【写真】本郷杏奈の“ナチュラルスマイル”インタビューカット
──この世界に入ったきっかけから教えていただけますか。
本郷 19歳のときに地元の札幌を歩いていて、「モデルになりませんか?」と声をかけていただいて、北海道の事務所に所属しました。
──モデルに憧れがあったんですか?
本郷 高校時代からモデルになりたいという気持ちはあったんですけど、そんな簡単にはできないだろうなと。それで高校卒業後はCAさんになろうと思って観光系の専門学校に通っていたんです。スカウトされたのが就職を考えていた時期だったんですけど、両親に相談したら「人生は1回きりなんだから好きなことをやりなさい」と言ってくれたので、芸能活動を始めました。
──もともと人前に出るのは好きだったんですか?
本郷 逆に、小っちゃい頃から人前に出るのが苦手で、大人数の中で中心になりたくないタイプでした。すごく矛盾するんですが、この世界にいるのに、注目されるのが得意じゃないんです(笑)。いまだに大人数から一斉に見られると変な汗をかきます。
──シャイな性格だけど、モデルにはなりたかったと。
本郷 高校時代もオーディションの応募用紙に記入するんですけど送らない、というのを繰り返していましたね。
──事務所に所属して、地元でどんな活動をしていたんですか?
本郷 ローカルCMや、ブライダル系のお仕事、ちょっとしたショーに出るとかですね。
──上京したい気持ちはなかったんですか?
本郷 あったんですけど、めちゃくちゃ周りの友達から「絶対に無理だよ」「東京なんて人がたくさんいるんだから埋もれて終わるよ」とか言われていて。
──かなり辛辣な意見じゃないですか!
本郷 大体いつも辛辣なことを言われていました(笑)。私がモデルを始めたときも、「できるの?」って反応でしたからね。それで5年ぐらい札幌で活動していたんですけど、最初の1年は全然オーディションも受からなかったので、バイト中心の生活だったんです。でも1回合格してからは運が来てくださったのか、ボンボン受かるようになって。
──ちなみにバイトは何をやっていたんですか?
本郷 銀だことGAPで働いていました。
──だからプロフィールの特技欄に「たこ焼き早焼き」って書いてあるんですね(笑)。
本郷 はい! 4年半やっていたので、たこ焼きを焼くのは得意です。
──北海道にいた頃はバラエティ番組に興味はなかったんですか?
本郷 性格的に絶対無理だろうと思っていましたし、タレントさんの枠は正直考えたこともなかったですね。
──上京したきっかけは?
本郷 先ほどもお話しした通り、友達から「無理だ」って言われ続けていたんですけど、ある人から「周りの意見なんか関係ないよ。ダメだったら北海道に戻ればいいんだし、やるだけやってみなよ」と言われて。
──初めての1人暮らしですよね。
本郷 そうですね。でも意外とホームシックとかにもならなくて。親は悲しむと思うんですけど、いまだに1回もなったことがないです。実家にいた時は1人でいるのが嫌いだったんですけど、意外といけるなぁって(笑)。
──そして上京した年にグラビアを始めたんですよね。
本郷 そうです。モデルを中心に考えていたんですけど、知名度を上げるにはグラビアをやった方がいいと言われて始めました。最初は人前で水着姿になるのに抵抗があって、とある雑誌の面接で編集者さんの前で水着になったときは、後で「何でこんなことをしなきゃいけないんですか?」ってマネージャーさんに怒りをぶつけたんです(笑)。今は怒るなんてバカだったなって思いますけど、上京したばかりで不安も大きかったんですよね。
──そりゃあ最初は、いきなり知らない人の前で水着になるのは抵抗がありますよね。
本郷 ただ撮影になると、緊張はするんですけど、それほど水着になるのに抵抗はなかったんですよね。スタッフのみなさんも気を使ってくれますし、徐々にグラビアのお仕事も楽しくなっていきました。
──それまでのモデル経験は、グラビアでも活きましたか?
本郷 全く別物ですね。笑顔1つとっても「ぎこちない」と言われて、鏡の前で笑顔の練習をしました。
──両親の反応はいかがでしたか?
本郷 やっぱり娘の水着姿を見るのは抵抗があったらしく、特に父は最初見られなかったらしいです。でも私がグラビアのお仕事を重ねていくうちに、徐々に見てくれるようになって、「会社の人にも自慢しているよ」って母から聞きました。ただイメージDVDは母ですら見られないって言っていました。見ようとしたけど、すぐに止めちゃったみたいです(笑)。ただ、私が「あげるよ」って言っても、新作が出るたびに律義に買ってくれるんですよ。
>>(2)に続く
(取材・文/猪口貴裕)
▽本郷杏奈(ほんごう・あんな)
1991年10月17日生まれ、北海道出身。O型。