4月10日にスタートした木村拓哉主演の月9ドラマ『風間公親-教場0-』(フジテレビ系)。スペシャルドラマ『教場』『教場II』にも出演した明石家さんまが冒頭から登場するなど、放送直後からSNS上で話題となった。
17日放送の第2話には宮澤エマのゲスト出演がすでに発表されているほか、第3話には佐々木蔵之介浅利陽介の出演が発表され、さらに期待が高まっている。

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第1話は新人刑事・瓜原(赤楚衛二)が風間(木村拓哉)とバディを組み、事件の解決にまい進した。第2話も引き続き2人のコンビで事件を紐解いていく予定だ。

鬼教官になる前の風間についていろいろな想像を働かせていたが、第1話でことごとく打ち消された。『教場』『教場II』ほどの威圧感こそまだないものの、キャラクターは鬼教官の時とほぼ同じだったからだ。

ただ、前2作と違うのは、バディを組む新人刑事が風間をあまりこわがっていないこと。瓜原が「指導官ならちゃんと指導してください」と風間にキレるシーンもあり、学生が風間におびえていたこれまでの2作との違いを感じた視聴者もいるだろう。今作は風間の現場時代が描かれているためもちろん差があって当然ではあるが、ここからどのように“鬼教官”へと変化を遂げるのか。

重たい雰囲気と緊張感に包まれてあっという間だった第1話。新人に自分で考えさせる風間の教育法は現代の我々も学ぶべき部分が多くある。ずっしりと重たい雰囲気で学びをくれるこのようなドラマは貴重であり希望。そこに木村拓哉がいるのもありがたいと思わざるを得なかった。
厳しさの中に優しさを見せられるのも、その見せ方も彼ならではのものだ。

第1話は、容疑者にやさしく寄り添ってきた新人刑事・瓜原にスポットが当たった。2019年に捜査一課へ栄転した瓜原は、まだキャリアが浅いため“風間道場”で基礎をたたき込まれることに。風間との初対面は事件現場で、彼の独特なオーラに圧倒される。

風間は事件について、わかりやすいヒントは決して与えず「気づいたことは?」などと瓜原に質問を投げかけ、自分で考えて応えさせようとする。読みが間違っていても、違う方向に進もうとしても注意はしない。しかし「これ以上私を失望させるな」と言葉少なげに瓜原を確実に追い詰めていく。ミスをしても一切フォローせず「一人の犯人を取り逃がしても次の世代の捜査能力を育てる方が大事な場合もある」と言う落ち着きぶり。瓜原が感情的に言い返すのも無理はなかった。

まだ第1話の放送を終えたばかりではあるが、今作はただの刑事ドラマではなさそうだ。警察学校を舞台に描かれたこれまでの2作は、学生たちの群像劇がストーリーの中心だった。今回も豪華な俳優陣が名を連ねていることは間違いないが、おそらくタイトルのとおり風間の人間性にスポットが当てられるはずだ。


風間を演じる木村は10日朝放送のニュース情報番組『めざまし8』(フジテレビ系)に生出演し、今回の役作りについて言及した。刑事指導官を演じるにあたり、現場では他の共演者とは話さず、生徒役の共演者たちが練習する姿を一言も発さずに見学していたという徹底ぶり。「アシスタント的なことができたらいいなと思ってその場に同席させてもらったんですけど、同席するんだったら私服で力抜けた状態で見てるのは良くないなと思って」と、衣装を借りてバチバチの気持ちで見ていたとのこと。役作りに余念がなかったことがうかがえる話だ。

木村と赤楚は初共演だというが、若い頃から活躍し続ける木村と令和のドラマに引っ張りだこの赤楚、緊張感がありつつバランスのとれた2人の絡みには目を見張るものがあった。瓜原の後にはまだ新人刑事が4人。第2話の予告に新たな新人刑事の姿もあったが、どのように登場し、どのような事件に立ち向かっていくのだろうか。

今作は事件解決のストーリーにとどまらず、その中で風間が見せる指導方法や、“風間公親”という人間に引き続き注目したい。教場シリーズの風間はこれまで他のドラマで木村が演じてきたようなヒーロー主人公ではない。だからこそ、今作では風間の言葉や眼力、雰囲気に惹き込まれ、木村の演技力を再確認できるのだろう。

風間はなぜ鬼教官になったのか。ストーリーが進む中、今後もこのテーマを頭においてドラマを楽しみたい。


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