「はるきゃん」の愛称で親しまれる元AKB48石田晴香。2016年にグループを卒業し、声優、女優、ゲーム番組のMCなどで幅広く活躍している。
さらに、元AKB48の岡田彩花、鈴木まりやらが所属する1年間限定アイドルユニットSAISONにも加入し、約6年ぶりにアイドル活動を開始。なぜ再びステージに立とうと決めたのか、話を聞いた(前中後編の中編)。

【前編はこちら】元AKB48石田晴香がアイドルユニットSAISONに加入「ファンの皆さんに直接会いたくて」

【写真】アイドルユニット「SAISON」に加入した石田晴香の撮り下ろしカット【6点】

──石田さんは、2008年にAKB48の劇場デビューを果たしましたが、ほとんどアイドルのことを知らない状態でAKB48に入ったそうですね。最初は戸惑うことも多かったのではないでしょうか。

石田 信じられないぐらいダンスもできなかったですし、人に対する態度も終わっていて(笑)。私は7年間、柔道をやっていて、そこで上下関係が身に付いていればよかったんですけど、あまり厳しいところじゃなかったんです。
だから最初は先輩メンバーにもタメ語で喋ってたんじゃないかなと思います。

だからといって怒られることもなかったんですけど、今考えると、私みたいな後輩が入ってきたら嫌だろうなと思うような後輩でした。たとえばお弁当は先輩が選んでから後輩が選ぶとか、先輩の髪型と被らないようにセットするとか、暗黙のルールみたいなものがあるじゃないですか。それを察することができず、「まゆゆ(渡辺麻友)のツインテールが可愛いから、私もツインテールにしよう!」みたいな(笑)。

──中学生は、まだまだ無邪気な年齢ですからね。すぐにやりがいは感じられたんですか?

石田 最初は全然踊れなかったので、披露する曲の半分以下しか出させてもらえなくて、マイクも声を拾わないように胸の前、みたいな感じでした。
何もできない素人がポツンとステージに立っていて、立ち位置も分からなくて、シンディーさん(浦野一美)に引っ張られて正しい位置に立たされるような有様でした。でも、会いに行けて、成長を見守れるのもAKB48の良さで。

そのおかげで青田買いしてくれるファンの方も多くて。「挙動不審でヤバい子が入ってきたぞ!」という反響をいただけたおかげで、バカにされていたところもあったと思うんですけど(笑)、単純に「うれしい!」と感じたんです。気になってくれる人もいて、「応援してるよ」と言ってもらえて、どんどん活動を楽しめるようになりました。

──楽しくなってからは、どんどん上を目指そうというマインドに変化したのでしょうか?

石田 そうですね。
常に「選抜に入ろう!」とか、「総選挙で1個でも上の順位に行きたい!」と思っていましたし、「総選挙では私のほうが上の順位だったのに、なんであの子が前の列にいるんだろう」とメラメラもしてました(笑)。当時は自分中心に世界が回っていたような感覚だったので、周りにどう見られているかも考えられていなかったんですよね。自由気ままにやっているくせに、スタッフさんに不満だけはグチグチ言うという感じでした(笑)。

──メンバー仲はどうだったんですか?

石田 良かったですよ。チームが一緒になると、一緒にいる時間も長いので自然と仲良くなりますし、お泊まりに行ったり、一緒に遊びに行ったり、みんなで青春していました。中でも藤江れいなちゃん、佐藤すみれちゃん、岩佐美咲ちゃん、佐藤亜美菜ちゃんと仲良しでしたし、後輩とも仲良くしてました。


──卒業する時、一人でやっていくことに不安はなかったのでしょうか。

石田 あんまりなかったかな。ファンは少なくなるだろうなって覚悟はしていましたけど、楽観的でしたね。まあ今も楽観的ですけど(笑)。

──AKB48ロスみたいなものはなかったんですか?

石田 「トキメキ感謝祭」という声優ユニットを組んでいた時期もありましたし、ホリプロで年1回のイベントがあって、そこでAKB48の曲を歌ったりもしていたので、それほどなかったです。ただ今年4月、同期で同じ年で同じ事務所ということで、みゃお(宮崎美穂)の卒業セレモニーに出た時に、改めて卒業してからの6年間を振り返って。
「もしかしたら私も、まだまだAKB48でやれたのかな?」とふんわり思いました。

──「今のお仕事を細く長く続けていきたい」というお話がありましたが、そういうスタンスになったのはいつ頃ですか?

石田 AKB48を卒業してからですね。辞めた時は「声優として一生やっていこう」と思っていたんですけど、声優一本でやっていけるほど甘い世界でもなくて。でも、そこからゲームを中心に、自分が好きなことを仕事にさせてもらえる機会も増えて、「最高じゃん!」と思って、一生続けいきたいと思うようになりました。

──ゲームは昔から好きだったんですか?

石田 母がゲーム好きで、子どもの頃から自分がプレイするんじゃなくて、誰かがプレイしているゲームを見るのが好きだったんです。ゲーム実況も早くから見ていましたしね。
だからプレイする側として、本格的にゲームにハマり出したのは結構遅くて、二十歳を過ぎてからです。最初の「スプラトゥーン」が出た時に、寝る間も惜しむぐらいゲームをして、そこから自分はゲーム好きなんだと自覚しました。

──ゲームの知識がないと実況も難しいですよね。

石田 自分の好きなゲームのお仕事ばかりさせてもらっているので、あんまりそこに不安はないですね。

──特に好きなゲームは何でしょうか?

石田 「ニノクロ公式放送」という番組もやらせてもらっている『ニノクロ(二ノ国:Cross Worlds)』と、AKB48時代からやり続けている『ガーデンスケイプ』というパズルゲームです。『ガーデンスケイプ』は毎週カンストしていますね(笑)。

【後編へつづく】元AKB48石田晴香、6年ぶりのアイドル活動を語る「特典会という文化が初めてで新鮮」