらぶらとか、変な魔法ばっかりかけられて」と笑わせた。  購買部の野津は、発注が間に合わないから今回はなしだけど、今後商品化されるかも? と期待を持たせた。  購買部の野津と白井はそのままオススメ商品の紹介するが、そろそろ反応が薄くなった父兄を見て「リアクション疲れてません? テレビショッピングのようなリアクション目指して頂きたい」と森先生。場内は無理矢理の盛り上がりを見せた。続いて購買部ライヴ。オススメ商品を歌に乗せて猛プッシュだ。  購買部に続いてはプロレス同好会。左右のバルコニーに現れた田口と磯野が観客を煽る。ステージのリングに移動した2名のバトルが始まる。白いパーカーと白いハーフパンツの田口に、黒いジャージの上下の磯野。激しく歌い踊り、バトルが最高潮に達したところに、何とパイプ椅子を持った山出が乱入! バトルをかき回し、嵐のように去って行く山出。これは新たな抗争のスタートなのか?  そしてガラッと雰囲気を変えてTwinklestarsの登場。9月に披露した『ラピカム』に続き新たに『天使と悪魔』も演じた水野、菊地、野津、倉島、山出の5人。よりバトン操作の難しい同曲も、転入生も含めてこなしており、短期間での成長も垣間見えるステージだ。  ここで初日に続き、サクラデミー女優賞のコーナー。演じるのは田口、磯野、大賀、白井、岡田の5人。ゲストで声の出演をするのは初日同様卒業生の三吉彩花だ。本日のお題は、ライバルの三吉に第2ボタンを取られないよう、卒業する憧れの先輩に想いを伝えること。三吉の「先輩がアナタみたいな子供、相手にするわけないでしょ?」という厳しい台詞に勝てるか? 森先生は「三吉なんて目じゃないでしょ、松井(愛莉)ですよ。ドラマで接吻してるからアイツは」と笑わせ、「あのシャイだった松井が。皆さんにも出来るはずです、松井って聞くと超えられそうな気がするでしょ?」と、生徒たちをリラックスさせようとするが果たして?  トップバッターは磯野。「私が伝えたかったことはこれだけです、大好きです!」に大歓声。いつものキャラと違うことをやってしまったのか、磯野は照れまくりでオーバーアクションで照れ隠し。森先生も「磯野が照れてる!」と大喜びだ。  白井は「ちょっと待ってください!」と、三吉の台詞に食い気味に始めてしまうアクシデント(笑)。平謝りの白井はやり直して「私がほしいのは第2ボタンじゃなくて先輩の気持ちです」。これも父兄の大歓声だ。「盗んでいったのは気持ち、噂のカリオストロパターン!」と森先生も大興奮。  岡田は「あのね、メグ知ってるよ? 8年後大人になったメグは、絶対いい女になってる。だからボタンちょうだい?」と可愛く決めて全父兄をメロメロにしてしまった。「とんでもない新星現れた、お前のせいでこれあと7年続くよ」と森先生も鼻血を出しそうな勢いで、「父兄の皆さん8年待つ可能性ありますよ、責任取って頂きたい」と笑わせた。  大賀は「咲希は彩花ちゃんみたいにキレイじゃないし自信もないけど、気づいたら先輩のこと好きになっちゃったんです。咲希じゃダメですか?」と、これもやんやの大歓声だ。「大賀進化したなあ、(残った)田口が可哀想で」と森先生。よれよれの田口に「自分に気合い入れられないの?」と笑わせる。代わりに同好会仲間の磯野が「歯を食いしばれ!」と背中に一発入れるが、威力はイマイチだった(笑)。  その田口は「先輩、華はずっと大好きだったんですよ? 先輩、気づかなかったの?」とやるが、会場はまだ続きがあると思ったのか2秒ほど沈黙してしまい、それから笑いが起こるという惨事に(笑)。 「恐ろしい2秒間が空いたよ、みんな田口を見てたよ」と森先生。田口は「吐きそう……」とKO寸前だ。  場内の拍手審査の結果優勝は岡田に。ウイニング小芝居として再度台詞にチャレンジすることに。岡田は「子供だって恋する気持ちは変わらないです」、すでにここでもう溜まらんと父兄の歓声が上がるが、岡田は続けて「メグ、先輩好きになっちゃった」と、とどめの一言。場内は大興奮のルツボに陥った。生徒たちは「こんな小学生やだ~」と漏らし、森先生は「おまえ、ただのマセガキじゃねーか」と嬉しそうだ。