4月に熱愛スキャンダルが発覚し活動休止、一度は復帰したものの今年9月に国民的グループを卒業した鈴木優香。グループの次世代を担う逸材として期待されていたただけに、その後の去就は熱心なファンのみならず注目されていた。
渦中で何を感じていたのか、「復帰」と「卒業」と「再出発」の意図、そして今後はどこを目指すのか、胸中を語る。(前後編の前編)

【写真】再出発しグラビアでも活躍、鈴木優香の撮りおろしカット【10点】

──スキャンダル騒動の発端となった「文春オンライン」のインタビューでソロ再出発を宣言したことに衝撃を受けました。記事では「グラビアを中心に頑張りたい」と発言していましたよね?

鈴木 あの記事が出たあと、『FLASH』(光文社)さんにグラビア撮影していただきました。これが私にとって久しぶりの活動らしい活動だったので、正直ホッとした部分もありましたね。それからファンの方から「待っていたよ」と言われたのが、とてもうれしかったです。

──「女優」「モデル」「歌手」といった肩書的には、「グラビアモデル」になるのでしょうか?

鈴木 どうなんだろうな……。とにかくファンの方が求める活動をしたいと考えているので、あまり肩書にはこだわっていないんですよね。少なくともグループで活動していた時代は私がグラビアに出ることで喜んでくれるファンの方が多かったので、今もそうした声に応えたいという気持ちが強いんです。当時はたとえばSHOWROOM配信でも、露出が多い洋服を着ると喜んでくれる方が多かったんですよ。そうすると私としても「もっと喜んでもらいたい」という気持ちになってくるんですね。

──「ファン・ファースト」という発想の延長にグラビア活動があったわけですか。

鈴木 それに加えて「自分の武器は何か?」「どうしたら大人数の中で埋もれないか?」って考えたとき、グラビアで個性をアピールしていくしかないという気持ちもありました。
でもそこは反省点でもあって、「何がなんでも自分の個性を出さなきゃいけない!」「話題になることを仕掛けていかなくちゃいけない!」という焦りが強すぎたと思うのですが……。なにしろ同期の12人も可愛い子ばかりだったし、自分は19歳で決して若くはないと思っていたから、どこか生き急いでいたんですよね。

──鈴木さんのアイドル人生を振り返ってみると、「いよいよブレイク目前!」というタイミングでの文春砲でしたよね。具体的に、どんな状況だったんですか?

鈴木 いきなり「すいません、鈴木優香さんですか?」と声をかけられたんです。最初はファンの方かと思ったんですけど、そのわりには言葉遣いがやけに丁寧だし、「あれ? どういうことだろう」とか思っているうちに「文春オンラインです。プロデューサーのSさんと同棲されていらっしゃいますよね」と言われまして。その瞬間、頭が真っ白になりました。誰にも言っていないことだったのもありますし、「私レベルのアイドルでも、あの文春が来ちゃうんだ」という驚きもありましたね。もう本当にパニック状態で……。

──パニック状態に陥りながらも「これは言ってもいい」「ここまではバレていないかな?」などの計算は働いたのでしょうか?

鈴木 いや、まったく働かなかったです。自分の言った言葉がそのまま記事になるなんて想像もしていなかったから、オロオロうろたえながらも「ウザい!」とか記者の方に言っちゃって。そうした暴言もそのまま載ってしまいました(苦笑)。
今思えば、せめてもう少し言葉を選べばよかったかとは思うんですけど……。

──そういったケースだと、まずは運営に報告するものなんですか?

鈴木 そうなんですけど、私はどうしても言いたくなかったんですよね。「運営さんに言わなければ記事にならない可能性もある?」とかいろんなことを考えちゃって……。もちろんそんなことはあるわけないですし、結局その日の夜には伝えました。怒られるというよりも、コンサートとかツアーも決まっていたので、目の前のお仕事をどうするのか話し合いをしました。

──その後の活動自粛期間中は何をしていたんですか?

鈴木 この時間を少しでも意味のあるものにしようと考え、中国語の勉強を始めたんですが……ダメでしたね。何も頭に入らなかった。ひたすら不安な気持ちを抱えたまま、気がついたら3カ月が過ぎていました。

──流れとしては「文春」→「活動休止」→「復帰」→「卒業」でしたよね。

鈴木 活動休止期間も、辞めようかどうかずっと考えていたんです。どうしようか本当に悩みました。だけど悩んでいても答えはまったく出ないから、とりあえず復帰することにしたんです。
でも、復帰したところで悩むのは変わらなかったですね。自分が迷惑をかけたのは間違いない。大好きなグループの看板に傷をつけてしまった、だから抜けるしかないという考えがまずありまして。それと同時に「なんとか頑張っていきたい」という気持ちもあったんです。特に復帰して劇場公演をやったときは、「辞めたくない!」と強く感じました。

──劇場公演は何か違うものですか?

鈴木 コロナの問題があって私は劇場デビューしていなかったから、すごくあの場所に思い入れがあったんですよ。劇場デビューしないと、ファンの方からのお手紙が手元に届かないんですが、デビュー後に私宛てのお手紙を読んでみたら、スキャンダル前に書かれたものもたくさんあって、読みながらずっと泣いていましたね。この人たちを裏切ってしまったんだって……。

──とはいえ、ファンからは「辞めるのはもったいない」という意見も多く出たと思います。

鈴木 そう言っていただけるのはありがたいのですが、異性とああいったことをやっておきながらも選抜に入るというのは許されないと私は思うんです。人生をやり直せるなら絶対にあんなことはしませんけど、自分の撒いた種だから仕方ないんだと納得している部分もあるんですよね。

──しかし、「謹慎したんだから水に流すよ」という声もあったのでは?

鈴木 確かに私を応援してくださる方はそう言ってくれることもありました。
でもグループ全体を応援しているファンの方もいるわけで、そういう方からすると「許せない」という考えになると思うんですよ。私ひとりがグループのイメージを汚してしまったわけですから。私自身もアイドルが大好きだったので、そのへんはすごく分かるんです。

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(取材・文/小野田衛)
▽鈴木優香(すずき・ゆうか)
2000年8月15日生まれ、静岡県出身。2021年9月にグループを卒業。現在はソロで活動している。
Twitter:@SUZUKIYUUKARIN_
Instagram:yuuka_chan815
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