インスタグラムで100万人を超えるフォロワー数を誇り、"インスタグラビア"の先駆者として絶大な人気を誇る似鳥沙也加。引きこもりだったという彼女がいかにしてグラビア活動を始め、現在まで至ったのか。
インスタを始めて変わったことや、ファンへの想いを語ってくれた。
(前後編の後編)

【写真】美しいルックスで魅せる似鳥沙也加の撮り下ろしカット【8点】

──インスタグラムをはじめて変わったことと言えば?

似鳥 応援してくださる方が増えたことかな。私自身、落ち込みやすくて悩みやすい性格は、教室に通えなくなった小学生の頃から何も変わっていなくて。でも、応援してくれるファンの方がいるから、「ひとりぼっちだなぁ」と孤独を感じることはなくなりました。私が何かを乗り越えたとき「似鳥ちゃん、よく頑張ったね」と言ってくれたり、私が「明日発売の雑誌に出るよ」と言ったら「その雑誌買って明日仕事頑張るね」と返してくれたり。綺麗事に聞こえてしまうかもしれませんが、そういうファンの方からの言葉があるからこそ「私もまたお仕事頑張ろう」って前向きな気持ちでいられるんですよね。


──確かに、SNS上でのコメントのやり取りを見ていると、ファンの方といい距離感で支え合っているのを感じます。

似鳥 私とファンの方の関係は、いわゆる芸能人とファンの関係じゃないんですよね。偶然、その人が私を見つけてくださったから、出会えた関係というか。「落ち込んじゃうこともあるけど、一緒に頑張っていこうね」って、支え合っている関係だと、私は思っています。

──マネージャーさんからの話によると、昨年のバースデーイベントでは、足を運んでくれたファンのために、丁寧な字で「今日は来てくれてありがとう」と、一枚一枚、手書きのメッセージカードをご用意されたそうですね。さらに、当日コロナの影響で急遽来られなくなった方のために「“来てくれてありがとう”じゃおかしいから」と、全て違った内容のメッセージに書き直されたと。
ただでさえ大変だと思うのに、なかなかそこまでできる方はいらっしゃらないですよ。

似鳥 (照れ臭そうに微笑みながら)私がファンの方に直接恩返しする方法は、それくらいしかないですから。相変わらず人と喋るのは苦手だし、イベントに立つのは緊張しますけど、ファンの方には伝えたいことがたくさんあるので、自然と苦手意識も薄まります。むしろ、安心感があるんですよ。だからファンの方と会えるイベントは、私にとっても大切なんです。

──2018年ごろからは、インスタグラビアの枠を超えて、雑誌のグラビアでも活躍されるようになりました。
プロのカメラマンさんとの本格的なグラビア撮影を経たことで、インスタグラビアに何か変化はありましたか?

似鳥 昔は「この角度じゃないとかわいくないな」って、自分のなかで強いこだわりがあったんですけど、今は全くなくなった気がします。ずっと、コンタクトとまつエクは絶対だったのに、最近は「自まつ毛でもいいかなぁ」と思うようになって。よりナチュラルにしたい気持ちが強くなりましたね。撮影中も「今、どう写っているのかな?」と気にすることがほとんどなくなりました。

──それは、自分に自信が持てるようになったからですか?

似鳥 かもしれないですね。ファンの方も「ナチュラルの方がいいじゃん」って肯定してくれる方が多いですし、少しずつ自信に繋がっている部分はあると思います。
それに私は、本来、ナチュラルで生っぽいグラビアが好きなんですよ。その雰囲気に寄せるのであれば、カラコンやまつエクは外すべきだよなぁと思いながらも、勇気が出なくて……。雑誌のグラビアを通して、表現の幅が広がりましたね。

──ファンの方と出会い、自信も芽生えてきた。引きこもり時代のお話も踏まえると、インスタグラビアをはじめてから、いい方向に変わりつつあるようで、本当に良かったです。

似鳥 今まで、私にできることはグラビアだけだと決めつけていたのですが、最近は、もっといろんなことに挑戦したいと思うようになりました。
具体的には、今、演技のレッスンに通っているんですよ。今後は、グラビア以外の場所でも自分を表現していきたくて。じゃないと、私の伝えたい思いはきっと伝わりきらないから……。

──伝えたいこととは?

