【写真】サプライズ卒業式にはメンバー全員涙、25時間半テレビの模様
生放送には、アップアップガールズ(仮)、アップアップガールズ(2)、アップアップガールズ(プロレス)、仙石みなみ、吉川友、和田彩花という事務所所属アーティストに加え、ゲストで、さわやか五郎(上々軍団)、飯窪春菜(モーニング娘。OG)、東京女子プロレス、ぱいぱいでか美が出演。さらには代表取締役の山田昌治、音楽プロデューサーのmichitomo、劔樹人(あらかじめ決められた恋人たちへ)も登場。8時間に渡って、ライブ、トーク、プロレスなどバラエティに富んだイベントがニコニコ生放送を通して届けられた。
14日13時から生放送がスタートすると、ステージに全アーティストが登場。さわやか五郎と仙石みなみがMCとなって番組を進行していく。山田社長が登壇すると、今回の番組のテーマが語られていく。
「新型コロナウイルスの影響で、うちの事務所もいろんなライブがキャンセルになり、アイドルたちのチャレンジを行う場所が消え、損失も出てしまいました。そこで、視聴者の方にこの番組を通して、アイドルたちがまた新たなチャレンジへ、未来へ向かえるように応援をお願いしたいです!」
更に「この企画が成功しないと、来月よりタレントへの支払いが出来ない」と嘆願。応援購入サービス「Makuake」で、『アップアップガールズ、吉川友、和田彩花、仙石みなみ所属の事務所の新たな挑戦を応援』プロジェクトをスタートし、多くの応援を募った。
番組では、michitomoが8時間で1曲作成、マスク作成、牛乳料理王決定戦など、8時間の通し企画も多数実施。
昨今のエンターテイメント事情と同じく、このイベントも無観客ライブのスタイル。そこをネガティブに捉えず、出演者と視聴者が一体となってライブを楽しみ、そして収益を作って次のエンターテイメントにつなごうというのがこのイベントの趣旨だ。
暗い話題が多い中で、人々に笑顔をもたらすのもエンターテイメントの役割。そうした思いを胸にアプガ(仮)(2)(プロレス)の3組は、アップアップガールズの新曲「上へ、未来へ」を初披露。厳しいこともあるが前を向いていこうという歌詞を力強い歌とダンスで届け、番組は本格的にスタートした。

最初の出演者は、アプガ(プロレス)。アイドルとプロレスを両立し東京女子プロレスにレギュラー参戦している、渡辺未詩、らく、乃蒼ヒカリの3人は「アッパーチョップ!」「負けたくない」を熱唱。続けて、会場内に設置されたリングで試合を開始する。リングアナはアプガ(仮)の佐保明梨が務め、実況の解説席には和田彩花、アプガ(仮)の森咲樹が参加した。ヒカリ VS 鈴芽、愛野ユキ&らく VS 原宿ぽむ&瑞希、辰巳リカ&渡辺未詩 VS 天満のどか&中島翔子という白熱の3試合が行われ、プロレス初見の和田は終始驚きの表情を見せ続ける展開となった。

戦い終わってノーサイド。

番組では、吉川友とぱいぱいでか美のお悩み相談室のコーナーがスタート。モーニング娘。OGの飯窪春菜も登場し、色気の出し方などを相談。ライブに移ると、2人のユニット(ぱいぱいでか美に吉川友)曲「最高のオンナ」、そして最新配信シングル「都会のオンナ」が披露された。

吉川のソロステージは生バンドで行われ、「DISTORTION」「恋」と言った楽曲を歌唱する。MCで吉川は、「本来であれば、今日ここで久しぶりの単独ライブを行う予定でしたが中止となってしまいました。でもニコ生さんで生放送されることで、画面を通じて楽しんでいただけたらと思います」とライブに対しての思いを語った。
そして、彼女が初めて作詞にチャレンジした新曲「Yellow Butterfly」を披露。デビューから今までの思いを歌詞にしたロックチューンを、伸びやかなボーカルで届けた。

アプガ(2)のステージは、大森靖子が手がけた最新シングル曲「世界で一番かわいいアイドル」から始まった。MCで鍛治島彩は「私たちもツアーのいくつかの公演が延期になってしまいました。でも、25時間半テレビという場所でライブができることがうれしいです。画面越しですが、みなさんを盛り上げる気満々です!」と声を上げる。吉川茉優は「悲しいニュースも多いですが、うれしいお知らせをしたいです。5月4日に表参道GROUNDでワンマンライブ開催します」と発表。
「ライブができない時期があって、改めてライブの大切さがわかりました。今日のステージ、そして5月4日ライブでみなさんに笑顔を届けたいです!」と笑顔で語った。デビュー曲「二の足Dancing」では、鍛治島の鼻リコーダーソロを吉川友が乱入し奪い取るこの日ならではの場面も見られた。最後は、つんく♂サウンドプロデュース楽曲「Be lonely together」を披露。

