めざましテレビ』内で毎週火曜と金曜に放送されているアニメ『ちいかわ』(フジテレビ系)にて、声優・島袋美由利の演技が大きな注目を集めている。人気キャラクター・シーサー役としての演技が「ハマリ役すぎる」と評判を呼んでおり、“沖縄声優”としてさらなる活躍を期待できそうだ。


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シーサーは、12月5日に放送された第123話「スーパーアルバイター(1)」で初登場を果たしたキャラクター。同エピソードでは、ラーメン屋「郎」のことが大好きなシーサーが、店員として働かせてもらうために店主の「鎧さん」にけなげに直訴するという展開が描かれた。

シーサーといえば『ちいかわ』に登場するキャラクターのなかでも随一の努力家で、「郎」で働くために“難関”といわれる「スーパーアルバイター」の資格を取得したほど。また、人懐っこいところもあり、ラーメン屋の「鎧さん」を“お師匠”として慕っている。アニメではふわふわとした声質と、意志の強さを感じさせる演技によって、そんなシーサーの魅力がいかんなく表現されている印象だ。

とくに第123話で開口一番に発した「ここで働かせてくださぁ~い!」というセリフは、妙にクセになる響きがあり、大きな評判を呼んだ。
SNS上の『ちいかわ』ファンからも、「声としゃべり方に癒される」「声優さんの力がすごい」と、すっかりハマリ役と認定されている。

話題のシーサー役を演じているのは、大沢事務所の若手声優・島袋美由利。2017年に放送された『キラキラ☆プリキュアアラモード』(テレビ朝日系)でキャリアをスタートさせ、その後さまざまな作品でメインキャラクターを射止めてきた。

ちなみに島袋の出身地は沖縄だが、シーサーといえば沖縄の守り神。『ちいかわ』でシーサー役に抜擢され、ハマリ役と絶賛されているのも、こうしたバックボーンが関係しているのかもしれない。

島袋といえば、2022年公開の劇場アニメ『THE FIRST SLAM DUNK』で、沖縄育ちである宮城リョータの少年期を演じていたことも記憶に新しい。
快活なスポーツ少年というシーサーとは真逆の役どころだが、こちらも高い演技力を発揮しており、まさに“沖縄声優”の面目躍如だった。

ほかにも『音楽少女』で演じた具志堅シュープが沖縄出身だったり、沖縄が舞台の『はるかなレシーブ』に出演したりと、なにかと故郷に縁がある作品と役どころに恵まれている。

また、島袋は演技以外の部分でも郷土愛を発揮している。たとえば2018年には専門学校「総合学園ヒューマンアカデミー」の那覇校でトークイベントを実施し、2020年にはラジオ番組『下地紫野と島袋美由利の「ふたラジ!!」』(超!A&G+)で、同郷の声優・下地紫野と1カ月にわたって沖縄の魅力を語っていた。

ほかにも声優業界では、出身地に関連した仕事を行う声優が数多く存在する。石川県金沢市出身の能登麻美子が、石川を舞台としたお仕事アニメ『花咲くいろは』に出演したうえ、金沢弁の方言指導を担当したのは有名な話だ。


福井出身の安済知佳は、福井弁のキャラクターを担当したり、『ちはやふる』のアニメ版や実写版で方言指導を担当したりと活躍。また『ウマ娘 プリティーダービー』では、東北の方言である南部弁を使うユキノビジンの声優に、南部弁に馴染みがある青森県三沢市出身の山本希望が起用されている。

もちろん島袋の魅力が発揮されるのは、沖縄キャラだけではなく、『はねバド!』の荒垣なぎさや『ゆらぎ荘の幽奈さん』の湯ノ花幽奈、『ギャルと恐竜』の楓など、いろいろな代表作をもっている。かわらしいキャラクターから、ボーイッシュな少女、活発な少年役まで、演技の幅が広いのも大きな特徴だ。

ブレイクする資質は十分以上。シーサー役の演技をきっかけとして、2024年はさらなる飛躍に期待できるのではないだろうか。


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