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明治時代末期に山形の貧しい小作農家の6人きょうだいの第4子として生まれたおしんは、口減らしのため数え年7歳で町の材木問屋へ奉公に出されることに。
凍えるような寒さの中、小林演じるおしんがいかだに乗せられ「母ちゃん!父ちゃん!」と叫びながら最上川を下っていくシーンは、朝ドラ史に残る名場面として語り継がれているが、小林は「このシーンの撮影時に伊東四朗さんはいなかった」と、驚きの真相を明かしたのだ。
小林によると、おしんの父親を演じた伊東は、別の仕事の都合で現場に不在。監督は「川の向こうにある土手の藤棚を見て、父ちゃんと思って叫びなさい」と指示したのだという。
伊東は後日、同じシーンを今度は小林が不在の状況で撮影。スタッフがゴム長靴を履いて川に入り、「おしん、このへんです!」と位置を示す中、伊東は「おしん!おしん!」と演技したのだと説明した。
実際に山形で撮影されたため、地元の関係者やスタッフが3カ月前から準備していたというが、この名場面が小林にとって『おしん』での最初の撮影だったというから驚きだ。
わずか10歳で名演技を見せた小林について、VTR出演した伊東は「子どもらしいキャーキャー言うところがなくて、この子大丈夫かな」という印象を持ったという。ところがリハーサルに入ると、何度やっても「相手のセリフを初めて聞く目になっている、こんな人を私は見たことがない。子どもだからといって本当にバカにできない」と驚いたのだとか。
奉公先から勝手に帰ってきてしまったおしんを殴るシーンでは、「空を切るのが嫌」だったため、「綾子ちゃん、当てるよ」と小林の頬を打ったことを明かし、「ちょっとしたオモチャをあげました、ごめんオモチャ」と回想。
伊東はまた、「これ以上いじめるな、何考えてんだ」と、視聴者が自宅まで怒鳴り込んできたことを明かし、“世界の敵役”だったことを述懐した。
小林は殴られたシーンについて、リハーサルでは当てない演技をしていたが、本番直前に「ちょっと当てるね」と伊東に言われ「はい」と返事したところ、バーンと当てられて「イッター!」と思いながら倒れたことを告白。カットがかかった瞬間、伊東から「痛くなかったでしょ?」と声をかけられ「はい」と答えた者の、実際にはそれなりに痛かったようだ。
“ごめんねオモチャ”で赤いポーチをもらったという小林は、今も伊東と会うと『おしん』の昔話に花が咲くのだという。
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