7月1日に30歳の誕生日を迎えた夏本あさみが、その直前の6月30日に20代を総括する1st写真集『ラストシーン』(KADOKAWA)を発売した。グラビアアイドルやレースクイーンとして八面六臂の活躍を続ける彼女だけに、これが初の写真集というのは逆に意外に感じられるほど。
いずれにせよ自身にとっても記念すべき1冊となるだけに、制作にあたっては並々ならぬ思いがあったようだ。

【写真】“軟体グラドル”夏本あさみの撮りおろしカット【10点】

「これまでもイメージDVDやデジタル写真集は出していましたが、やっぱり紙の写真集に対する憧れは強かったです。本だと形として残りますし、自分の作品が書店さんに並ぶことで『ようやく芸能人の仲間入りができるな』という気持ちもあるんですよ(笑)。今は有名なタレントさんでも写真集を出すのが難しい時代になっているので、こうしたお話をいただけるだけでも光栄なこと。表紙の帯に書かれた“過去最大露出!”という言葉に嘘はありません。今、やれることはすべて出し切った自信作です!」

常人離れした身体の柔らかさを誇る夏本は、“軟体ボディ”“あさみライン”がファンから絶大な支持を集めてきた。今回の『ラストシーン』でも、腰回りからヒップにかけての曲線美を惜しげもなく披露している。

「身体が柔らかいのは生まれつきで、特にヨガとかストレッチとかもしているわけではないんです。なので自分ではこれが当たり前だったんですけど、グラビアデビューしたばかりの頃にやった撮影会で『すごいね、それ!』ってファンの人が驚いていたんですよ。当時は自分のキャラとか武器を身につけようともがいていた時期だったので、『これだ!』と思いました。そこからですね、徐々にですがグラビアでやっていく自信が出てきたのは」

写真集はページのほとんどがランジェリーと水着姿で占められる中、初めてのTバックにも挑戦した。「どうせなら今まで見せたことがない面を出したい」ということで、自分のほうからスタッフに提案したのだという。


「それ以外にも写真集には自分発信のアイディアがたくさん詰まっています。たとえば身体にホイップを塗っているカットがあるんですけど、これも別に事前に打ち合わせしたわけではなかったですし。撮影現場で『ここでホイップを乗せたら可愛いんじゃないかな』と私が言い出して、慌ててスタッフさんが買いに行ってくれたんですよ。ホワイトチョコを溶かして垂らすカットも似たような感じですね」

こうしたセルフプロデュース能力とプロフェッショナリズムは、グラドル・夏本あさみの真骨頂といえる。ポージングひとつ取っても、カメラマンの指示を従順に受け入れるだけでなく、「こうやって上半身だけ後ろを向くのはどうですか?」などと積極的に提案していくのである。

その姿勢は今回の写真集だけにとどまらず、DVD撮影時でもセリフ内容や撮影コンセプトを自分で決めるほど。「主演:私、プロデュース:私、脚本:私」という夏元の仕事ぶりを目の当たりにして、「グラビア界のチャールズ・チャップリン」と評するスタッフもいるようだ。

「今、グラビアの世界ってどんどん過激化しているんですよ。だけど私としては、露出ですべてが決まるとは思えないんですね。もっと“彼女感”を出したりして、見ている人の妄想に訴えるようなところを目指しているので。たとえば露出を頑張るあまり、『そんな奇抜な下着、どこに売っているの?』と驚くようなグラビアもあるじゃないですか。それはそれで非日常的な良さがあるのかもだけど、もっとリアリティを出したほうが男の人はグッとくるんじゃないかな。
ランジェリーの上にパンストを履いて、それが食い込んでいる様子を撮ってみたりとか……」

もともと妄想癖が強いうえ、小学生の頃から少年向け漫画を読む習慣が夏本にはあった。「男の子って、こういうことでドキドキするんや」と“学習”を重ね、男性ファンのニーズを掴むことに成功したのである。簡単には真似できない、絶妙なバランス感覚である。

「その反面、同性受けが悪いのが悩みなんですよ(苦笑)。学生時代から“ぶりっ子”と言われて、無視されたこともありますし。私としてはむしろ『みんなでぶりっ子して、みんなで可愛くなればいい』という考え方なんですけど、なかなか受け入れてもらえなくて……。だから30代の目標としては、もっと女性からも好かれる人間になりたい! それから今は30~40代になってもグラビアで活躍されている先輩が多いので、私も求められるうちはグラビアを頑張り続けたいですね」

写真集発売という夢を叶えたことで、さらに仕事に向き合う姿勢が前向きになったと語る夏本。快進撃はまだまだ続きそうだ。

(取材・文/小野田衛)
▽夏本あさみ(なつもと・あさみ)
1993年7月1日生まれ、京都府出身。O型。ABEMAの「全日本グラドル柔軟女王コンテスト」で初代女王となるなど、“軟体グラドル”として知られている。
Twitter:@natsumotoasami
Instagram:natsumotoasami
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