今作はコロナ禍の影響で公開延期をしたが、その最中で欅坂46もその歴史に幕を下ろすという大きな決断を発表し、映画でもその様子が追加で映されている。今回、グループから小林由依、菅井友香、渡邉理佐の3人が改めて今の気持ちを語ってくれた。
【写真】「欅坂46」への想いを語った小林由依、菅井友香、渡邉理佐
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──欅坂46は7月16日に行われた無観客ワンマンライブ『KEYAKIZAKA46 Live Online, but with YOU!』で、グループの改名をすることを発表しました。約5年間活動してきた「欅坂46」の幕を下ろすことはとても覚悟のいることだったと思います。
小林 最初に改名の話を聞いた時は、そのことが良いことなのか自分でも分からなかったし、これからどうなっていくのかというビジョンが全く浮かんでこなくて。そんな不安はあったんですけど、今の欅坂46にいるこのメンバーたちと一緒にこれからも活動を続けていきたいという想いがすごくあったんです。
菅井 最初は「そんなことあるんだ」っていう衝撃はあったんですけど、欅坂46を改名するという選択がグループの未来のためには良いものなんかじゃないかなってだんだん思えるようになりました。ただ、ライブでの発表の時はファンの皆さんにどういう風に伝えるかをすごく考えていて。私の中では伝えることは固まっていると思っていたんですけど、やっぱり話をしていると込み上げてくるものがありました。欅坂46としての5年間は大切なものだし、グループに対する誇りや想いがすごく強かったんだなって改めて話しながら感じていました。でも、本当に大好きだったものをあえて手放して、次のステージの可能性に賭けるのはすごく楽しみでもあります。
渡邉 改名することが悪いことではないと思っていて、そこは応援してくださる方にも私たちが欅坂46を捨てるわけではないと誤解してほしくない気持ちはあります。
菅井 楽しい未来を応援してくださった皆さんとまた一緒に作っていきたいなと思ったし、グループの未来を考えたときに一期生の意見や気持ちだけで選択肢を狭めてしまうのもまた違うのかなと。グループが抱えていた悩みの連鎖を断ち切るためにも、今回の改名はすごくいい選択なんじゃないのかなと思います。
──菅井さんは配信ライブでの改名発表をファンの皆さんにどう伝わってほしいと思っていましたか?
菅井 やっぱり改名発表はグループの大きな決断でもあって、ファンの皆さんへの伝え方は責任を感じていて。あくまでもこの決断はグループが前に進むためであって、決して悲観的なものではないということをどうやったら伝えられるのかと考えていました。
──小林さんと渡邉さんはその発表を近くで聞いていてどう思いましたか?
渡邉 悲しいとか寂しいとかっていう感情よりも、楽しみで前向きな気持ちの方が大きかったです。
小林 あの時は良い意味で「無」というか、今までの活動を振り返るでもなく、次の曲が皆さんに響いてたらいいなっていう思いで前を向いていました。
──改名発表の後には、欅坂46にとってラストシングルになる『誰がその鐘を鳴らすのか?』を披露しました。
菅井 『誰がその鐘を鳴らすのか?』は一人ひとりの底力と言うか、今の私たちの可能性を見てほしいという思いで踊っていました。
小林 今改名を聞いたファンの方はどういう気持ちで次の曲を聞けばいいんだろうと思っていると思ったので、それを一旦忘れるぐらい、曲のパフォーマンスに集中して欲しいなという思いで精一杯頑張りました。
──今作はセンターがいないことも特徴です。
小林 私個人の解釈なんですけど、「誰がその鐘を鳴らすのか?」っていう問いかけに対して誰か一人がその鐘を鳴らす役割をするのではなく、自分の中にある鐘を自ら鳴らす。色々考えすぎてしまうことによって聞こえていなかった自分の中の本当の気持ちや、前を向く原料を見つけて欲しいっていう意味も込められているので、それぞれが自分と戦っていていい曲だと考えていて。そういう意味でも、誰かがセンターになるのではなく、中心をいろんなメンバーが変わってパフォーマンスするのは、観てくださっている方にも伝わりやすいのかなと思います。
──映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』が半年の延期を経て、いよいよ公開されます。
渡邉 今年に入ってから私たちに動きがない状態の中での4月公開予定の映画だったっていうことで、すごく楽しみに待ってくださっていた方も多かったんじゃないかなって思うんです。こんな状況になってしまったので延期せざるを得なかったと思うんですが、配信ライブの映像とかも今回入れて頂いているので、初期の頃から改名発表の瞬間までを楽しんで見ていただけたら嬉しいなと思います。
菅井 やっぱり楽しみにしてくださっていた方にはお待たせしてしまった分、より楽しみにしていてほしいなっていう思いがあります。公開延期の間にグループの状況も変化していたんですけど、その部分も全部収めていただいていて、より映画も濃いものになっていますし、よりその先の私たちをこの映画を見ることによって感じてもらえると思うので、期待してもらえたら嬉しいです。映画もすごくボリューム感と重厚感があって、本当にこの期間を映像に収めていただけてありがたいなと率直に思いましたし、ドキュメンタリーですけどライブシーンがたくさんあったので大きいスクリーンで映像と音楽を全身で浴びてほしいです。
小林 私もライブのシーンとかは本当にあの時にしか出せない一瞬の出来事なので、その瞬間を映像に収めていただいて大きなスクリーンで皆さんに見ていただけるっていうことはすごく嬉しいです。それを見て改めて欅坂46が大好きだなと思ってもらえるような映画になっていたらいいなと思います。
──最後に改めてグループに対する今の気持ちを教えてください。
菅井 欅坂46での時間は本当に大切な時間だったんですけど、今回の改名で嬉しいことも苦しいこともいつか終わりが来るんだなって感じて。どういう状況であれ、今この一瞬を大切にしようと思えるきっかけでもあったので、全てが大事だったんだなって改めて思いました。10月に欅坂46は終わりを迎えてしまうかもしれないけど、やっぱりもっとたくさんの方に曲を届けたいし、欅坂46を知ってもらいたい気持ちは変わらないので、それまで大切に過ごせたらいいなと思ってます。新しいグループになっても改めて一人ひとり夢を持てるグループになれたらいいなと思いますし、私たちに関わってくださる皆さんが1秒でも長く笑っていられるように、信じた道を全力で丁寧に歩んでいきたいです。
小林 欅坂46っていうグループは自分自身を作る上で本当に大切な材料で、自分の体の一部と言うか、今の自分を育ててくれた場所。そこで育った自分というのはこれからも変わらないし、新しく進む道でもその経験を生かして頑張っていきたいです。欅坂46にいる全員がすごく大切なメンバーなので、一人ひとりがちゃんと自分の持っている力を発揮できるような場所になったらいいなと思うし、メンバーが集まった時の一体感をさらに出せるようなグループになったらいいなと思います。
渡邉 本当に色々なことがありましたけど、ここにいなかったら経験できなかったことが本当にたくさんあるので、それが経験できたことに本当に感謝をしています。これからグループが新しくなっていく上で、個人個人がそれぞれもっともっと強くなっていけたらいいなと思いますし、強くなれると思うので、自ら何かを掴みにいけるように活動したいです。
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▽『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』
公開日:9月4日