(荒井&松本、手を繋ぎながら登場)
──見ているこちらが照れてしまうぐらいに仲良しですね(笑)。
松本 昨日メールで「明日は優希ちゃんと一緒です」と来てめちゃめちゃはしゃいでたんですよ。2人でのお仕事って珍しいからね。
荒井 ちか(松本)と一緒にいるイメージ、あまり持たれてないよなぁ。
松本 そうだね。仲が良いからこそ、ことさら優希ちゃんとの関係を周りに伝えることをしてこなかったもんね。今日はいい機会なので、ガンガン話していければと思います(笑)。
──それは助かります。いつ頃から距離が近づいてきたのですか?
松本 ドラフトの合宿の頃からずっとですね。お互い関西出身ということもあって、共通の話題も多かったから、一緒にいてすごく安心できたんですよ。
荒井 合宿の休憩中、座って休んでいたら「ダンス、教えてください!」と言いに来たの、よく覚えてる。
松本 合宿の頃からのクセで(笑)。優希ちゃんのダンス、フリが常に正確な上に覚えも早いから、ついつい頼っちゃうんですよ。
──ダンスの信頼は、6年経っても変わっていないんですね。
荒井 でも、ちかはグイグイ成長していって、いつの間にかSKE48のダンスメンに選ばれてるよね。メッチャ私、踏み台にされてる(笑)!!
松本 いやいや! 優希ちゃんの教えがあっての、今の私だよ。
荒井 そんなこと、今まで言ってくれなかったじゃない!
松本 そんなこと、言わなくてもわかるでしょ(笑)!
──いい信頼関係ですね(笑)。お互いのどこに安心感を覚えます?
荒井 私は普段から相当自由なんですけど、ちかといるときはより自由でいられる。ちかの前だと、寝っ転がって「なぁ、立たせて~」と甘えられるし、ちかも「しょうがないなぁ」って手を差し伸べてくれるんです。
松本 逆に私も、優希ちゃんには自分のワガママを全部出せる。優希ちゃんは心が広いから、いつも甘やかしてくれるんです。お互いに頼り頼られの関係ですね。
──隠し事とかもないですか?
荒井 それはないなぁ。顔を見れば何を考えているのか、言いたいことがわかっちゃうから。
松本 全部が筒抜けだよね。むしろ、何かあると全部言っちゃう「ねぇねぇ、聞いて!」って。
荒井 そうだね……もしかして、私たちって、良いコンビかも!
松本 アハハ! 自覚なかったの?
荒井 今気づいた! あまりにもこの関係が普通すぎて。
荒井&松本 イェ~イ(ハイタッチ)。
──6年越しの気づきでしたか(笑)。一方、同期ゆえのライバル心が芽生えることはありませんでした?
松本 確かに優希ちゃんが『Stand by you』(SKE48の24thシングル)で初選抜入りをしたときは、うれしい! おめでとう!! と思う反面、悔しい! とも思いました。でもその悔しさも、私ももっと頑張らなきゃ! という、バネに変えてくれるんです。
荒井 そうだね。ちかはモチロン、ドラ1(ドラフト1期生)のみんなは、ライバル……なのかもしれないけど、一番笑顔でいて欲しいと思う仲間だからね。
松本 さりちゃん(惣田紗莉渚)は長年選抜として結果を残し続けているし、(福士)奈央ちゃんは芸人さんの中に入ってすごく進化していってる。
──お2人の関係はもちろん、ドラフト1期生自体の関係性も良好そうですね。
荒井 はい、なんか最近今まで以上にグッと距離が縮まりました。お互いにチームが違うから、会えたときの喜びが、まるで何年ぶりの再会!? レベルで爆発するよね。
松本 優希ちゃんはもちろん、さりちゃん、奈央ちゃんとも会った瞬間話が止まらないんですよ。
荒井 最近も4人でご飯を食べに行ったり、『FRUSTRATION』のMV撮影中に、「4人でお揃いのお財布、持たない?」という話になって、LAでお揃いの財布を買ったんですよ。全員でそれを使ってます。
──急に距離間が縮まったのに、何か理由が?
荒井 自然に集まるようになったね。加入当初は8人だったのが今では4人。最初の頃は近くにいて当たり前だと思っていたから、気づいていなかったんですけど、卒業していくうちにやっと「同期って大切だなぁ」と4人全員がわかって。
松本 そうだね。私たちケンカを一度もしたことないんですよ。
荒井 これだけは言わせて、そんなにトボけてないから(笑)!
