還暦を迎えた演歌歌手・藤あや子が4月15日に写真集『FUJI AYAKO』(講談社)を発売する。デビュー35周年記念特別企画でもある今回の写真集では、自身初となるビキニ姿など60歳とは思えないほどの艶やかな美ボディを披露。
最近は、愛猫のマルオレちゃん(マル&オレオ)との日々を綴るSNSも人気の藤あや子。美ボディを作ったライフスタイル、年を重ねても挑戦を続けるバイタリティの源についてなど話を聞いた。(前後編の前編)

【写真】還暦を迎えさらに美しさ際立つ演歌歌手・藤あや子の撮り下ろしカット【5点】

──藤さんにとって27年ぶりとなる写真集。制作のきっかけを教えてください。

藤 実は、最初は写真集の予定じゃなかったんです。私のライフスタイルをまとめたエッセイ本を出版するというお話で、写真はそのなかの一部で撮影していたもの。でも、写真の出来がすごくよくて「これ、もったいなくない?」と結果的に写真集になりました。

──気付いたら、写真集の方向に進んでいたという感じなんですね。

藤 そうなんですよ。だから、自分でもちょっとびっくり(笑)。でも、ちょうど歌手デビューして35周年という節目でもありましたので、思いがけず私にとって嬉しいお話が舞い込んできた感じでした。

──写真集には初となるビキニ姿など、かなり大胆なカットも。
撮影にあわせて、ボディメイクされたのでしょうか。

藤 それが全然! このためにトレーニングしたものは全くないんです。10年前、50歳になったタイミングでヨガを始めたんですけど、それと2年前から始めたキックボクシング。ここ数年、自分と自分の体を見つめ直すということで食生活にも気を遣っていたので、その結果という感じです。

でも、自分でも想像以上に仕上がっていましたね。歌のために鍛えていたインナーマッスルだったのに、いつのまにか写真集のためになっているなと思うほど。あとは、いつも皆さんの前では着物が多いですから、ビキニとかはちょっと頑張っちゃったかな(笑)。

──バックショットの背筋がものすごくキレイでした。

藤 背筋は自分でもなかなか見る機会がないので、今回の写真を見て「え?こんなになってるの!?」って。かなり仕上がっていましたね(笑)。でも、背筋のメニューとかやったことないんですよ。筋トレ、好きじゃないんです。
きついことは嫌いなんで(笑)。

──普段、どういったトレーニングをされているんですか。

藤 週に4日、朝1時間半ヨガをやって、プラス週に1度のキックボクシング。家でも腕立て伏せとシャドーボクシング。ルーティンにしていることがあるので、それだけはやらなかったら寝れませんよ、と自分に枷を作っています。そこはちょっとだけストイックですね。でも、それ以外はゆるゆる(笑)。自分に甘いんですよ、私。食事制限もこれまで一度もしたことないですし。バランスよく、というのは意識していますけど、基本的には好きなものばかり食べています(笑)。自分の体が欲するものを取り入れるようにして、あまり好きじゃないものは食べない。体にいいものでも、嫌いだったら栄養にならないと思いません? 

それこそヨガやキックボクシングのメニューをこなしていても、スイーツやパンも大好きだから、いっぱい食べちゃう。
ガツガツやっているタイプじゃないんです。やっぱりご褒美がないとね(笑)。「今日はあれを食べたいから頑張ろう」っていう感じです。

──スイーツ&パン専門でインスタも分かれていますね。

藤 あれも毎日のようにアップしているから、スタッフに「撮影のために買っていて、本当はひと口しか食べてませんよね?」とか言われるんですけど「何言ってるの。全部食べてるし、あそこに写ってないものもプラス2個くらい食べてるよ」って(笑)。全部、完食しています!

多分、3年前にお酒を止めたのがスイーツとパンに走ったきっかけだったんですよね。それまで、アルコール類で糖分を摂ってバランスを取っていたのかな。それがなくなってから、急に甘いものに目覚めちゃって。その代わりに、ちゃんとトレーニングしましょうねって、目の前にニンジンがぶら下がっている馬状態じゃないですけど。日々の積み重ねプラスご褒美が、自分の体作りのコツですね。

──その結果が、今回の写真集に収められていると?

藤 そうですね。
ずっと続けていた流れのなかでいい感じに仕上がってきたので今回、思いきって撮ってもらおうと。以前、週刊現代でもお世話になった浅井佳代子先生だったら、キレイな写真を撮ってくださるんじゃないかなという期待もあって委ねてみました。

やっぱり演歌歌手ですから、ここまでの露出というのは写真集でなかったらお見せする機会もなかったと思うんです。でも、「年齢を重ねていっても女性は輝けるんだよ」というメッセージ性を持った写真集になっているので、これに刺激を受けて自分も「歳だから…」と諦めるんじゃなくて「この年齢から始めてみようかな」というきっかけにしてもらえたらいいなと思っています。

──演歌歌手として歌うことと写真を撮られること、表現者として違いを感じる部分はありましたか。

藤 演歌の世界は特に、様式や形式、歌い方などもある程度の決まりごとがあって、自由なようで意外と自由じゃない部分も少なくないんですね。自分ではない違う人物になって歌の世界を表現するということが多々あるので、今回の写真集では自分の思うように、自由に表現できるというのがとても心地よかったです。

浅井先生が女性ということもあって、女性同士のインスピレーションで表現できたというのも今までになかった感覚でした。演歌で表現していた自分とは全く違う自分。表情や雰囲気など自分でも知らなかった自分がまだあるんだ、という発見がめちゃくちゃ楽しかったです。

──いつも以上に自然体でいられたということでしょうか。

藤 そうですね。
特に石垣島での撮影のときは、自然のなかに自分の身を委ねた感じで。大げさに言うと、天まで味方してくれたんじゃないかと。太陽の光とか、海辺とか、自分をさらけ出せるように自然が演出してくれたような気もしています。いろんなものが奇跡的に組み合わさって出来た作品だなと思います。

──お気に入りの1枚を選ぶとしたら?

藤 自分では、どれも全部「いいね~!」という感じなんです。今、先行公開されているカット以外にもヤバいのがたくさんあるし(笑)。普段、着物姿ばかり見ているスタッフが「これ、ヤバくないですか?」って言ってくれたくらい。自信のある写真ばかりです。

──読んでくださった方からどんな感想や反応があったら嬉しいですか。

藤 女性が「こんな体になりたい」と思ってくださったら嬉しいですね。60歳、還暦になって写真集を出せる人ってなかなかいないと思うので。皆さん、驚くでしょ(笑)。
女性目線、女性中心のスタッフで制作したものなので、男性の方が「どう思ってくれるかな」という期待感もあります。

──ちなみにご主人はどんな感想でしたか。

藤 写真集と言っていたので、もっとグラビア風というかエロチックなものを想像していてみたいで意外な反応をしていました。「おお~!? ええやん!」みたいな(笑)。「艶カッコいい」と、まさにそうだなという言葉を言ってくれました。自分でも「艶カッコいい」今までにない写真集になったなと思っています。(後編へつづく)

(取材・文/吉田光枝)

【後編はこちら】藤あや子が還暦でビキニ姿の写真集に挑戦「60歳でもできることはいっぱい!ワクワクしています」
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