コスプレイヤーとして35万人を超えるXフォロワーを誇る紗愛(すずな)。期間限定自己プロデュースアイドル「Couleur Clarity(クルールクラリティ)」を牽引するなど型にクリエイティブに活動する彼女が、10月13日(金)に限界露出に挑戦した1st写真集『最初で最後だよ』(KADOKAWA)を発売する。
今回はアイドルグループについてを中心に話を聞いた。

【写真】1st写真集を発売した紗愛の撮りおろしカット【10点】

コスプレイヤーとしての活動のほか、雑誌グラビアやドラマなどにも活躍の場を広げている紗愛だが、その中でもアイドル活動は若い頃からの悲願だったという。

「私は福岡出身なんですけど、HKT48さんの劇場に通うようなアイドルオタクだったんですよ。だけど憧れが強すぎて、自分でオーディションを受けるなんて恐れ多いと考えていました。『アイドルになりたい』なんて親に言う勇気もなかったですし……。

コスプレイヤーを始めたのは完全に趣味みたいなもの。だからこそビビることなく人前に立てたんだと思う。でもありがたいことに、私のことを応援してくださる方も増えたので、小さい頃からの夢であるアイドルをやることにしたんです」

Couleur Clarityはオーディションでメンバーが決まったわけではない。紗愛が撮影会やイベントなどで知り合ったコスプレイヤー仲間に声を掛け、グループ結成に漕ぎつけたのだ。コスプレイヤーの中には紗愛と同様に歌やダンスが好きな者も珍しくはなく、二つ返事で「ぜひやらせてほしい!」と飛びつくケースが多かったそうだ。

だが、すべてを自分たちで作り上げるには、途方もない仕事が待ち受けていた。

「軽い気持ちで始めたのはいいけど、アイドル運営ってこんなに大変なのかと愕然としました(笑)。
楽曲やMVの制作、グループのコンセプト決定、衣装の方向性……。そもそも最初の予算集めから、すべて自分たちでやりましたからね。アイドルグループを始めるということは内緒にしつつ、メンバーだけで自主的に撮影会も行いました。クラウドファンディングでみなさまの力もお借りしましたしね。メンバーのスケジュール調整も大変なんですよ。忙しい子も多いし、普通に会社員として働いている子もいますから」

メンバー集めは知名度優先で行ったわけではない。しかし、結果的にはオールスターの最強コスプレイヤー軍団となる。新人グループながら、すでに基礎票は確固たるものがあるということである。想像以上にスタート時から注目が集まったことで、「これはもう中途半端な真似はできない」とメンバーは襟を正したという。

「しょせんはコスプレイヤーが片手間にやっていることだとナメられたくないんです。私たち以外にもアイドルをやりたがっているコスプレイヤーはいるはずですけど、Couleur Clarityが失敗したら後が続かないでしょうし。周りのアイドルさんたちへのリスペクトは当然ありますが、それと同時にバカにされたくない気持ちもあって……。
やっぱりそのためには地力をつけて、しっかりしたものを見せないとダメだと思う。今はやれることを精一杯こなしながら、いろんなことに挑んでいます」

今回の写真集では、Couleur Clarityの6人もキュートかつセクシーな姿をアピールしている。スタイリングを担当したのは紗愛。メンバーそれぞれの個性に合わせ、頭を悩ませながら決めていったそうだ。さすがは敏腕プロデューサーといったところだろうか。

「写真集に写っているメンバーたちは、とにかく本当に楽しそうなんですよ。このわちゃわちゃした天真爛漫な笑顔が、Couleur Clarityというグループにとって最大の強みだと思います。考えてみたら私のソロ写真集なのに、ほかにも可愛い子たちが出ているってお得な話ですよね。1冊で2度おいしいので、コスパは抜群(笑)。ぜひ手に取ってみてください!」

写真集発売日翌日の10月14日(土)には、Couleur Clarityの初ワンマンライブが控えている。始まったばかりのグループではあるが、2024年11月まで期間限定で活動するという方針はすでに決まっている。全力疾走で駆け抜ける彼女たちから目が離せそうにない。


(取材・文/小野田衛)
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