『ヤングジャンプ』が主催するオーディション「制コレ」の2022年度にグランプリに輝いた、蓬莱舞。制コレの歴史の中でも屈指の清純さとグラビア映えするボディーの持ち主で、2023年の活躍が期待されている。
だがその素顔は、友達が少なく大人しいタイプだという。今回は芸能界入りのきっかけから、芸能活動の挫折、グラビアへの思いについて聞いた。

【写真】圧倒的透明感、蓬莱舞撮りおろしカット【10点】

1992年から週刊ヤングジャンプ誌上で開催されるオーディション「制コレ」。これまで麻生久美子(1995年グランプリ)、沢尻エリカ(2001年準グランプリ)、川村ゆきえ(2003年準グランプリ)、来栖りん(2018年グランプリ)など多くのタレントを輩出してきた名門オーディションだ。昨年、そのグランプリに輝いたのが、当時16歳の蓬莱だった。

芸能界入りのきっかけは、小学生時代に訪れた地元静岡でのイベントでの出会いだ。


「いろんなお仕事を体験するイベントがあって。モデルの体験ができる場所にいたウォーキングの先生に『ショーがあるんだけれど、出てみませんか』とスカウトしていただいて。そこから今の仕事につながっています」

中学、高校時代はファッションショーに出演したり、雑誌の読者モデルに自ら応募したこともあった。ただ、ドラマやCMのオーディションを受けるものの、なかなか受からない。制コレの話を事務所から聞いたのはそんな頃だった。

「事務所の方から『水着のこんなオーディションあるけど、どうする?』って聞かれて。
その時まで本当にオーディションに受かったことがなくて、全然仕事がなかったんです。『どうせ受かるかどうかも分からないんだから、受けてみよう』と思って。水着は恥ずかしいというのはあったんですけど、一回やっちゃったら吹っ切れちゃいましたね(笑)」

蓬莱は書類、カメラテストに合格し16人の制コレファイナリストに残った。残った16人はアイドルグループの現役メンバーや、地上波アニメの声優、映画に出演経験のある女優といずれも蓬莱よりも芸能経験が豊富だった。

「周りの子はもともと有名な子ばっかり。私はインスタのフォロワーも300人くらいしかいなくて、全然無名だったんです。
だから、絶対に受からないだろうなって」

ただ突然現れた美少女を世間は放っておかなかった。ファイナリストを紹介するYouTubeの動画で蓬莱は他を圧倒する再生回数を記録する。動画のコメント欄にも「あーやばい」「可愛いの暴力」など、彼女を賞賛する言葉が並んだ。

「いけてもファイナリストまでで、そこから受かるのは無理だろうなとか思っていたから、びっくりしました。フォロワーさんもすごく増えて10倍くらいに伸びましたし、YouTubeの再生回数も飛び抜けて高かったそうで。友達からも『いけるんじゃない』とすごく言われて、調子に乗って『いけるかな?』とか言っていました(笑)」

そしてある日の夜、蓬莱のもとに事務所から電話がかかってきた。


「まず『(制コレ受賞の)5人に入りました』と言われて、よかったって思ったら『グランプリです!』と言われてびっくりしました。電話は家族みんなで聞いていたんですけど、やったってみんなで喜びました」

これまでオーディションに受からなかった少女は、一気に注目を浴びるシンデレラとなった。

多くの人の目を奪ったピュアな美しさは、学校でも評判かと思いがちだが、実はクラスでは大人しく「友達は少ない」と話す。

「もともと人見知りだったんですが、高校に入り、周りが全然知らない人ばっかりになったことで閉じこもっちゃって。話しかけられたら答えられるんですけど、まず話しかけられない(笑)。友達からは『話しかけるなオーラが出ている』って言われるんですよね。
普段はずっとぼーっとしているんですけど、その何にも考えてない時の目が怖いらしいです(笑)」

高校では吹奏楽部に所属し、コントラバスを担当している。

「楽器はいろいろと触ってコントラバスにしました。部活では同じパートの子だったり先輩とは仲がいいし、先輩たちともふざけ合える仲ですね」

制コレのファイナリスト、グランプリとなればコンビニに並ぶ雑誌の表紙を飾る。グランプリ受賞で学校での環境は変わらなかったのだろうか。

「ファイナリストに選ばれた時はお仕事で学校を休んでいたんですけど、『すごく話題になっているよ』と友達が教えてくれて。でもグランプリになった後、学校に行ったらクラスは全然反応がなかったですね(笑)。
部室に入ってきた部活の先輩に第一声『あっ、制コレじゃん』ってからかわれたくらい」

ただ世間の蓬莱への注目度は変わってきた。300人だったSNSのフォロワーは現在1.6万人。グランプリ受賞後、ソロで2回のヤングジャンプの表紙を飾っている。水着に抵抗感はなく、今はグラビアがとにかく楽しいという。

「すごく褒めてもらえるので撮影自体が楽しいんです(笑)。撮影でいろいろなところに行けるのも楽しいですし、撮影自体も楽しい。 プライベートだと着ない服とかも着られるじゃないですか。プライベートでの制服はブレザーなんですけど、グラビアではセーラー服を着させてもらえて嬉しかったです」

だが、逆に経験を重ねることで難しさも感じてきた。

「私はやっぱりすごくスタイルがいいというわけじゃないので、写真で太って見えちゃうこともあるんです。どうしたらそう見えないのかの研究もしたいし、痩せたいなとも思っています。今まではチョコとかお菓子をバクバク食べていましたが、 今は減らして、特に撮影前は絶対お菓子を食べないようにしています」

グラビアでの武器については透明感を挙げる。

「自分の強みとして言ってもらえるのが透明感なので、これからも大事にしていきたいなと思っています。あと目力があっていいと言っていただくことが多いです」

制コレのグランプリ獲得で写真集を作ることは既に決まっている。撮影で行ってみたい場所には台湾を挙げ「『千と千尋の神隠し』のモデルになった九份に行ってみたいんです」と笑顔で話していた。

(取材・文/徳重龍徳)
▽蓬莱舞(ほうらい・まい)
2006年1月17日生まれ、静岡県出身。B86・W58・H84。
Instagram:horai_libera_official