※インタビュー(1)「カッコ悪い姿は見せたくなかったから根性でやりました」はこちらから
【写真】工藤遥撮り下ろしカットと『のぼる小寺さん』場面カット
──初めて映画初主演のお話を頂いた時はどう思いましたか。
工藤 ビックリですよね。「何事ですか?」みたいな。単純にうれしくて、ずっとニヤニヤしてました。
──プレッシャーも相当大きかったんじゃないでしょうか。
工藤 ですね。最初にお話を頂いた時は、まだ誰が共演者かも分からなくて。相手役を聞いていくうちに、いろんなところでお見掛けする方ばかりだから緊張してきて……。しかも自分が主演という立場でやらせていただくなんて、光栄なことでもあるし、恐ろしいことでもあるし。プレッシャーや焦りがありましたけど、みなさん年が近かったのもあって現場ではフランクに接してくださって、すごく助けられました。
──初めて台本を読んだ時はどう感じましたか?
工藤 小寺さんが喋らない!(笑)。どのシーンにも小寺さんがいるのに、全然喋らないから役柄が想像しにくかったです。小寺さんと伊藤健太郎さんが演じる近藤君との関係性が重要なストーリーなのに、二人が会話するシーンはどこにあるの?って。
──実際に小寺さんを演じてみていかがでしたか?
工藤 あまり喋らないから、人の話も聞いてないんですよ。余計な情報が入ってこないので、役に没頭しやすかったです。ボルダリングのシーンでは、ただただ登ることに一生懸命でしたし、すごくやりがいのある役で楽しかったです。
──ひたむきな姿はモーニング娘。時代の工藤さんを彷彿とさせました。
工藤 本当ですか? 確かに通じるものはあると思います。小寺さんも表にはそんなに出さないですけど、内に秘めた負けず嫌いというか。何かを始めたら貫き通すところは似ている部分があると思います。私には、小寺さんほど他人からどう見られるか気にしないで、何かに没頭する強さはないですけど、我が道を行くところは似ているのかなって思います。
──特に印象的なシーンは?
工藤 文化祭のシーンが楽しかったです。学生時代はアイドル活動が忙しくて、なかなか学校の行事に参加できなかったので、「文化祭ってこんなに楽しいんだ」と思いました。
──小寺さんを演じる上で大変だったことは?
工藤 自分の経験上、あまり出会ったことのないタイプで。私はクラスでワイワイ騒いでいるグループ寄りだったから、あんまり絡まないタイプだと思うんですよ。だからヒントにする人物がリアルにいなくて大変だったんですけど、だからこそ私の中の小寺さんをじっくり作り上げて演じさせてもらいました。
──モーニング娘。を卒業して2年半が経ちます。一人で活動するようになって意識も変化しましたか?
工藤 どちらかというとグループでは間に入る立ち位置で、自分が前に前に! ってタイプではなかったので、一人の大変さを感じることはあります。だからこそ、自分がしっかりと立っていないといけないと思います。今回は主演という立場に置いていただいて、どっしり構えていられるほどの度胸があるのか不安でした。でも任せていただいたんだから、期待にこたえられるように頑張りました。
▽『のぼる小寺さん』
7月3日(金)公開
出演:工藤遥、伊藤健太郎、鈴木仁、吉川愛、小野花梨
監督:古厩智之/脚本:吉田玲子/原作:珈琲
主題歌:CHAI 「keep on rocking」
大好きなボルダリングに一直線の小寺さんは、周囲の目を気にせず我が道を行くタイプ。卓球部の近藤(伊藤健太郎)、小寺さんと同じクライミング部の四条(鈴木仁)、ネイルが趣味のギャル・梨乃(吉川愛)、写真を撮るのが好きなありか(小野花梨)が、目の前の壁に挑み続ける小寺さんの真摯な姿に惹かれていき、やがて自らの目標を見出していく。人気同名漫画の実写化作品で、注目の若手俳優が集結した青春応援ムービー。メガホンを取ったのは『ロボコン』『ホームレス中学生』など青春映画の名手・古厩智之監督。