背中にじゃれてくる岡田に白井は「お母さん心配!」と本気で心配そうだ(笑)。 次ページは「水野プロデュース委員長の涙」水野プロデュース委員長の涙  さて、気を取り直して後半戦、『アニマリズム』でまずはジャングルの世界へ。いろいろな動物の形態模写を織り交ぜたパフォーマンスに、先ほどまでのドロドロモヤモヤした気持ちも洗い流されていく。続いては『Planet Episode 008』で壮大な惑星の世界へ。1年半前に中元すず香卒業式で演じたときとはかなりの生徒が入れ替わりパートも変わっている。そんな違いを思い出しながら観るのも新しい発見につながるのだ。  不気味な狼の遠吠えがこだまし、パイプオルガンの調べが闇を包む。ハロウィンパーティの始まりだ。生徒たちがドラキュラ風にケープをまとった『Pumpkin Parade』。途中でかぼちゃをかぶった山出が可愛らしい。まさに学院祭に相応しい3曲で身も心もヒートアップしていく。  そして本編はあと2曲。菊地が「友達のことを思いながら聞いてください」と曲紹介。『マシュマロ色の君と』。さくら学院の友情ソングといえばまず『FRIENDS』を思い浮かべる父兄が多いと思うが、涙腺を刺激するという点ではこの曲も負けてはいない。直接的な歌ではなく、幼い頃から一緒に育ってきたぬいぐるみを比喩的に使ってる歌詞にグッときてしまう。そして宝物であるさくら学院の仲間を大切にこれからも成長していってもらいたいと願う。  本編ラストは『message』。ファーストアルバムのタイトルにもなった同曲もさくら学院の原点の一つ。自分が立てた壁だからはずしてみようと問いかける歌が、ゆったりとしたリズムに乗って心に染み渡ってくる。そして2014年度の学院祭ももう終わりなんだなと、少し寂しい気持ちも運んでくる。  アンコールのかけ声に乗って、2014年上半期のあゆみと題した映像が流れてくる。初々しい2人の転入生が加わった春。日本と欧米に別れて活動しても、心を一つにした夏。大きな経験を糧にそれぞれ成長しまとまった秋。今年もそれぞれが大きく成長し収穫の季節を迎えるときがやってきたのだ。  アンコール1曲目は『ハートの地球(ほし)』。まさにHEARTをつなげ合った10人が美しいEARTHの上で歌い、踊り、輝いている。今年生まれたばかりの歌だが、きっとさくら学院の後輩たちに歌い継がれていくのだろう。  横一列に並び、今日の感想を語り合う生徒たち。話は自然と、中3にとってこれが最後の学院祭と、卒業を意識させる雰囲気に。それでもまだ感傷的になるのは早い。三吉彩花先輩もブログに書いていたとおり、生徒たちはもっとやれる、まだまだ成長する余地がたくさん残っているのだ。  最後の曲は『夢に向かって』。スーパーレディーになる夢に向かって、やるべきことはまだある。これからも一歩一歩着実に階段を上っていく姿をこの目に焼き付けていきたい。最後に感謝の言葉を述べる菊地生徒会長。水野プロデュース委員長は大粒の涙を流している。学院祭2日間のプロデュースという大役をやりきった安堵感なのか、卒業という言葉を意識した感傷なのか。でもそれは、前を向いている者だけが流すことの出来る涙と感じた。きっとこの経験が水野にとっても他の生徒たちにとっても大きな肥やしとなっていくハズだ。  会場から外へ出ると爽やかな10月の風が火照った身体をクールダウンしてくれる。楽しかったライヴの思い出を語り合う声。そして相変わらず六本木の街はハロウィンの喧噪で包まれていた。 セットリスト 01 目指せ!スーパーレディー -2014年度- 02 負けるな!青春ヒザコゾウ 03 Hana*Hana 04 新曲(購買部) 05 新曲(プロレス同好会) 06 ラピカム 07 天使と悪魔 08 アニマリズム 09 Planet Episode 008 10 Pumpkin Parade 11 マシュマロ色の君と 12 message ~アンコール~ 13 ハートの地球(ほし) 14 夢に向かって竹崎清彦アイドル、ファッション、スポーツ、ゲーム攻略本など幅広く執筆。趣味はライヴ観戦。好きなアーティストを追いかけ世界中どこへでも行きます! 80年代モノに詳しい。