新世代美少女として注目を集める生牡蠣いもこ(イクッがきいもこ)。アイドルグループ「神使轟く、激情の如く。」(しんしとどろく、げきじょうのごとく。
)、通称・神激(しんげき)のメンバーとして活動する一方、「週刊ヤングジャンプ」の表紙を飾るなどグラビアでも活躍している。
彼女は学生時代、周りと上手く馴染めず不登校になった過去を持つ。だが、そのおかげでエロとアニメへの興味が人一倍強くなった。ひょんなことからアイドルになるため上京すると、得意の下ネタが脚光を浴び、各所で話題に。今まさに完全ブレイクしようとしている生牡蠣に、下ネタへの哲学、グループとしての活動、そして未来について語ってもらった。

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──今回は生牡蠣さんにアイドルになった経緯からお聞きしたいと思っています。

生牡蠣 私は愛知出身なんですが、地元に住んでいた頃は、アルバイトをして貯金ができたら家に居るタイプの引きこもりで、自分では”ネオ引きこもり”って言っていました。小学生の時から、声優になりたいっていう夢はあったんですけど、お金がないとかいろんな理由で一度諦めてしまったんです。でもある時、お母さんから「アイドルをしないか」っていう話を提案してもらって。自分の中で何か変わればいいなっていう気持ちで始めました。

──声優になりたかったというのは初耳です。

生牡蠣 自分のビジュアルに自信がなかったので、顔を出して何か活動することは考えていませんでした。
それで、コンプレックスだった声を活かせる職業って何だろうなって考えた時に、声優さんだなと思って。アイドルにも興味はあったんですが、お金がないとか家庭環境が悪いとかいろんな理由で現実的だとは思っていませんでした。

──引きこもりだったというお話も出ましたが、学校には行っていなかった?

生牡蠣 家にいるのが好きだったので、小学生の時から学校にはあまり行ってなくて、小中高はほとんど不登校でした。高校はある程度行かないと退学になっちゃうので頑張ったんですけど、途中で辛くなってしまって、2年生の時に退学してしまいました。

──学校での生牡蠣さんはどんな様子だったのか気になります。

生牡蠣 基本的に自分に自信がないので、人と上手く接することが出来なかったです。小学生の頃は威張っていれば強いと思っていたので、周りに対して強気に喋っていたら、人がどんどん離れていっちゃいました。中学では、今までやってきた過ちに気付いたんですけど、田舎の学校だったので、小中と周りの人間がずっと変わらないんですよ。「あいつ小学校の時ひどかったね」って話をされているんだと思ったら「今さら治せない!」って思ってしまって…それで病んじゃいました。

──家で何をしていたんですか?

生牡蠣 アニメをずっと見ていました。アニメにハマったのは小学5年生ぐらいからです。あとはBL本を読んでいました。
エッチな表紙の本があったので、試しに読んでみたら、ただただエッチな内容でした(笑)。そこから下ネタへの免疫ができたのかもしれません。

──生牡蠣さんは下ネタでも有名ですが、下ネタへの免疫ができたのはBLのおかげもありますか?

生牡蠣 そうですね、小学5年の時からBL本を買っている時点で変態ですよね(笑)。

──生牡蠣の中で下ネタに対しての哲学のようなものはありますか?

生牡蠣 私は声や言い方で表現することが多いです。雨に濡れたときに言う「濡れちゃった」という言葉は、言い方を変えればエッチにも聞こえるじゃないですか。イントネーションを変えてみたり、そういう部分で表現することが多いですね。

──ストレートな物言いよりは、秘めたエロスの方がグッと来る?

生牡蠣 妄想力を掻き立てるものが好きです。

──たとえば今、目の前にあるオレンジジュースだったら……。

生牡蠣 「立ってるものがあって、ストロー濡れてきちゃってるよ」っていうだけでエッチですよね。

──ありがとうございます(笑)。街中でもネタを探すことは多いんですか?