──ドラ1としては、周囲へのライバル心は湧かないですか?
荒井&松本 6期! 6期には負けたくない(笑)!!
松本 7期とドラフト2期は「7D2」と1つの形でくくられるのに、6期とドラフト1期は「6D1」と呼ばれることが、ほぼないんですよ。
荒井 この前(松村)香織さんとやった「アップカミング公演」の再演のときは、「6D1」とひとまとめにされたのに、6期だけで単独ライブをやったり、今度は6期単独でZeppライブを目指している! と、話題になるじゃないですか。そこではドラ1を離すんかい!! って(笑)。
松本 ドラ1ってなんなの!? 悔しい! って思う。けど、6期の勢いはすごく刺激になる。ドラ1も6期のみんなに必死で食らいつきながら、自ら光を浴びにいかないと。
──ドラ1で結束して、何かをやろう、みたいな動きはあるのですか?
荒井&松本 いやぁ~……。
松本 4人で何かしたいという話は全然。むしろ、「何かやる?」とプレッシャーを加えられると「む、無理です……」とビビって何もできなくなると思う(苦笑)。
荒井 こうして「6期、うらやましいなぁ……」と、愚痴るぐらいが、ちょうどいいんですよ(笑)。
──仮にプレッシャーを加えられず、ドラ1で何か自由にやっていいよと言われたら、何をします?
松本 ドラ1で楽曲が欲しい。期で曲をもらっているところがあるのですが、この4人で一緒に歌う曲自体がほとんどなくて。
荒井 ドラ1全員がそろった曲、『神様は見捨てない』ぐらいじゃない?
松本 うん。ドラ1だけの曲があれば、私たちもSKE48に1つ足跡を残せたと思えるようになれるよね。
荒井 今回の、ちかの選抜入りで、その風を呼び込めるんじゃないかなと思っています。
──改めて、新作『FRUSTRATION』で松本さんは、長年の目標だった初選抜入りを果たしました。加えて、松本さんが敬愛する古畑さんの初センター曲で選抜入りですね。
松本 正直まだ実感がないのですが、憧れの先輩の後ろで踊れるうれしさと、やっとスタートラインに立てたという喜びでいっぱいです。
荒井 ちかが加わってホントにうれしい。さりちゃんもいて。後は、どんちゃんが加われば完璧だね。
松本 ドラ1の時代、来るね(笑)。
──今作の選抜や今年2月の松本さんの副キャプテン復帰が象徴的でしが、6D1世代が近年SKE48の中軸となっている印象です。実感が湧いてきているのでは?
松本 はい。チームSは劇場公演ではほぼ先輩がいないので、私が引っ張らなきゃダメだ、カッコイイ背中を見せなきゃ! という気持ちが、最近は強くなってきています。
荒井 偉い! 私は全然ないなぁ。チームKIIは年齢層が幅広すぎて公演で『16人姉妹の歌』を歌うとき、21歳の私が7女なんですよ。後輩もたくさんいる分、同じ数だけ先輩もいるので、まだまだ助けてもらっている部分が多くて。6年も経って、未だに先輩に甘えているのは……ホントにしんどい。
松本 しんどいんかい(笑)。
荒井 妹分って言える歳じゃないのに。この歳でまだ何をやっても許してもらえる自由人みたいな扱いって、人としてどうなの?
松本 そう? 優希ちゃんは自由人だけど、ついつい許してあげたくなる人柄なんだよ。
荒井 ホント? けど、ちかみたいにそろそろ大人にならないとなぁ。ちかは甘えん坊なのにシッカリするときはちゃんとキリッとするからね。そこを見習いたい。まぁ、ちかは甘え8割、シッカリ2割なんだけどね。
松本 少なっ! 全然褒められている気がしない(笑)。
(取材・文/田口俊輔 撮影/武田敏将)
▽荒井優希(あらい・ゆき)
1998年5月7日生まれ、京都府出身。A型。ドラフト1期生。チームKII所属。ニックネームは「ゆき」。
▽松本慈子(まつもと・ちかこ)
1999年11月19日生まれ、大阪府出身。O型。ドラフト1期生。チームS副リーダー。ニックネームは「ちかこ」。