2019年1月に開催された「第1回 AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」。AKB48姉妹グループに所属するメンバーからの立候補者155名から、もっとも魅力的な歌い手を決定するというこの大会、優勝したのはSKE48野島樺乃だった。
それまで選抜経験ゼロだった彼女の名は瞬く間にファンの間で広がり、以降、初のソロ公演の開催や選抜入りなど、グループ内の序列を上げていった。
1月15日に発売された『ソーユートコあるよね?』では2作連続の選抜入りを果たした野島に、飛躍の年となった2019年を振り返ってもらうとともに、2020年の目標を語ってもらった。

     *     *     *

──2019年はどんな1年でしたか。

野島 厄年だったので、年初は悪いことなく過ごせたらいいかなと思っていました(笑)。ただ、高校生最後の年でもあったんです。だから選抜入りは目標にしていました。

──1月にいきなり「第1回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」で優勝しました。

野島 今、2019年を振り返っても、それが一番大きかったですね。

──やはり大会当日は緊張しましたか。

野島 一番緊張したのは会場へ向かうタクシーの中でした。会場に着いて、楽屋で(山内)鈴蘭さんとちゅりさん(高柳明音)としゃべっているうちに緊張が解けていって、本番は楽しんで歌えました。曲はディズニーの『パート・オブ・ユア・ワールド』を選びました。
スタッフさんから生バンドでそれは難しいよって言われていたんですが、私自身、一番テンションが上がる曲だったんです。思い切って歌ったのが結果につながったのかなって思います。

──1月からいいスタートが切れましたね。

野島 コンテストで優勝するのが初めてで、ファンの方もすごく喜んでくれました。あとTwitterのトレンドに自分の名前が出たんですよ。うれしくてスクショしました。

──厄年とは思えないですよ。

野島 でも2月にちゃんと厄除けに行きました。勢いが止まらないように(笑)。

──その次は何がありました。

野島 4月に上演したSKE48版『ハムレット』の舞台ですね。演技経験ゼロからのスタートでした。
監督が表現しやすいようにと、私が得意な歌を取り入れてくださったんですけど、そこに演技がつくと途端に難しくなっちゃって。手応えがつかめたのは舞台初日のゲネプロのときですね。周りのメンバーの役への入り込み具合がすごくて、それに影響されて自分も世界観に入り込めましたし、舞台はすごく楽しいんだなって知りました。

──4月末に横浜スタジアムで行なわれた「AKB48グループ春のLIVEフェス」では野島さんのソロステージもありました。

野島 同じ時間帯に別の場所では白間美瑠さん(NMB48)のステージがあって、私のステージにはお客さんが来てくれないんじゃないかって不安だったんですけど、SKE48ファンの方がたくさん来てくださって。私の後がAKB48チーム4のステージだったんですけど、そのファンの方々も観てくださったのがうれしかったですね。ステージを観た方が、握手会に来てくださるようになったり。

──5月にはソロコンサートもありました。

野島 歌唱力決定戦で1位になってから、ソロ公演は夢だったんです。スタッフさんに相談したら「いいね。すればいいじゃん」って言ってくださって。

──苦労した点は?

野島 まずリハーサルで、思っていた以上に劇場が広くて驚いたんです。
普段は16人で歌っているから広いと感じていなかったんですけど。舞台監督さんからも劇場を使いきれてないとアドバイスをいただきました。当日は緊張しすぎて、飛行機に乗っているときみたいに、耳が聞こえづらくなってしまって。ボイストレーニングの先生からいつもと同じようにやればいいよって言っていただいて、本番直前にお水を飲んだり、ガムを噛んだらよくなりました。

──本番はいかがでしたか?

