【写真】小・中・高、そして現在、ユニフォーム姿の椿梨央
――少し前に、人気のYouTubeチャンネル『クニヨシTV』で出した107km/hが「女性芸能人最速」とスポーツ紙を賑わせました。
椿 そうですね。「野球女子」を自称してるからには、本気でやりたいですし、そのなかでの一番は目指したい。じゃあ、なにをもって一番なんだろうって考えたら、そこはやっぱり球速しかないのかな、と。
──そもそもプレーヤーとして野球を始めたのはいつ頃から?
椿 本格的にチームに入ったのは小学校4年生のときですけど、年の離れた兄と姉がいるので、生まれたときから、家には用具も一式そろっていて。物心ついたときにはもう、野球一色って感じの環境だったんです。当時はまだ、チームにも女子は私ひとり。
――女の子だと思ってナメていたら、相手が痛い目に合う、と。とはいえ、いくら男子と同等のプレーができても、女子選手には「高校に行ったら甲子園に行く」といった道はないわけですよね?
椿 中学のときから部活と女子野球の両立をずっとしていたのもあって、高校の部活は、女子野球の大会のための体力作り、っていう感覚でやってました。女子野球は、上は50代とかまで全然いて年齢層も幅広いので、活動できるのは基本的に土日だけ。なので土日は、午前中に部活をして、午後から女子野球って感じで、一日中、野球漬けでした。
――でも結局、女子プロ野球には進まなかった。それはまたどうして?
椿 高校3年生になったらトライアウトを受けるつもりでいたんですけど、硬式と軟式を並行してやっていた影響もあって、2年のときに肩を壊しちゃったんです。手術しようかとも思ったんですけど、「いや、でも嫁入り前だしな」って(笑)。女子野球では、2017年に全国優勝も達成できましたし、たとえ違う環境に進んだとしても、野球はやれる。
――モデル業と野球選手。筋肉のつき方などを考えると、両立はなかなか難しそうな気もします。
椿 そうなんですよ。体型の維持はかなり大変です。
──落とすほうが大変とよく聞きますが、減量はプロボクサー並のストイックさで?
椿 ほぼ草食になりますね(笑)。
――具体的にはどういった方法で?
椿 ふだんやっているのは、よくあるチューブトレーニングを30回×3セットとか。あと手根伸筋っていうのは、指と連動している筋肉なので、バスケットボールよりちっちゃいくらいのボールを、指先でキャッチしながらひたすら壁当てしたりして鍛えます。ただ、家でやるときはさすがにドンドンできないので、クッションを置いたりして工夫をしながら。しっかり時間をかけてやるとかなりキツいんですけど、いつもはだいたいテレビを観ながらとかなので、そんなに苦ではないですね。
――コロナ禍で増えている運動不足な方にも持ってこいですね。
椿 自宅でも全然できることばかりなので、ぜひ試してみてください。日常生活で手根伸筋を意識しながら使っている人はあまりいないと思いますけどね(笑)。
椿梨央◎つばき・りお
1996年5月25日生まれ。北海道出身。小学4年から野球を始め、女子野球チーム『苫小牧ガイラルディア』の一員として、17年の『全国女子軟式野球選抜交流碧南大会』で優勝。上京後は、モデル兼野球女子として、YouTube『トクサンTV』をはじめ各種メディアで活躍中。
【後編】椿梨央「野球で男性と渡りあう姿を通して伝えたいこと」はこちらから
(取材・文/鈴木長月)