2023年にはさまざまなドラマや映画が話題となり、新進気鋭の役者たちが次々脚光を浴びた。これまで磨いてきた才能が発見された者、新たな才能に開花した者、ブレイクの仕方は人によって異なるだろうが、そのなかでも目覚ましい活躍を見せたのは一体誰だろうか。
本稿では、“若手女優”というカテゴリーから才能の原石を紹介していきたい。

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まず筆頭に挙げられるのが、現在17歳のフレッシュな若手女優・當真あみ(とうま・あみ)だろう。2022年1月に『妻、小学生になる。』(TBS系)でテレビドラマ初出演を飾ったばかりで、演技のキャリアはまだ浅いものの、2023年はそんな彼女の役者人生において“覚醒”の1年だったように思われる。

たとえばNHKドラマ10枠で放送された『大奥』では、時代劇への初挑戦を成し遂げ、物語のカギを握る「若き日の田沼意次」を熱演。さらに『どうする家康』(NHK)では、徳川家康(松本潤)の長女・亀姫役として大河デビューまで果たした。
今までにやったことがない役柄に挑戦した上、実力派の俳優たちに揉まれたことによって、役者として飛躍的に成長したに違いない。

雑誌のインタビューなどでも、モチベーションの高さを覗かせており、とくに『どうする家康』の共演者・有村架純の演技に感銘を受けたことを語っていた。

早くもその経験が活きたのか、當真にとって初の学園ドラマとなった『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)では、その高い演技力が話題を呼んだ。彼女が演じた東風谷葵は、友人の鵜久森叶(芦田愛菜)に想いを寄せる秀才という難しい役どころだったが、秘めた想いを打ち明けるシーンは、多くの人の目頭を熱くさせた。

ちなみに當真は12月4日、都内で行われた“「ほっとカルピス」自習室”のオープニングセレモニーに出席した際、来年の抱負として「チャレンジを続ける」ことを挙げていた。まだ10代後半で、若くしてキャリアを積んでいるだけに、今後が楽しみな女優のひとりと言えるだろう。


當真と同じく『どうする家康』に出演していた原菜乃華もまた、2023年のドラマ業界を彩った才能のひとりだ。原といえば、2022年に公開された新海誠監督のアニメ映画『すずめの戸締まり』で主演に抜擢され、一躍有名になった若手女優。これまで新海監督に見出された女優は、次々ブレイクしていることで知られているが、原もそのジンクスを体現するかのように目覚ましい活躍を見せた。

『どうする家康』では家康の孫・千姫役を演じた一方、大ヒット映画『ミステリと言う勿れ』では物語の重要なカギを握るヒロイン・狩集汐路(かりあつまり・しおじ)役を熱演。いずれも卓越した演技力で注目を集めることになった。

他方で、10月期の秋ドラマ『泥濘の食卓』(テレビ朝日系)で演じた尾崎ちふゆ役は、極めて異質な役どころと言える。
ちふゆは幼馴染の那須川ハルキ(櫻井海音)に異常な執着を向けている女の子で、彼を想うあまりストーキングや脅迫行為などの狂気じみた行動を繰り返しているという設定。同ドラマは狂気を秘めたキャラクターばかり登場する作品だったが、そのなかでも目立って見えるほどの怪演を見せ付けた。それまであった“原菜乃華=清純派”というイメージを覆された、という視聴者も多かったのではないだろうか。

演技力でいえば、“めるる”こと生見愛瑠の名前も挙げておきたいところ。これまでの生見はどちらかというとタレントやモデルのイメージが強く、演技とはあまり縁のない存在のようにも見えた。しかし初出演映画『モエカレはオレンジ色』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞して以来、その演技力を披露する機会が一気に増えており、とくに2023年には大きな飛躍を遂げていた。


4月放送のテレビドラマ『日曜の夜ぐらいは…』(テレビ朝日系)では、清野菜名岸井ゆきのといった実力派俳優たちと肩を並べる形でメインキャストに抜擢。5月には木村拓哉主演のドラマ『風間公親-教場0-』(フジテレビ系)の第4話で、犯罪に手を染めたシングルマザーを熱演した。

いずれもバラエティで見る“明るいめるる”とは打って変わったような暗い役どころであり、そうしたギャップが視聴者により強烈なインパクトを与えたようだ。

ちなみに10月期のドラマ『セクシー田中さん』(日本テレビ系)で演じた倉橋朱里役は、愛され系の派遣OLで、その性格は等身大の生見といった印象。明るい役から暗い役どころまで、幅広い演技力を見せてくれた生見は2024年、どんな役柄に挑戦するのだろうか……。

今後もますます活躍が期待される新進気鋭の若手女優たち。
2024年のドラマ界を引っ張っていくのは、彼女たちかもしれない。

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