(前後編の後編)
【写真】アンニュイな雰囲気で人気を集めるしらい 撮り下ろし写真【5点】
約3年間のフリー活動を経て、しらいは2019年5月に「あなただけの神様」をコンセプトにしたアーティスト“白羽”として再びデビューを果たす。名前を変えたことにも意味があった。
「『しらい』という名義で歌を歌うことにしっくりこなかったんです。今までの自分とは違う雰囲気の歌を歌ったら許せない気持ちになりそうだし、だからと言って『“しらい”とは、こういう者です』と言語化できる自分もいなくて。なので、このときは白羽という名前で挑ませていただきました」
これまではグループアイドルとして仲間がいたが、今回はソロでのデビュー。しかし、これまで1人で芸能活動をしてきた彼女にとって不安はなかった。
「私の場合、たくさんの人と一緒に行動することが難しいということはアイドルをして知りました。最少人数でも同じ方向を向くのはなかなか上手くいかない。なので、このときは1人で活動することを選びました。
ただ、その分、プレッシャーもすごくて。まわりの皆さんが私のためにやってくださっているという状況が多くて、1つもミスできない。
そんな最中、しらいはSNSで「#パフェには終わりが来る」というハッシュタグとともにパフェとの2ショット写真を投稿。パフェ評論家からも注目されるなど、また1つ、新たな魅力を彼女自身で引き出した。そもそも「パフェには終わりが来る」という言葉にはどういう意味があるのだろうか。
「実は甘い物はあまり好きじゃないんですけど、パフェだけは時々食べることがあって(笑)。ちょうどその頃に“人生の終わり”を意識し始めていて、何故だかパフェと人生が重なったんです。パフェっていろんな層があるじゃないですか。美味しく食べられる層もあれば苦手な食材が使われていて乗り越えなきゃいけない層もある、そのうち気がついたら完食して終わる。これって人生と一緒なんだなって。私にとってパフェは人生の終わりを予習されてくれる存在なんです」
さらに、2020年には「しらいちゃん『#パフェには終わりが来る』展」を開催。
「こんなことになるなんて自分でも想像つかなかったです。パフェに関する連載もはじまって、気がつけば展示まで……。私が想像していた以上にパフェのことが好きになりました。
全てのことには終わりが来ることを教えてくれたパフェ。2021年3月には“白羽”というアーティストも終わりを迎えることになった。
「事務所の方から“白羽”から“しらい”に戻らないかと提案されたんです。ただ、話を聞いたらその後のことは何も決まっていなくって。だったら事務所を辞めてまたフリーとして活動したいと思ったんです。独立して、やっぱり私はフリーの方が合っているなと。何をしても全部自分の責任っていうことが居心地いいんです」
再び“しらい”に戻った彼女は9月に友人であるイヴにゃんローラーコースターと共にParfait▽Girlsというアイドルユニットを結成。今回は事務所に所属することなく、2人きりで活動を行う。(※▽の正式表記はハート)
「最初は一回きりの企画として組んだコラボユニットだったんです。だけど、それから共演するイベントも増えて、だったら2人でユニットを組もうと本格始動することになりました。これまでは1人でやった方が気が楽だと思っていたんですが、それ以上にイヴにゃんの書く詞に惹かれたんです。
パフェで例えるとイヴにゃんは王道可愛いイチゴ担当、私はダークなチョコ担当みたいに、お互いソロだと交わらない2人だからこそ、一緒にいることで化学反応が起きる。
しかし、しらいの活動はまだ止まらない。Parfait▽Girls休止後、4月にはアイドルグループtipToe.の元メンバー・椋本真叶と2人で新アイドルユニット「cherish your bubble」を結成。
「元々、お互いの生誕イベントで共演したのがユニット結成のきっかけでした。“your bubble”という言葉は安全な場所・あなたの世界という意味があって、ファンの人の夢を大事にするユニットにしたいねという想いを込めています」
5月21日には主催イベントでステージデビューを果たした「cherish your bubble」。内気な少女がSNSで発信をし続け、気がつくと10年も芸能界で活動。彼女を応援しているファンも「じゅじゅ」時代から変わらないという。そこには“絶対にファンを裏切らない”という彼女の魅力があった。
「高校を卒業してから、ずっと“しらい”として活動しているので、今でも不思議と仕事をしている感覚がないんです。だから10年間、無理なく活動できているのかもしれません。それに、私にとってファンの皆さんは家族のような存在なんです。そんな家族のために、これからも末長く活動してきたいと思います」
【あわせて読む】“レベチのかわいさ”と話題の天心戦ラウンドガール・新唯「反響の大きさはこれまでで一番」