番組では様々な企画が行われたが、『アプガ(2)主催!アイドル人狼大会』には飯窪春菜、SUPER☆GiRLSの石丸千賀が参加。ゴリラ人狼が行われ参加者が“ウホッ”の声を上げまくるコミカルな展開が繰り広げられた。そして『山田社長!同期だよ、全員集合!』のコーナーでは、ハロプロエッグ(現ハロプロ研修生)の1期の和田彩花、仙石みなみ、古川小夏、森咲樹、佐保明梨、関根梓、新井愛瞳、3期の吉川友が揃い、懐かしいトークに花を咲かせた。
和田彩花のライブの時間が訪れる。昨年6月のアンジュルム卒業後、ソロ活動を開始した彼女。2月24日の名古屋公演から初のソロツアーを開始したのだが、その後の大阪と東京の公演が中止、延期となってしまった。和田がどんなステージを見せてくれるか注目が集まる中、グルーヴ感溢れるフランス語のナンバー「Une idole」からライブは始まった。続けて、ソリッドな空気感の伝わる「少しの寂しさとともに」を届ける。

和田は自らが手がけた楽曲を、ギター、ベース、キーボード、ドラムというバンドメンバーと円を描くようにイスに座って歌唱していく。客席に背を向ける状態だが、それは視覚ではなく聴覚を主に、純粋に音で音楽を楽しんでほしいという彼女の思いの表れのように感じた。
MCで和田は「世界的に新型コロナの感染が拡大して大きな問題になっています。
続けて、自分の感じる時代感を4つ打ちのビートで届ける「空を遮る首都高速」、人との違いを肯定する温かいメロディの「ホットラテ」、模索する思いをダークなサウンドで表現する「121位」、悲しみを乗り越えて生きる思いを力強さを歌う「For me and you」を披露。最後は、生きていく上での選択を優しく広がりのあるメロディで届ける「あなたが選んだもの、あなたが選ぶもの」を歌唱した。和田のライブは、まさに投げかけコミュニケーション。一緒に考え、それぞれの答えを見つけて前に進んでいこうというポジティブなメッセージが感じ取れるステージだった。
番組内では、学校の休校問題で卒業式が行われなかったことを受けて、『できなかった卒業式』のコーナーが実施。大学対抗女子大生アイドルコピーダンス日本一決定戦UNIDOLに参加し、今年卒業式を行う予定だった4年生(UNIDOLの卒業公演も中止、大学の卒業式も縮小された)の特別卒業式が行われる。そしてサプライズで、アプガ(2)の学校卒業メンバー、大学生の高萩千夏、高校生の森永新菜、中学生の中川千尋にも卒業証書授与される。

いよいよ番組も最終コーナーに突入。アプガ(仮)のライブが、「HAPPY NAKED!!」から力強くスタートする。新井愛瞳は「25時間半テレビもラストスパートです。アプガのライブで最後の最後の波を作っていきたいです。今、いろんなイベントやライブが中止や延期されてる中ですが、やっぱり私たちにできることはライブだと思います。こうした形で、みなさんに元気や力をお届けできればと思います」と、このライブへの意気込みを語った。
アプガは、平和の思いを訴える「セブン☆ピース」、ラテンダンスチューン「ヒートビートアイランド」、最新シングル曲のクールなナンバー「It’s Up To You」、暑いアップチューン「愛愛ファイヤー!!」、キラーチューン「アッパーカット!」を連続で披露。さらに、アプガの元メンバー仙石みなみ、アプガ(2)(プロレス)とともに「FOREVER YOUNG」を歌唱。最後には、和田彩花、吉川友、ぱいぱいでか美、michitomoも加わってジャンプしまくるヒートアップぶり。熱々の空間のままアプガ(仮)のライブのまだまだ続く。バンド演奏で「君という仮説」が歌われ、エモさ溢れる空間が広がる。そして、「私達(with friend)」が披露されると、感動とピースな空気と一体感がさらに高まった。

最後は、michitomoが8時間の間に作った楽曲「#春は必ず来る」を、バンド演奏で初披露することとなった。感動で締めるところが、メンバーはおろか作ったmichitomoでさえ、メロディーと歌詞を覚えてない不完全な状態での披露にニコニコ生放送のコメントや会場スタッフから笑いが起きるという予想外ではあるが、和やかムードのエンディングに。
山田社長は「うちの会社もいくつかのライブが中止や延期になって、急遽10日間くらいの今日のステージを用意しました。協力してくださったみなさん、ほんとにありがとうございました。こういうときだからこそ暗い顔をせず、みんなでハッピーでいれば春は必ずくると思います。絶えることは耐えつつ、力をつけつつ、チャレンジしつつ、前を向いて進んでいけばいいことがあると思っています」と感動的な挨拶。最後は新井愛瞳が「来年は観客ありでやるぞー!」と声を上げて番組を締めくくった。
25時間半という長時間でありながら、番組内容の充実度もかなり高いものがあった。混迷するエンターテイメント業界だが、あらゆるネットメディアを使って視聴者に楽しさを提供しビジネスとして成立させるという意味でも非常に有益な場であったのも確か。これからも、YU-Mエンターテインメントがユニークなアイディアを提供してくれることは間違いなさそうだ。これからの、楽しみに満ちたYU-Mのアイドルたちのライブを楽しみに待とう。
