【写真】HKT48のセンター、透明感あふれる運上弘菜
昨年4月にリリースされたシングル『3-2』で初のセンターに大抜擢された“なっぴ”こと運上弘菜。最新シングル『君とどこかへ行きたい』でも連続でセンターを務めるなど、すっかりHKT48の顔として定着しつつある。
12月17日には初のフォトブック『WHITE.』が発売されるなど、ますます注目度がアップしている彼女の魅力は「透明感」。アイドルに欠かせないものではあるけれども、それをキープするのはなかなか難しい。キャリア5年にして、センターに立つ彼女はいつまでも透明感を維持できている秘密のひとつに独特のバックボーンがある。
「私の実家が秘境みたいなものです」
現在、運上弘菜がレギュラー出演している九州ローカルのテレビ番組『オケハザマってなんですか?~弐ノ陣・版図拡大』(RKBテレビ)で運上弘菜がサラッと言い放ったひとことにスタジオが騒然となった。「秘境になんて行ったことがないですよね?」というノリの会話で「実家が秘境」というまさかの切り返し。本当に彼女が産まれ、育った街はそんなにもすごい環境だったのか?
「はい、秘境です(笑)。小学校のとき、同級生が3人しかいなかったんですよ。全校生徒が24人。
九州を本拠地とするHKT48で活動している彼女だが、じつは北海道の出身。それも大きな街に出るには電車に2時間以上、揺られなくてはたどりつけない、という地域。たしかに1クラス3人というのは衝撃的だし、1クラスしかないから「3年B組金八先生」の“B組”の意味がわからない、という状況。「子供のころ、運動会で1等になった!と喜んでいましたけど、いまになって思えば3人しかいないので、たいしたことじゃなかったですね」と笑う運上弘菜だが、笑っていられないような状況が襲いかかる。
「結局、小学3年生のときに閉校になることが決まって。それからは隣の町にある小学校にスクールバスで通うことになりました。それでも、やっぱり1学年1クラスしかなくて、全体でも100人ぐらいだったと思います」
母校が閉校になってしまった、という話はよく耳にするが、実際に通っている最中に小学校がなくなってしまった、という経験談を聴くのはかなりレアケース。なるほど、故郷を秘境と呼ぶ理由もわかってきたような気がする。
「住んでいる人が少ないからお店もないんですよ。有名なチェーン店も昔はあったみたいなんですけど、全部、閉店してしまって。普段は近所にある90歳ぐらいのおじいちゃんが店番をしている商店で買い物をしていました。
札幌へはさすがに子供が電車で何時間もかけて出かけるわけにはいかず、家族が車で出かけるときに同乗するぐらい。
「それでも3時間ぐらいかかったかな? 冬は雪道になってしまうから、もっと時間がかかるんですよ。だから、お昼に用事があっても朝7時には家を出発していましたね。だから私、電車に乗るのが怖いんですよ。電車に乗ったことがないから切符の買い方もよくわからなかったし、電車の中でどう過ごしていいかわからない。もっというと、電車からたくさん人が降りてくるじゃないですか? もう、あれが怖くてダメでした。
なんとなくなんですけど、札幌よりも天神の人のほうがクールな印象があって、余計に怖かったっていうか、迫力があったんですよね。だから博多に出てきた当初はひとりで電車に乗れなくて、1時間半ぐらい歩いて移動していました」
ここまでくると、よく都会に出てくる勇気があったな、と感心してしまうが「いや、私たちの街では高校を卒業すると、札幌に出るか、東京に行くかぐらいしか選択肢がなかったんですよ。だから特別なことではないし、わざわざ北海道から九州までってよく言われるんですけど、飛行機に乗っている時間が東京に行くときよりもちょっとだけ長くなるだけなので、そんなに抵抗はなかったです」。
山でかくれんぼをしていた少女が、いまや人気アイドルグループのフロントメンバーとしてメディアに露出しまくっている……たしかに彼女が語るエピソードを聴くと、そうやって育ってきたから、都会で生活している今でも透明感がずーっとキープできている理由がわかったような気がする。
12月1日にリリースされるニューアルバム『アウトスタンディング』のリード曲『突然 Do love me!』でも矢吹奈子、田中美久とともにフロントを務めているが、いま、この3人の看板が福岡空港に大きく掲示されている。
ひとつだけ心配なことがある。「実家が秘境」発言をした番組は九州ローカルではあるのだが、じつは好評につき、今年の5月から北海道でも放送されているのだ。地元の人たちに見られてしまっても大丈夫なんだろうか?
「あっ、結構、遅れて放送されているので、あの回が流れるのは来年以降になると思うのでまだ大丈夫です(笑)。私がHKT48に入ったときは地元でもあんまり話題になっていなかったんですけど、センターになってようやく『頑張っているね』と言っていただけるようになりました。これからもっともっと頑張っていきたいですね」
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