生牡蠣 逆読み、ななめ読み、ちょっと隠したら完成するものを探していますね。

──生活の一部みたいになっているんですね。


生牡蠣 そうですね。最早テトリスみたいな感じです。

──生牡蠣さんは2018年に『週刊ヤングジャンプ』のオーディション企画「サキドルエースSURVIVAL SEASON8」で読者アンケート1位に輝いて、そのまま表紙を飾りましたが、水着で人前に出ることに抵抗はなかったんですか。

生牡蠣 それはないですね。私自身がグラビアアイドルさんとかコスプレイヤーさんを見るのが好きで、生まれ変わったら私もなりたいなと思っているんです。めちゃくちゃ胸が大きいわけでもないんですけど、少しでも自分に需要があるならやりたいと思いますね。楽しいです。

──YouTuberとしても活動していますが、視聴者からの反応はどうですか?

生牡蠣 私がマッサージされる動画は反応がよかったですね(笑)。あとは、ライブで「アイドルのライブ自体が初めてで、YouTube観て来ました」っていう人が増えました。最近では半分ぐらいは「神激」が初アイドル現場っていう方になってますね。「元々バンドが好きだった」っていうファンの人とか、「グラビア見て来ました」っていう人も増えました。身近に感じてもらえると来ていただきやすいのかなって。


──YouTubeの企画を考えるのが大変そうですね。

生牡蠣 そうですね、メンバーで月に2回ぐらいやりたいことの企画案を出して、どうやったら再生回数が伸びるか事務所の人とも相談しています。

──生牡蠣さんはグループではどんなキャラなんですか?

生牡蠣 根がネガティブなのは変わらないんですけど、ライブではMCをすることが多いんです。ライブに来ている人は何かに悩んでいたり、ストレスを発散する為に来ている人も多いと思うので、その分、共感を生みやすい言葉を出せているのかなとは思います。そのネガティブが原因でメンバーに怒られることもあるんですけど、私自身は“ネガティブな前向き”と言っているので、どれだけネガティブな発言をしても、アイドルをやってる以上、前向きには進んでいるんですよ。それまでの段階がすごくネガティブなだけで。

──他のメンバーから下ネタ発言を注意されたりは?

生牡蠣 言っちゃダメだとは言われないですね。お互いの個性を否定するようなことは誰もしないんです。本当に悪いところがあれば注意し合うんですけど、個性を伸ばし合っていこうという関係性が築けています。

──今年、神激は9月22日の豊洲PITでのワンマンライブに向けて突っ走っていくことになります。ライブについてメンバー同士で話していることなどありますか?

生牡蠣 土日はフライヤーを配ったり、できることは何でもしていこうと考えています。私たちを知らない層の方にも見てもらうにはどうしたらいいだろうって常に考えています。
規模が地下アイドルって言われてしまうシーンにおいて、ライブって決まった母数の人しかいないんですよ。それ以上の一般層の人にも見てもらうにはどうしたらいいか毎日考えています。

──2020年はどんな年にしたいですか?

生牡蠣 2019年とは違った進化する「神激」を見せていきたいです。自分が生きていれば何か起こせると思っているので、今目の前にあることを必死に頑張っていけば、将来に繋がると思っています。何でも続けたもん勝ちだし、やったもん勝ち。やらなかったら何も起こせないと思うので。

──“ネガティブな前向き”ですね。

生牡蠣 いつも「できねーよ」って言う自分と戦っています。今の私たちの規模感で武道館でライブをすると言っても、ビックリされるじゃないですか。でも、「できる、できる」って言い続けて実現してきた人をたくさん見てきたし、自分に暗示をかけるのも大事だと思うんです。私達もそれで実際にZeppDiverCityでライブできましたし。これからも強く生きたいですね。


▽生牡蠣いもこ
イクッがき・いもこ。3月19日生まれ。個性的な楽曲とフロウを武器に、アイドルとプログレッシブミクスチャーロックを組み合わせた「神使轟く、激情の如く。」のメンバー。担当カラーは青系統。趣味はアニメとバラエティ鑑賞、Twitter、作詞、下ネタ。愛称は、いもちゃん。

▽神使轟く、激情の如く。豊洲PIT単独公演「神時代覚醒 -GOD AWAKE WORLD-」
日程:9月22日(火・祝)
場所:豊洲PIT
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