嵐の松本潤が主演を務める日曜劇場『19番目のカルテ』(TBS系)が、高い注目を集めている。同作は、7月13日に放送された第1話において、TVerの再生数が200万回を突破。
SNSでも称賛する声が大きく、今年の夏ドラマで一番の話題作と言っても過言ではない。

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『19番目のカルテ』だが、富士屋カツヒトの漫画が原作で、脚本は人気医療ドラマ『コウノドリ』(TBS系)シリーズを手掛けた坪田文が担当。物語の舞台は、18の専門分野に分けられた日本の医療界において「19番目の新領域」とされる総合診療科。松本は魚虎総合病院に配属される総合診療医・徳重晃を演じている。

総合診療医とは、病気だけでなく患者の心の状態や生活背景を基に最善策を見いだし、生き方そのものに手を差しのべる医師のこと。第1話では、全身の痛みを訴えながらどんな検査でも異常がでない黒岩百々(仲里依紗)に対し、徳重が診断を通じて原因を突き止め、心まで疲弊していた百々を救う姿が描かれた。総合診療医が患者に必要な存在であることを視聴者に強く印象づけるとともに、今後もさまざまな悩める患者を救う展開が予想され、新たな医療ドラマとして視聴者をひきつけそうだ。

そんな『19番目のカルテ』で、ヒロインを演じるのが小芝風花で、彼女の演技がとにかく輝いている。小芝は整形外科の医師・滝野みずき役を演じ、第1話から視聴者の涙を誘う演技を披露した。

みずきは、魚虎総合病院で2年間の研修医期間を経て、専攻医となったばかりの新米医師。正義感が強い性格で、患者にしっかり向き合い病気を治したいという信念を持っている。しかし、現実には忙しい日々に追われ、患者と十分にコミュニケーションを取れないことに葛藤を抱えている。


第1話では、みずきが百々の診察を担当するも、大病院の「診察時間1人10分」というルールの中で十分な対応ができず、結果として病気を見落としてしまう。また、担当していた足の骨折で入院中の横吹順一(六平直政)が実は心筋梗塞だったことにも気づけず、自責の念にかかれる。誤診ではないものの、患者としっかり対話できていれば見逃さなかったかもしれない--という思いが、みずきを苦しめる。

この葛藤を、小芝は見事に体現している。感情の揺れ動きが手に取るように伝わる繊細な演技。初登場のシーンから、みずきはどこか自信が無さそうで笑顔が少ない。眉間にシワを寄せる表情が多く、思い悩んでいることが一目でわかる。しかし、第1話の後半では徳重の診断に触れて、医師としての希望を見いだし、少し晴れやかな表情に。そして、最後に横吹と心を通じ合わせた時の笑顔が、視聴者の胸を打った。

わずかな感情の変化なのだが、小芝が嫌味にならないように自然体で見せているから感動が増幅されるし、作品に圧倒的なリアリティをもたらしている。徳重役の松本潤とのコンビネーションも良く、今後も小芝が『19番目のカルテ』の人気を引っ張る存在になることは間違いないだろう。

そんな小芝だが、今年に入ってからの勢いが目覚ましい。
NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』では、悲運の花魁・花の井(五代目瀬川)を熱演。また、主演を務めた『私の夫と結婚して』(Amazon Prime Video)では、タイムリープして復讐劇を生きる主人公・神戸美紗を演じた。いずれも、これまでの小芝のイメージに無い役だったが、代わりが見つからないほどのハマりぶりを見せ、表現力の高さを証明した。

『19番目のカルテ』で演じるみずきも、これまでとは違う役柄ながら、見事に自分のモノにしている。出演する作品でことごとく結果を残している小芝。主演の松本との相性もよさそうで、『19番目のカルテ』をさらに盛り上げてくれそうだ。

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