【写真】番組MC松本人志に“お土産”を渡す丸山ゴンザレス
「番組の復活は視聴者からすると青天の霹靂だったかもだけど、僕自身は前からそのことは知っていたんですよ。1回目の放送で海外ロケに行っているんだから、時系列的にも当然そうなりますよね。スタッフが復活に向けて動いているという話は、それ以前からも聞いていましたし。
それより僕が気にしていたのは、コロナ禍で実際にロケができるのかという点だったんです。1年半前とか2年前だと海外に行くことも難しい状況だったじゃないですか。ましてや僕の場合は観光旅行じゃなくて危険地帯に出向くわけだから、現実問題としてそれが実現可能なのかということを考えていました」
番組のコンセプトは「独自の視点を持って世界の危険地帯などを巡るクレイジージャーニーたちが、その特異な体験を語る」というもの。どこに行って何を取材するかを決めるのは、番組スタッフではなく、あくまでも丸山氏本人だという。危険地帯の裏ネタ取材は雑誌媒体やウェブ媒体などでもマルチに行っているが、リサーチを続ける中でテレビ向けだと思われるものを番組スタッフに提案するのだ。
「テレビって関わっている人数が多いんですよ。制作スタッフだけじゃなくてスポンサーもいるし、上層部や編成の意向もあるだろうし。ましてや今はコンプライアンスが厳しい時代だから、覚醒剤にもモザイクがかかる。でも逆に言うと、ちゃんとしたステップさえ踏めば、麻薬だって死体だって扱うことができるんです。
僕は自分でYouTubeもやっているからわかるんですけど、YouTubeのほうが地上波テレビより内容的に攻めているなんていうのは幻想に過ぎないですよ。むしろ一発BANが怖いから細心の注意を払わないといけない部分がある。現場では相手の国に対してリスペクトを持つようにしつつも、やれるところまではやっちゃうというのが僕のスタンス。それをどう調理するかは番組スタッフの判断になるわけですが、『そこまで踏み込むんだ!』と驚くことは結構ありますね。番組の攻めの姿勢は大したものだなって感心します」
丸山氏が関わる『クレイジージャーニー』の海外ロケは、なるべく少人数で行うようにテレビ局側にも要求しているという。以前はディレクターと2人だけ。通訳も友人にお願いしているそうだ。
「『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)みたいな通常の地上波番組とは、根本的にチームの作り方が違うと思うんですよ。
現在、『クレイジージャーニー』で放送されている麻薬密輸ビジネス取材編は、回を追うごとに危険度が増している。思えば丸山氏はこれまでもインパクト絶大なロケを繰り返してきたが、番組でもっとも印象に残っている旅は何だったのだろうか?
「一番驚いたのは、なんと言っても番組終了ですよ(笑)。僕はスタッフから聞いたわけじゃなく、Yahoo!ニュースで知ったんです。ちょうどそのときは取材中だったから、これまで撮影した分がちゃんと放送されるのか、そこがすごく心配になりました。だってボツになったら、取材に協力してくれた人たちに対して合わせる顔がないじゃないですか。
その衝撃の中で考えたのは、何が起こるかわからないから、これからは自分のメディアを持ったほうがいいということ。それでYouTubeチャンネル(丸山ゴンザレスの裏社会ジャーニー)を始めたんです。
だけどYouTubeを始めたら『ホントかよ? 証拠を見せろ』とかすぐ言われるので、なんでも自分で撮影する癖がつきましてね。紙ベースの取材法だったのが配信やSNSベースに変わり、そこであった真実を報じるだけじゃ済まなくなったんです。今は情報屋も兼任しているような感じかな」
こうして番組終了とYouTube開設に伴い自身をアップデートさせた丸山氏だが、これまではどういった道を歩んできたのか? 記事後編では『クレイジージャーニー』に出演するまでのキャリアを中心に振り返りつつ、ライター・ジャーナリスト・配信者としてのポリシーに迫る。
▽『クレイジージャーニー』(TBS系)毎週月曜よる9時放送中
[次回放送日時]11月14日(月)よる9:00~10:00
【後編はこちら】『クレイジージャーニー』最多出演・丸山ゴンザレスが海外の危険地帯を取材する理由