2013年に開催されたavex×CanCamオーディションにて誕生した、ぷに子ユニットChubbinessとして芸能界デビュー。2013年から2019年までChubbinessとして活動し、現在はソロとして活動している中崎絵梨奈。
今年1月の放送された『仮面ライダーゼロワン』(19話)に住田スマイル役で出演し、「最強の笑顔」とSNSで大きな話題を呼んだ。
高校卒業後は、OLとして事務職をしていたという彼女は、いつしか「何か目標が欲しい」「認めてくれる場所が欲しい」と思うようになり、二十歳の時に興味を持ち始めた芸能界に飛び込んだ。約6年間のアイドル活動を終え、ソロとして本格的に活動を始める前に、-10kgのダイエットを決意し見事に成功した。現在上演中の舞台『バレンタイン・ブルー』にも出演中だ。女優、グラビアとして、ブレイク必至の彼女に話を聞いた。

──今年1月に放映された『仮面ライダーゼロワン』(テレビ朝日)の19・20話で、中崎さんが演じた「スマイルちゃん(住田スマイル)」が大きな話題になりました。

中崎 地上波のドラマに出演すること自体が初めてだったので、想像以上の反響があってビックリしました。

──思いっきり直球な役名ですよね。

中崎 私で大丈夫かな、ぎこちない笑顔にならないかなって不安はありました。そもそもChubbiness(チャビネス)でデビューした当時は笑顔が苦手だったんですよ。当時はマネージャーさんから「笑顔だと写真の写りが良くない」って言われることもあって一時期は悩んでいたんです。その時にChubbinessのメンバーが自然な笑顔を作る練習に付き合ってくれて、徐々に笑顔が得意になっていきました。


──笑顔が良くなったなと自分で感じた時期はあるんですか?

中崎 デビューから3、4年経ったあたりで、ファンの方から「絵梨奈ちゃんの笑顔が好き」って言ってもらえることが増えて、もしかして私は笑顔がチャームポイントなのかなって思うようになりました。

──『仮面ライダーゼロワン』の撮影現場はどんな雰囲気でしたか。

中崎 石田秀範監督を始めスタッフさんが優しくしてくださって、とても暖かい雰囲気でした。かなり緊張していたんですけど、水落ちのシーンから始まって、水に落ちたことで緊張もほぐれたんですよ(笑)。作った笑顔じゃなくて、撮影を楽しみながら自然な笑顔ができたと思います。何もかもが新しい経験で、あたふたしながらも楽しい現場でした。

──本放送の時にリアルタイムでツイッターなどはチェックしました?

中崎 しました。役名に名前負けしてないかなと心配だったんですけど、「可愛い」ってツイートしてくださる方が多くて。あんなに自分のことをつぶやかれる経験もなかったですし、「本当ですか?」って感じで動揺しちゃいました。

──2月18日(火)から始まる舞台『バレンタイン・ブルー』はどんな役柄ですか?

中崎 日比美思ちゃんと姉妹役で、私は姉役。二人で「オーガニック」というアイドルユニットを組んでいて、けっこう私の役柄はぶっ飛んでいます(笑)。ただ私自身、アイドルグループを経験しているのもあって、役のイメージはすーっと入ってきました。


──脚本を読んだ印象はいかがでしたか?

中崎 作・演出の堤泰之さんの舞台は過去に見させて頂いたことがあって。その時に堤さん独自の世界観を感じていたので、『バレンタイン・ブルー』の脚本を読んだ時も、堤さんらしいなって思いました。大きい事件が起きるわけじゃないんですけど、日常での人間同士の関りの中で、人の気持ちが変化していく様を、笑いを交えながら暖かく描くんですよね。コメディ色強めで、初めて脚本を読んだ時はだいぶ笑ったんですけど、ちょっと泣ける部分もあるんです。

──昨年後半から毎月のように違う舞台に出演していますけど、よく頭を切り替えられますね。

中崎 意外と切り替えられますね。頭がすっきりしない時は一人で大好きな浅草に行くんです。浅草寺の近くに滝があるんですけど、それを見ながら10分ぐらいボーッとしたり、金魚すくいをしてみたり。ふらふら歩いているだけで心が落ち着くんですよね。

──特に印象的だった舞台は何ですか?

中崎 今年1月に公演した『寓話のゴーグル』ですね。初めてヒロインを演じさせて頂いたんですけど、ストレスで幼児退行していく女性の役だったんです。役作りのために幼児の動画を見て、どんな行動をするんだろう、どんな仕種をするんだろうと研究しました。
喋り方も突発的に話したりとか、普通の大人のテンポではないんですよね。そこまで役作りをしたのが初めてだったので勉強になりましたし、自分の成長につながったなと感じました。

──小さい頃から芸能界に憧れはあったんですか?

中崎 学生時代は考えたこともなかったです。高校を卒業してOLをしていたんですけど、二十歳の時に初めて芸能界に興味をもったんです。

──アイドルにも興味はなかったんですか?

中崎 私は覚えてないんですけど、小学生の時にお母さんがモーニング娘。さんのオーディションに応募して、東京まで行ったことがあるんですよ。でもオーディションより、そのついでに行ったディズニーランドが楽しみでした(笑)。

──どの時期のオーディションか覚えてます?

中崎 本当に覚えてないんですよね……。モーニング娘。さんでは後藤真希さんが大好きで、久住小春さんが入る前だったので、その間ぐらいのオーディションですね。ただアイドルにハマっていたのは小学生までで、中・高はあんまり興味がなかったです。


──OL生活を送っていた中崎さんが、どうして芸能界の道を選んだんですか?

