赤坂アカと横槍メンゴによる人気漫画『【推しの子】』(集英社)が今年冬にAmazon Prime Videoにて実写ドラマ化。さらに、実写映画が東映配給で劇場公開されることが発表された。
2023年春にアニメ化され、主題歌を担当したYOASBIの『アイドル』が米ビルボード・グローバル・チャートで日本語楽曲初の首位を獲得するなど、ここ最近何かと注目を集めている作品と言って良い。そんな話題作『【推しの子】』の実写化ということで、期待したいポイントは多い。

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まず『【推しの子】』は芸能界を舞台にした内容になっており、漫画原作の実写化について言及されるシーンがあった。少女漫画原作の実写ドラマ『今日は甘口で』を見たルビーは「演出とかはしっかりしてるから見られない事はないけど」としつつ「なんか原作に居ないオリキャラが活躍してるし」と不満を口にする。これにルビー達が所属する苺プロダクションの社長・ミヤコは「出来るだけ多くの役者を使いたい制作側の事情ね」という。

さらには「展開もさ……こんなんじゃなかったよね?」と続けると、ミヤコは「原作14巻分を半クールで収めるとなると どうしても物語をカットする部分が出てくるのよ」と説明。終いには「なんていうか……ひどいね!」と口にする。実写版あるあるを制作視点で回答していく様子が描かれていたが、このシーンが果たして映し出されるのかは特に注目したい。

実写版あるあるを実写版で表現する、というシュールなシーンを見てみたい気持ちは強い。なにより、実写版『【推しの子】』ではルビーが違和感を覚えるような展開になっているのかも気になるところ。ただ、Prime Videoをはじめ、動画配信サービスで公開されるドラマは、テレビドラマとは異なり30分、60分と毎回明確に決まっているわけではない。60分のドラマでもエピソードによっては55分、70分と柔軟に変更している。
そのため、原作にあるシーンを不自然に端折られる心配はない。

とはいえ、オリジナルキャラが登場するかはわからない。メインキャストは発表されているが、今後オリジナルキャラの登場という追加情報が出されるかもしれない。それでも、仮にオリジナルキャラが登場すればそれはそれで面白い。ルビーが「なんか原作に居ないオリキャラが活躍してるし」というセリフがより“メタ”として感じられ、これまでにない面白さを生むだろう。

注目したいシーンは他にもある。アイが所属するアイドルグループ・B小町のライブを乳幼児期のルビーとアクアが見に行った際、激しくペンライトを振り回しながらオタ芸を披露するシーンだ。アニメ版ではその動きがキレキレ過ぎて大きな反響を集めた。アニメ版を代表するシーンの1つと言えるが、実際に赤ちゃんにこのような動きをしてもらうことは不可能。カットされる可能性も高いシーンではあるが、もし残すのであればどのように表現するのかもワクワクさせられる。

また、高校生になったアクアが恋愛リアリティショー『今からガチ恋始めます』に出演した際、共演した黒川あかねが“アイ化”するシーンも見もの。アクアとルビーの推しであり、親であるアイをあかねが憑依させたアニメ版8話はSNSで大バズリ。
あかねの声を担当した石見舞菜香の演技力に加え、細かく動くもアニメーションも相まって見事にアイを表現されており、アクアだけではなく視聴者も驚かせた。

赤ちゃんのオタ芸とは異なり、カットは考えにくいこのシーン。アニメ版のクオリティの高さが、そのまま実写化の際のハードルの高さにもなりそうだ。あかねを演じる茅島みずきは現在19歳でありながら『明日、私は誰かのカノジョ シーズン2』(TBS系)などドラマや映画の出演経験は豊富。あかねというキャラの凄みを体現してくれる演技にも注目したい。

さらには、“重曹を舐める天才子役”こと“10秒で泣ける天才子役”の有馬かなが重曹をペロペロするカットなど、アニメ版で話題になったシーンは多い。それらを実写ならではの料理方法を見せてくれることを今から楽しみに待ちたい。

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