蒼井そらの半生を、作家・藤原亜姫がストーリー化した小説『夜が明けたら 蒼井そら』(主婦の友社)が6月19日(金)に紙版と電子版で発売された。

2002年6月にグラビアデビューした蒼井そら。
それから4年間、日本を代表する国民的セクシータレントとして、グラビア、バラエティ、アダルトビデオ、Vシネマなどで幅広く活躍。2018年1月に結婚し現在は双子の母だ。中国でもタレントとして活動し、中国版Twitter・Weiboではフォロワー数1900万人を超える。今回、小説化のために約5カ月間にわたってインタビューを受けたという蒼井そらに、小説と自身の半生を改めて振り返ってもらった。(3回連載の2回目)

インタビュー(1)半生が小説に、蒼井そら「AVの世界だけで終わってしまうのが嫌だった」から続く

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──蒼井そらさんは、日本を飛び越えて、中国でもメジャーな存在になりました。中国での活動について、当初、知らない国に飛び込むことに恐れのようなものはなかったのでしょうか?

蒼井 なかったですね。自発的に「中国に行こう!」って行ったわけではなくて、SNSを通じて「なんか中国で有名になっちゃった」みたいなところから始まりましたから。仕事の依頼があって初めて中国に行ったときに、「こんなに私のファンがいるんだ」と驚いて。その時点では中国語を一切しゃべれなかったんですけど、舞台に上がったら人が多すぎてパニックになって、5分ではけさせられたんです。その5分で何ができたかといえば、「ニーハオ」しか言えなかったんですけど、その挨拶が現地でも通じたんですよ。うれしい反面、もっとできたはずなのにという申し訳ない気持ちもあって。それで本格的に中国で活動を始めたんです。
もちろん不安ではありましたけど、ファンがいっぱいいるところに行きたいって気持ちのほうが大きかったです。

──ちょうど経済的にも中国の勢いが世界的に急上昇している時期でしたよね。

蒼井 うまく時代に乗っかれたなと思いました(笑)。本当に運が良かったです。

──中国でもAV女優に対する偏見は感じましたか?

蒼井 あんまり日本と変わらないと思います。やっぱり一定数のアンチはいますし、パイがデカいので、その数は日本以上です。でも全部、中国語なので読めないのが救いになりました。アンチだと分かる文章もありましたけど、ダイレクトにはグサッとこなかったです。

──蒼井そらさんから見て、インターネットについて思うこと、またインターネットとの付き合い方について教えてください。

蒼井 見たらアウトと言うか、100ある応援の言葉よりも、1つのアンチコメントで本当にムカついてしまいますし、それに使う労力もすさまじいので、もったいないんですよね。なので見ないことが一番。見たとしても、「私見なかったし!」って見なかったことにするのも有効です。
書いた人にとっては、はけ口が私になっているだけで。私が反応したら、それに返してくるから、スルーすれば何にもならないんですよね。

──どうやってスルースキルを身につけたんですか?

蒼井 あるときに、2ちゃんねるで「蒼井そら本人降臨」と書かれていたことがあって、私っぽくコメントを書いている人がいたんですよ。実際に降臨はしてないんですけど、本人は見ている、みたいな(笑)。それで「この人誰?」ってなって、本名も書いてあるんですけどデタラメなんですよ。それ以外のコメントも間違いだらけで、見ているのがバカらしくなったんですよね。たまたま、これを目にしたから嫌な思いをするだけで、見ていなかったら何も起きていない。だったら見ないに越したことはないなと。

──アンチコメントに対する耐性はつかないものですか?

蒼井 馴れはしないですね。そもそもムカつくように書いていますし、その人を正そうとも思わないです。書いている人は一人じゃないし、一つ一つを相手にするのは辛すぎるし、時間がもったいなさすぎる。SNSだったらブロックしちゃえばいいんです。
誹謗中傷に悩んでいる後輩にも「スルースキルを身に着けて」と言ってます。

※インタビュー(3)「支えてくれたお母さんのあの言葉を私も言えるかを考えている」はこちらから

▽『夜が明けたら 蒼井そら』
著者:藤原亜姫
出版社:主婦の友社
発売日:6月19日(金)
定価:1,540円
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