タレント・歌手のでか美ちゃんが主催するライブイベント『でか美祭2023~8月8日はでか美ちゃんINFINITY∞~』が、8日(火)に東京・Spotify O-EASTで開催された。

【写真】体調不良を持ち直し元気に披露するでか美ちゃん、ほかライブ写真【15点】

2020年にスタートした『でか美祭』は、でか美ちゃんの旧芸名・ぱいぱいでか美にちなんで毎年8月8日に行われる、アイドル、お笑い芸人、バンドというジャンルレスな豪華なゲスト陣を招いての一大イベント。


ここ最近のでか美ちゃんはテレビ、ラジオなどあらゆるメディアで活躍し忙しさを増す一方といった状況。そうした中、彼女は7月31日に偽膜性声帯炎と診断され、活動を制限せざるを得ない状況となってしまった。『でか美祭』を目前に控える大事な時期だけに、ラジオ番組を欠席するなど喉の回復に努めた。そして、でか美ちゃんは療養の甲斐もあり驚異的な回復を見せ、無事『でか美祭』のステージで歌唱ができることとなった。

イベント開演直前、現在の心境を本人が語った。まず、今年の『でか美祭』のテーマについて聞くと、「『でか美祭』のテーマは毎年変わらないんですが、まず、いろんなエンタメが楽しめる場所にしたいというのがあります。
あと、来てくれた方に“新しい好きなこと”を増やしてもらえる場所になればいいなって思ってるんです。例えば、推しがいる人が来ても楽しいし、推しがいない人でもここで見つけられるかもしれないですよ、みたいな気持ちでやってます。それと『でか美祭』は2020年というコロナ禍真っ只中に始まったので、お客さんの声援ありというのが今回が初めてなので、ほんとにうれしいです」とコメントした。

大一番『でか美祭』を前に、ドクターストップを受けたときの心境について聞くと、「正直“終わった”って気持ちにもなりましたけど、でも、なんとか直して8月8日は絶対出られるようにって気持ちの方が大きかったです。ただ、他のお仕事に穴を開けてしまうことに戸惑いましたし、絶望しちゃう自分もいました。ですが冷静になって、とにかく治す方向に全ての努力を振り切ろうと思いました」と、最大限の力で治療に努めたことを語った。


医師から歌っても大丈夫と言ってもらえたときの心境を聞くと、「お医者さんからも『奇跡的な治癒力だ』って言っていただけたときはめちゃめちゃ安心しました。今回の状況になって、改めて自分にとって声ってほんとに大事なんだなってすごく思いました」と、喉の大切さ、声を出せる喜びを痛感したことを口にした。

逆境を乗り越えて開催される今回の『でか美祭』の意気込みを聞くと、「とにかく、来ていただく方とニコ生を見ていただく方に思いっきり楽しんでいただきたいというのが一番です。あと、みなさんの中で、全ての演者さんを見たことある人って少ないと思うんですよ。なので、初めて見た人を好きになってくれたらいいなっていうのは思います。あと、私はタレントとしての仕事がありがたいことに増えて、ライブをする機会が少なくなっていたので、今日はアーティストとしてのかっこいい姿を見せられたらいいなと思ってます」と回答。


でか美ちゃんはテレビやメディアから存在を知られることが多いと思うが、こうしたイベントを開催するのは、生で直接観客と会えるライブという場を大事にしたいと思っているのかを聞いたところ、「それはあります。私はアイドルも音楽もお笑いもそうですし、絵を美術館で見たり、映画を映画館で見たい人なんです。そういう体験に時間やお金を使うことの価値はすごく大事だと思うので、そうした感覚が伝わるイベントになったらなとも思います。今日を機に『お笑いの劇場行ってみようかな』『アイドルのライブを見に行ってみようかな』とか思ってもらえたらうれしいです。『生で見たらいいじゃん!』ってことは絶対あると思うので」と、現場で何かを感じることの大切さについてを語った。

さてイベントは、でか美ちゃんと一緒にTBSラジオ『こねくと』で共演する石山蓮華が登場し開会宣言する。
でか美ちゃんは、古坂大魔王が手掛けた『でか美祭』の新曲「Filipped Over」を初披露。でか美ちゃんは、スクリーンに映る古坂大魔王とデュエットする。民謡風からサビは激しいデジタルハードコアへと変化し、さらにトラップへとなだれ込むという衝撃の新曲で会場は一気に盛り上がりを見せた。