似鳥 例えば「楽に生きられる方法は、意外とたくさんあるんだよ」ってこととか。私も生きづらさを感じやすいタイプなので、同じように悩んでいる人たちに何かしてあげられないかなぁとは、すごく考えますね。「じゃあ、生きるのやめよう」とは思わないでほしいので。
あと、私は学校に通えなかった時期がとても辛かったので、今、学校に行けずに悩んでいる子たちを支えてあげたいなって思いもあります。

──話を聞いてくれる人、寄り添ってくれる人がいるだけで、だいぶ気持ちは救われると思います。

似鳥 そうですよね。私は親にも相談できず、何とかUVERworldさんの歌詞に救われてきましたが、自分に寄り添ってくれる言葉に出会えない子もいるはず。そういう子たちに、直接、救いの手を差し伸べられる存在になりたいですね。ただ「辛かったら学校なんて行かなくていいよ」とは、100%言い切れない自分もいるんです。私が高校を卒業できなかったことを後悔しているから。

──学歴が全てじゃないにしても、学歴によっては、できることが制限される場合もありますもんね。

似鳥 私も、高校を卒業していないために諦めたアルバイトがいくつかありました。そう言われると「じゃあどうすればいいの?」と戸惑ってしまう子もいるだろうけど、どんな形であれ、今を全力で頑張る気持ちだけは失わないでほしくて。私は中学生の頃、保健室登校ではありましたが、勉強だけは頑張った自負があるんです。そのおかげで、今になって過去を振り返ったとき「あの頃、教室に通えなかったなぁ」とネガティブに思うのではなく「全力で頑張っていたなぁ」と、前向きに捉えられているんですね。全部完璧じゃなくても大丈夫だってことは、知っておいてほしいな。

──自分なりに頑張れば、ちゃんと“頑張った記憶”として残る。いい考え方ですね。

似鳥 今、学校に行けない子たちと触れあえるイベントができないか相談中なんです。ファンの方に来ていただくイベントじゃないので、告知はせずに。少しでも、何か力になりたくて。

──将来、臨床心理士になりたいと思ったこともあるそうですが、お話を聞いていると、今もその思いは変わらずあるようですね。

似鳥 はい。今、高卒認定試験の勉強中なので、道のりはまだまだ長いですが……。

──思いの強い似鳥さんなら、絶対になれますよ。活動の幅を広げても、インスタグラビアは続けられますか?

似鳥 実は、インスタグラビアをやっていることで受けられないお仕事もあるんです。「SNSでこれだけ脱いでいる方にお願いするのは難しいですね」と、断られてしまうパターンが結構あって……。でも、インスタグラビアは私の生き方。先ほどもお話ししたように、露出だけがインスタグラビアではないんです。セクシーな写真を求めてフォローしてくださっている方が多いのは事実ですけど、だからと言って、伝えられることが制限されるわけではない。それどころか、インスタグラビアは、私なりに伝えたいメッセージを届けるための手段のひとつです。辛い思いをしている人の力になりたいし、みんなで平和になりたい。自分のやってきたことを信じて、変わらずインスタグラビアは続けていきたいですね。

【前編はこちら】「人が怖い…」引きこもりからフォロワー100万人、似鳥沙也加が語る"インスタグラビア"誕生秘話

▽似鳥沙也加
キュートな姿から色気あふれる姿まで様々なグラビア写真をインスタグラムに投稿し、“インスタグラビア”の先駆者として100万人を超えるフォロワーを有する。ファンクラブでは限定グラビアや動画などが配信中。