野島 緊張のあまり最初の『レイニーブルー』で、2番の歌い出しが遅れました。その後も衣装替えでバタバタしたり。でも、楽しくて夢のような時間でしたね。

──7月にリリースされた『FRUSTRATION』ではついに念願の初選抜に選ばれました。どのタイミングで選抜入りを伝えられましたか。

野島 スタッフさんから話があるって呼び出されて会議室に入ったら、カメラが回っていて、選抜に入ったことを伝えられました。

──初選抜シングルは振り返ってみてどうでしたか。

野島 まずMV撮影がロサンゼルスってことにビックリしました。
『FRUSTRATION』はSKE48には珍しいアゲアゲなパーティーチューンで、撮影していて楽しかったですね。コンサートでも、ポジション表に自分の名前が入っていて、選抜に入ったことを実感しました。

──そのシングルではカップリングに野島さんのソロ曲『夢の在処へ』が入りました。

野島 ソロ曲は歌唱力決定戦の特典だったんですけど、マネージャーさんに聞いても「確認します」って言われたまま返事がなく、なくなったのかなと思っていたんです。ある時、湯浅さん(当時SKE48劇場支配人)に「ソロ曲どうなりましたか?」って聞いたら「次のシングルに入るよ」って言われて(笑)。もうちょっとちゃんとした形で伝えてほしかったです!

──公演でサプライズ発表とか。

野島 あっさりしすぎですよね。でもカップリングに入ったことで、カラオケにも入っていて。見つけたときはうれしくて3回も歌っちゃいました(笑)。

──8月には「湖山医療福祉グループ」のCMソングを歌うことも発表されました。

野島 歌唱力決定戦でピアノを弾いてくださった方のお知り合いが私の声を気に入ってくれたらしく。あちこちでCMが流れて、見たよって報告がたくさん届きました。


──そしてその次は。

野島 今年の1月15日に発売されるシングル『ソーユートコあるよね?』の選抜に選ばれました。『FRUSTRATION』のときはポジションが端っこで、歌唱力決定戦の優勝から勢いがあったから選抜入りできたのかなと思っていて、今回は無理だと思っていたんです。だからびっくりしましたね。ファンの方からも安心したよって言われました。

──12月には再びソロライブをやりましたね。

野島 キャナルパークささしまで、クリスマスライブをやりました。野外だったので、ふらっと通りかかった人も知っている曲だったら聴いてもらえるかなと思って、SKE48以外の曲も取り入れました。SKE48の代表としてステージを任せてもらえることってないですし、たくさんの方にグループの良さを届けたいと思って歌いました。

──2019年を通して感じたことはありますか。
 
野島 厄年だと思っていましたけど、実はとても充実した1年でした。そして自分に求められていることが分かったんです。
可愛いとか妹系という枠じゃなくて、歌なのかなって。私のことをあまり知らないけど、歌声が好きって言ってくださる方がいるので。私の声をもっと色んな人に知ってもらいたい、歌で惹きつけられる人になりたいです。

──反省点はありましたか。

野島 一つひとつのことを継続してできなかったことですかね。昔から継続が苦手で、親からもよく言われてきたんです。SNSも毎日更新するのが苦手で、思うことがあったらバーって書くんですけど。私を知っているファンの方はそれも理解して好きって言ってくれるんですけど。

──SNSの使い方は人それぞれですからね。これは継続できたと思うことはありますか?

野島 毎日、少しでも可愛くいる努力ですかね(笑)。ファッションとかコスメが好きなので、毎日こだわるようにしています。お母さんからはこだわりすぎって言われます。

──それはアイドルには大事なことですよ! さて、2020年はどんな自分になりたいですか。

野島 須田(亜香里)さんみたいに存在感がある人になりたいです。野島樺乃って言っても、世の中ではまだまだ顔と名前が一致しないと思うんです。今年は高校を卒業してSKE48一本でやるので、自分の名前を広めたいですね。

──そのために、SKE48のセンター宣言をしてみますか。

野島 それはまだ言えないです……。納得してくださる方が少ないと思うので。センターって、周りをパッと明るくできるような存在だと思うんです。それにはまだスキルが足りないから、もっとスキルを身につけたいですね。

──2020年、楽しみにしています!

▽SKE48 26thシングル『ソーユートコあるよね?』
1月15日(水)発売
詳しくはコチラ

▽SKE48 アリーナ・コンサート開催
SKE48 Valentine’s Day Live 2020 ~CHOCOLATE~
2020年2月15日(土)静岡エコパアリーナ
SKE48 White Day Live 2020 ~Candy? or Cookie?~
2020年3月15日(日)横浜アリーナ
http://2020arena.ske48.co.jp/
編集部おすすめ