◆1 ZOC(ゾック)「曲者しかいない超個性派オールスター」
過去のTIFではアプガとコラボを果たしたりもしている超歌手・大森靖子を中心に結成されたグループ。メンバーは大森と生ハムと焼うどん(現在は断食=活動休止中)の西井万理那以外はミスiD出身者で構成されていて、少年院上がりの戦慄かなのをはじめ、強烈な個性の持ち主が名を連ねています。メンバーのSNSのフォロワー数の合計は100万を超えており、現時点で発表されている初出場組のなかでは突出したインフルエンサーぶり。曲者ぞろい、というか曲者しかいない超個性派オールスターといったところ。TIFのステージでも間違いなく大きな衝撃をもたらしてくれると思います。
◆2 鶯籠(とりかご)「今年の初出演枠、注目度ナンバーワン!」
そらく多くの人が今年の初出場組の注目株として名を挙げるのがこの鶯籠ではないでしょうか。鶯谷のライブハウスVALLEY×VALLEY×TOKYOを根城に活動するグループで、2018年に結成してすぐにシーンのなかでメキメキと頭角を現していきました。オルタナティヴロックを軸とした確かな音楽性とキュートかつ妖麗なビジュアルイメージ、そして太っ腹なフリーライヴを武器に怒涛の勢いで躍進し、現在は東京のみならず名古屋、大阪、仙台、沖縄と着実に活動の場を広げていっています。ノリに乗っている彼女たちをこのタイミングで目撃しておいて損はないはず!
◆3 BLACKNAZARENE(ブラックナザレ)「アンダーグラウンド×アイドルの融合」
2018年結成。美月リカプロデュースのレーベル「BABY TRACKS」からの刺客。「THUG×kawaii」をコンセプトに掲げるグループです。
◆4 OBP「確かな実績の進化系モデルアイドル集団」
もともとのグループ名は「OBP☆オキナワ美少女プロジェクト」。沖縄発の美少女集団です。「“カッコイイ”と“可愛い”が両立した見た目と幅広いパフォーマンスで、積極的に笑いも取りにいく、まさに進化系モデルアイドル集団!」とのことで、昨年の汐留ロコドル甲子園で優勝を果たした、確かな実績の持ち主。メンバーの年齢がかなり幅広く、バラエティに富んだパフォーマンスを見せられるのが大きな特徴。
◆5 WT☆Egret(ホワイトイーグレット)「姫路市の由緒正しきご当地アイドル」
先に挙げたOBPもそうですが、ローカルアイドルを一挙に見られるのはTIFの大きな魅力の1つだと思っています(この原稿を書いている現時点では地方勢はまだまだ少ないのですが最終的にはかなりの数になると期待してます!)。兵庫県姫路市のKRD8の妹分がこのWT☆Egret。全国選抜LIVEの近畿ブロック優勝者で、グループ名の由来は白鷺城こと姫路城から。グループ名もさることながら、奇をてらわないオーソドックスでノリの良い楽曲と全力のパフォーマンスはこれぞ由緒正しきロコドル像という印象。僕は『カスケード』というファンキーな曲が好みです。
◆6 真っ白なキャンバス「青春ど真ん中のエモくて刹那なステージ」
グループのコンセプトは「重なり合ったそれぞれの色は、真っ白な光になる。そんなキャンバスに夢を描いてゆく」。エモーショナルな楽曲と懸命なパフォーマンスに刹那の輝き、つまり青春を強く感じさせるグループ。雰囲気を知るには丁寧に作り込まれたMVを観るのもいいのですが、おすすめはファンカム映像。もしやほぼすべてのライブが記録されているのでは……と思ってしまうほど膨大な数の映像がYouTubeに上がっているので、それをチェックするとメンバーの魅力とステージの熱狂の度合いが伝わるかも。予習してから本番に臨みましょう!
◆7 MELLOW MELLOW(メローメロー)「歌唱力とダンス力抜群、楽曲はどれも絶品」
SENA、MAMI、HINAによるトリオ。
◆8 SKOOL GIRL BYE BYE(スクールガールバイバイ)「カルチャー色濃厚で音楽好きはハマる!?」
今年1月に活動を開始したばかりで、おそらくはナンバーガールのファーストアルバム『SCHOOL GIRL BYE BYE』から名前をつけた大胆不敵なグループ。曲名も『ザ・ワールドイズマイン』『ブレックファストクラブ』といった具合にカルチャー色濃厚。
◆9 クマリデパート「人気、実力を誇るがまさかのTIF初出場」
個人的には「え? 初出場だったんだ!」と驚いてしまうくらい意外でした。人気、実力で言えばとっくに出ているものかと……。Maison book girlでおなじみのサクライケンタがプロデュースをしているのですが、音楽的には変拍子やアヴァンギャルドな要素は少なく、清く正しく可愛らしいアイドル像を真っ直ぐに追求しています。メンバー変遷は紆余曲折あったものの現在は4人組で抜群の安定感を誇り、初のアルバム『ココデパ!』をリリースして波に乗っている時期。念願のTIF出場で並々ならぬ気合いも入っているようなので、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれることでしょう。
▽南波一海(なんば・かずみ)
音楽ライター、音楽レーベルPENGUIN DISC主宰。著書に『ハロプロ スッペシャ~ル』『ヒロインたちのうた』(ともに音楽出版社)など。