グラビアクイーンとして一世を風靡し、『ゆるきゃん△』(テレビ東京)に出演するなど現在は女優として活躍している柳ゆり菜。“ラスト写真集”『女っぷり』(扶桑社)を11月26日に発売した彼女に、写真集にかける思いを聞いた。
(前後編の前編)

【写真】小顔の抜群スタイル、柳ゆり菜の撮りおろしカット&写真集カット【11点】

──発売したばかりの写真集『女っぷり』は、2nd写真集から実に5年ぶりとなります。先行カットを公開したときの反響はいかがでしたか?

柳 最近は女優としての活動がメインだったので、お芝居で私を知ってくれたファンの方は新しい感覚で見てくれているみたいですし、昔から知ってくださるファンの方は、また写真集を出してくれてうれしいって喜んでくれましたね。

──久々の写真集オファーがあったときは、どんな気持ちでしたか?

柳 最初は深く考えずに、気軽な気持ちで編集部の方たちとお会いして、どういう写真集にしたいのか話し合いをしたんです。そのときに、ここ数年で私がいろんな現場で培ってきたものをどう見せるのかを改めて考えて、「映画チックにやってみたい」というお話をさせていただきました。また『Numero TOKYO』さんがプロデュースしてくださるということで、ファッションに造詣の深いプロに画の雰囲気作りをお任せできるのなら、これはやってみるべきとより前向きな気持ちになりました。

──『Numero TOKYO』が写真集のプロデュースをするのは今回が初めてだそうですね。


柳 もともと誌面で女優さんを撮るページはあるんですけど、どうしてもページ数が限られた中での表現になりますよね。だけど今回は1冊の写真集なので、どういう世界観を表現するのか。1回目の打ち合わせからエネルギッシュで、お互いにたくさんの意見を出し合いました。

──柳さんは、どんな意見を提案したんですか?

柳 いろんな映画の場面写真などを見せて、こういう流れはどうですかと提案しましたし、ロングインタビューも入れたいとお伝えしました。そうして全体の流れをみんなで考えた上で細かい作業に入っていったので、衣装合わせの段階から息が合っていましたね。露出度が高いだけのセクシーさよりも、いろんな服を着てそこにどう色気をプラスするのか、どう自分の魅力を出すのか、をメインとした写真集にしようと考えて制作しましたし、実際に仕上がった写真集を見て、自信を持って27歳の私を残せたなと思える1冊です。


──写真集の撮影にあたって、改めてボディメイクなどはどうしましたか?

柳 1年ぐらい前からピラティスをやっていたんですけど、さらに通い詰めました(笑)。それまで週1程度でゆるく通っていたのが、写真集撮影の2カ月前からは週2、3で行くようになって。先生には「頑張らなきゃいけない仕事が入りました」とお伝えして追い込んでいったので、体に対する自信みたいなものはついたのかなと。

──グラビアに力を入れていた頃とでは、目指す体型も変化したのではないでしょうか。

柳 そうですね。その年齢に応じて、自分のフィットする体の感じって変わると思うんです。
昔は健康的にパンパンだった時期もあって、それはそれで好きだと言ってくださる人もいらっしゃいましたし、1つの個性として戦えていたのかなと思います。でも今の年になってそれは惰性だなと。「もうちょっと太ってほしい」と言われることもあるんですけど、スクリーンで観たときって本当に横に広がるんですよ。だから、いつも私ってデカいなと思っていて(笑)。でもできる努力を重ねた今は、ベストでちょうどいい体型かなと思っています。これをベースに、役によって体型を変えられたらいいなと思っています。


──制作にあたって過去の写真集は見返しましたか?

柳 なかったんですけど、あの頃は海外ロケに行けていたんだなとか、たくさんイベントもやらせていただいたなとか、当時のことをたくさん思い返しました。イベントなどの機会をここ数年は設けられていなかったので、この写真集をきっかけに久しぶりに応援してくれている方との距離が縮まればいいなと思います。

──久しぶりの写真集撮影に戸惑いはなかったですか?

柳 撮影前は緊張していましたが、撮影が始まると緊張とか戸惑いよりも、思考を巡らせるような感覚でしたね。今回は私も1から制作に参加させてもらったので、撮られるだけじゃなくて、全体の流れやどういう風に見せたいのかというのを客観的に考えていました。

──過去の写真集でも、自分の意向を伝えることはあったのでしょうか?

柳 以前は周りがコンセプトを決めてくださった上で、そこに私がのっかって、さらに魅力的にしようみたいなスタイルでした。撮影ってコンセプトが決まっていても、撮られるのは私自身だから、ポージングだったり、そこにある小物をどう使うかだったりって自分のアイデアなんです。
それでいいものが偶然撮れることもあって、その積み重ねが大切なのかなと思います。だから前回の写真集でも自分なりのアイデアは出していましたけど、今回は全面的に関わりました。

──ご自身で制作したデジタルアートによるセルフ・ポートレートも掲載されていますが、モノづくりに携わりたいみたいな気持ちは昔からあったんですか?

柳 昔から趣味でやることがモノ作りということが多かったんです。たとえば、みんながゲームにハマっている頃に、私は羊毛フェルトに凝っていて、動物や雪だるまなどを何体も作って並べていました(笑)。それに私は小さい頃からストリートダンスをやっていたんですけど、小学生の頃から振付を自分で考えたり、自ら音楽を繋ぎ合わせて3分間でどういう流れにするかを考えたりしていました。アイデアを出していかなきゃいけない、自己主張していかなきゃいけないということを小さい頃からやってきたので、その精神は今回の写真集にも繋がっているのかもしれません。
けっこう私はアイデアマンなんですよ(笑)。

──モノ作りの精神みたいなものは誰かの影響もあったのでしょうか?

柳 お母さんが花のアレンジメントをする仕事をしていて、小さい頃から作品を完成させる過程を見てきたから、その影響はあるかもしれません。

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(取材・文/猪口貴裕)
▽柳ゆり菜(やなぎ・ゆりな)
1994年4月19日生まれ、大阪府出身。
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