【前編はこちら】エガちゃんねる仕掛け人が語るヒットの秘訣「過激なだけだと続かない」
【写真】登録者が280万人突破したエガちゃんねるの伝説の回
――「エガちゃんねる」は週2回投稿ですが、動画の撮りだめなどはしているんですか?
藤野 全然ですよ。来週の分くらいはあっても、再来週のはまだないですし。テレビでやってるときもそうだったんで、それが我々の中では普通の感覚というか。他のYouTuberさんってそんなに撮りだめとかしてるんですかね?
――撮って出しの連続であると。そのスケジュールだと企画出しとかも大変じゃないですか?
藤野 いや、企画出しよりも一番は編集ですかね。こんなに編集に時間をかけているYouTubeっておそらくないんじゃないかな。YouTubeって喋りのオンオフを短くつないで会話のテロップを入れていくのが基本のスタイルだと思うんですけど、「エガちゃんねる」はテレビの編集というか、逆に間をたっぷり使ってオチに向かって笑いを最大化させていくっていうやり方なんで、編集に丸3日以上はかかっているんですよ。最初の頃は週に3本出していたんですけど、当時はほぼ寝る時間もなくてみんな潰れるな、って感じだったんで週2にしたんですけど、それでもほぼ毎日編集してます。
――YouTubeはある種、そういうテレビ的なカッチリした編集じゃないところがウケている要素の一つだとも思うんですが、そうはしなかったんですね。
藤野 したくない、というわけでもないんですけどね。最初は反対意見は凄くありましたね。テレビっぽい編集は嫌われるって言われてたので。
ずっとテレビでやってきたプライドと言いますか、「クオリティの低いものは出したくないよ」とも思ってましたね。もちろんテレビにはない難しさもあって、中身がどれだけ面白くてもサムネイルとタイトルで興味が無ければ見てもらえないんですよね。テレビだとザッピングの途中で面白そうだったら見てもらえるんですけど。だからその辺がうまく作れなそうなときは一旦手を止めて後でやり直したりすることもあります。
――色々試行錯誤なさってるわけですね。ただ「エガちゃんねる」の作り込みは他のYouTubeとの差別化が出来て、人気の要因にもつながっているんじゃないかと思います。ではチャンネルをやってきた2年間で、江頭さんが変わってきたところなどはありますか?
藤野 むしろ変わらないことのほうが多いですね。いまだに電車通勤、今日もスタジオに中央線で来て中央線でかえってますから(笑)。ウチの会社は今、江頭さんのマネジメントもしているので、送迎もしなきゃなんでさすがにそろそろ車を買いましょう、という話はしているんですよ。ただ、江頭さんがずっとイメージキャラクターをしている九州の中古車買い取り・販売業者で「アラジン」と言う会社があってそこで買おうと思ってるんですけど、コロナもあって行けてないような状況で。
週に2回動画撮ってるんだからもうちょっと身だしなみには気を付けてよ、って思うんですけど全く変わりませんね。マネージャーも兼任してるブリーフ団Mが撮影の前に鼻毛カッターを突っ込んでカットしてます。毎回「ジョリジョリジョリッ!!」っていう、聞いたことがない轟音がなるという(笑)。
――高級革ジャンの購入動画もありますし、普段のファッションなんかは変わったんじゃないかと思っていました。
藤野 もちろん着てますよ。でも結局、絶対に愛用のリュックサックと可愛らしいウエストポーチを手放せない人なんで、せっかくのカッコいい革ジャンが台無しになってます(笑)。出会ってからずっと、ほんとにタレントなのかってくらい、誰にどう見られるかは気にしてないですね。
――最後に、江頭さんは動画で今年の目標として、登録者300万人と、有観客ライブ「エガフェス」の開催を挙げていますが、他に藤野さんが考える「エガちゃんねる」の今後の目標はありますか?
藤野 始める前からの一つの目標後して、「世界の江頭を目指す」というのがあるんですよ。江頭さん本人にもそう言いましたし。YouTubeという媒体もそうだし、江頭さんの芸風も言葉が無くても通じる部分があるので。ただ、コロナでこういう状況になって、考えていた試みが出来なくなった。
だからコロナ禍が世界的に落ち着いて海外ロケもできるようになってからが、「エガちゃんねる」の本当のスタートなのかなという気持ちはありますね。江頭さんは昔、テレビの企画でトルコでアソコを出しちゃって大炎上してますから、まずはそれを謝りにトルコに行かなきゃな、と思ってます(笑)。
▽書籍『エガちゃんねる革命』(宝島社)
著者・藤野義明 (ブリーフ団D)
定価1,650円