イベントの出演陣は、でか美ちゃんと関係値の深い人、自身が大好きな人というセレクションだ。バンド、アイドル勢は、アカシック、絵恋ちゃん、眉村ちあき、BEYOOOOONDSという個性際立つラインナップ。また、お笑い勢は、オジンオズボーン・篠宮暁、フタリシズカ、カナメストーン、空気階段という人気の芸人が出演した。


『でか美祭』恒例の『あの歌声をもう一度!アイドルOG歌合戦』は、元アイドルが再びマイクを握るというコーナー。今回は、モデル、インフルエンサーとして大人気のくりえみ、YUINA(元 EMPiRE、BiS、CARRY LOOSE、WAgg)、元でんぱ組.incの成瀬瑛美が登場。審査員は大森靖子、ゆっきゅんが努め、さらにスペシャルゲストで矢口真里が参加して行われた。

くりえみは松田聖子の「哀しみのボート」、YUINAはBiSの「nerve」、成瀬瑛美はでんぱ組.inc「でんでんぱっしょん」を歌唱し、それぞれが違うカラーで会場を沸かせまくった。審査中には、矢口がモーニング娘。
の「I WISH」を歌唱。すると、あまりの名曲さと声の温かさに会場が感動の空気に包まれ、大森は感涙するという想像以上の状況となった。そうした中、OG歌合戦のMVPに選ばれたのは成瀬。彼女は「みんな優勝だと思ったので、みんな優勝!」とアイドル現役時代と変わらぬハッピー感を会場全体に振り撒いた。

濃厚なイベントのトリを務めるのは、でか美ちゃんwithメガエレファンツ。フロアがピンクのペンライトに染まる中、彼女は生バンドの演奏で「私の名前を呼んでください」から観客を盛り上げていく。「タイムカプセル」では、間奏でガチ恋口上を観客とともにシャウト。喉の不安を一掃するパワーを見せた。

改めて自己紹介したでか美ちゃんは、「コロナ禍に作った曲で、いつか一緒に声出せたらいいなと思って作った曲です。好きなところでイェーーー!って叫んでください!」と曲振りし、「イェーーーーーーーー!!!!!!!!」を披露。タイトなロックチューンに会場はヒートアップし、「イェーーー!」の歓声とピースので熱く盛り上がった。

さらにでか美ちゃんは、疾走感溢れる「NICE MUSIC MUST PURE」をドロップ。ハンディカメラを掴んで歌うなど、ロックシンガー然とした姿で会場のテンションをさらにブチアゲた。

ここでゲストの八木沙季がステージに登場。『検証します』のTikTokで人気の八木は、「私はこの4月に大阪から上京して、でか美さんと同じYU-M エンターテインメントに所属しました。東京のファンの方がいないので、『でか美祭』に出てどのくらいファンが増えるのか検証しまーす!」と、さりげなく検証も実施することを口にする。そして2人は、ハロー!プロジェクトのモベキマス「もしも…」をカバーし、キュートなポップチューンで観客を楽しませた。

そこからでか美ちゃんは、「NEVER BE YOUR LITTLE GIRL」で空気を大人なムードにチェンジ。かっこよさとスウィンギンなビートで観客を乗せまくった。

MCタイムででか美ちゃんは、「とてもうれしい1日になりました。1週間前に喉を痛めてしまったときはほんとに心配だったんですが、こんなに歌うこと、しゃべること大好きなんだって改めて感じることが多かったです。今日を無事迎えられてうれしいです!」と、ライブを通じての感想を述べた。

そして最後の曲は「桃色の人生」。でか美ちゃんは、ミラーボールのもとで勢いのあるサウンドとともに、強く伸びやかなボーカルを響かせる。会場のボルテージを上昇させまくり、ラストはジャンプを決めてフィニッシュ。

エンディングのコーナーでは、会場に残っている出演者がステージに集まり挨拶。ちなみに八木は「今日ファンになってくれた人?」とフロアに聞くと、大勢の観客が手を挙げ「『でか美祭』に出るとファンがいっぱい増える」という検証結果を報告した。イベントの最後の最後を締め括る曲は、『でか美祭』恒例の「夏空の距離」の全員歌唱。ステージの演者と観客が手を振りながら楽曲を歌唱し、会場はピースな空間となってイベントは終了となった。

喉の不調という大ピンチを乗り越え、無事『でか美祭』を完走することができたでか美ちゃん。個性強めながらも核心を突くクリティカルポイントを持つ大勢のゲスト陣を、一気にコンパイルできるのはでか美ちゃんの懐の深さがあるからこそ。ディープでいて楽しくキャッチーな世界観を堪能できるイベントだった。濃厚な人間力にますます磨きをかける、でか美ちゃんのこれからの活躍に期待したい。

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