中崎 事務職だったんですけど、2年ぐらい働いて、「これでいいのか……」って思っちゃったんです。主婦でこの仕事だったらいいけど、私は壁にぶつかっていくのが好きなタイプなので、何か目標が欲しかったんですよね。候補としてはアパレル業界も考えたんですけど、2013年にavex×CanCam主催で「全国ぷに子オーディション」があって。当時は今よりも太っていたので、ぷに子の自分でもいけるのかな、認めてくれる場所があるのかなと応募したらポンポンポンって受かったんです。

──最初からアイドルグループを結成するという話だったんですか?

中崎 最初は違いました。応募要項にやりたいことを支援しますと書いてある中で、私が一番興味あったのは女優だったんです。ところが気付いたらChubbinessを結成していました(笑)。私以外のメンバーもアイドルになりたくてオーディションを受けたわけではなくて、演技だとか、歌やダンスをやりたいって子たちが集まってたんです。でも、このユニットで有名になれたら好きなことができるよねとメンバーで話し合って、ちゃんと納得してアイドル活動を始めました。

──アイドル活動はいかがでしたか?

中崎 私は向いていたと思います。歌とダンスは得意ではなかったんですけど、すごくライブが楽しかったんです。私に会いに来てくれる人がいて、ちょっとしたことでも喜んでくれて、それってすごいことだなと。
それで5年4カ月間、頑張ったんですけど、何度も話し合いをして今後の方向性を考えて、メンバー全員の卒業を決めました。

──ソロ活動の不安はなかったんですか?

中崎 卒業が決まった時は不安でした。でも卒業する半年前ぐらいから、ソロになった時に自分は何をやりたいんだろうと考え始めて。グラビア、舞台、作詞作曲など、ソロで挑戦したいことは幾つもあったので、卒業する時はワクワクのほうが大きかったです。

──5年4カ月の間、グループを辞めたいと思ったことはないんですか。

中崎 一回も思いませんでした。とりあえずグループの知名度を上げなきゃ女優はできないと思って必死でしたし、その延長線上でグラビアにも挑戦しました。

──グラビアに抵抗感はなかったんですか?

中崎 体に自信があったわけではないので、かなり恥ずかしかったです。でも、ぷに子で売っているんだから、これでいいんだと開き直ってました(笑)。ぷに子体型が好きって言ってくださる方も多かったですし、Chubbinessに入ってからは太っていることが嫌だって思わなくなったんです。だから好きな時に食べて、好きな時に寝てました(笑)。

──逆に痩せたら事務所から怒られそうですね。


中崎 実際に怒られました。「最近、痩せてない?」みたいな(笑)。痩せかけているなと感じた時は、私は甘い物が好きなので、いつも以上に甘い物を食べていました。

──Chubbiness卒業後、約3ヶ月でマイナス10kgのダイエットに成功しましたが、自分の意志でダイエットを始めたんですか?

中崎 卒業して1カ月後ぐらいに「サンスポgogoQueen2019」というグラビアのオーディションのお話があって、やりますかって打診されたんです。迷ったんですけど、ソロになってからお仕事がなかったのでやってみようと。これからお芝居をやっていく上で、ぷに子と名乗るには中途半端だったので太るか痩せるかだと。そこで私はグラビアをやるんだったら「痩せたい!」と思ったんですよね。

──どうやってダイエットしたんですか。

中崎 週3でパーソナルトレーナーの元に通って、あとは食事制限ですね。ただリバウンドはしたくなかったので、ちゃんとゴハンは食べながらダイエットに励みました。おかげで体が軽くなりましたし、夏は二の腕を出したりだとか露出が増えましたね(笑)。

──Chubbiness時代からのファンの反応はいかがでしたか?

中崎 ほとんどの方は痩せても好きだよって言ってくださったんですけど、中には「太ってたほうが好きだったな。もっと食べなよ」って方もいました(笑)。

──ダイエットに成功してからはリバウンドもなく?

中崎 そうですね。今も筋トレは続けていますし、食生活も変わって、そんなに甘い物も食べなくなりました。

──それだけ体型が変化するとグラビアに対する意識も変わりますよね。

中崎 自信がつきました。自分でグラビアを見比べても、今は表情が生き生きしているんですよね。前はおなかが出ちゃうから、座って撮るのが自分的にNGだったんですけど、今はバンバン座ってますからね(笑)。なのでポーズのバリエーションも増えたと思います。

──最後に今後の抱負を聞かせてください。

中崎 去年は舞台にたくさん出させて頂いたので、今年は映像のお芝居にも挑戦していきたいですし、グラビアでは雑誌の表紙を飾れるぐらいになれたらいいなと思っています。

※「崎」の右は「立」が正式表記

▽舞台『バレンタイン・ブルー』
日時:2月18日(火)~25日(火)
場所:博品館劇場
作・演出:堤泰之
出演:前島亜美久保田秀敏武子直輝、日比美思、飛鳥凛、出口亜梨沙、中崎絵梨奈、行徳智仁、會田海心、近藤簾、高橋果鈴(※1)、福田愛依、高石あかり(※1)、しゅはまはるみ、西ノ園達大(※1高橋の「高」とは高石の「高」「はしごだか」が正式表記)
公式サイト:http://no-4.biz/valentineblue/
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