例えば、PCの場合は操作せずに少し放置すると画面が突然暗くなり、再びマウスのカーソルを動かすと元の画面に戻りますよね。
そんなPCのスリープ機能の主な目的は余計な電力の消費を抑えることですが、iPhoneやAndroidのスマホに搭載されているスリープモードには、どんな役割があるのでしょうか。そしてどのように設定するのでしょうか。この記事で詳しく解説します。
【iPhone・Android】スマホの「スリープモード」とは?
iPhoneやAndroidに搭載されているスリープモードとは、どんな機能でしょうか。PCに搭載されているスリープモードとは異なる目的があるのでしょうか。
バッテリーの消費を抑えてくれる
iPhoneやAndroidのスマホに搭載されているスリープモードの目的は、基本的にPCに搭載されているスリープモードと同じです。消費電力を抑えることが主な目的です。
リチウム電池でできたバッテリーを使うスマホの場合は、消費電力を抑えることでバッテリーの消耗を防げます。すると、より長い間スマホを使用できるメリットが得られます。
誤作動を防止できる
iPhoneやAndroidのスマホのスリープモード機能には、誤作動の防止という目的も含まれています。
iPhoneもAndroidも、タッチパネルを触って操作しますが、スマホの画面がいつも「ON」の状態のままだと、誤って使うつもりのないアプリを触ってしまったり、タッチ画面を長押ししたりして、必要のないタスクが始まってしまう事があります。子どもが触って誤作動させてしまうケースも、画面が「ON」の状態の場合が多いようです。
場合によってはスマホの設定が変わってしまうこともあります。こうした誤動作を防ぐ面でも、スリープモードは重要な役割を果たします。
パスコードでセキュリティ対策もOK
スマホのスリープモード機能には、画面ロックという側面もあります。スリープモードになった後、再びスマホを操作するためには、あらためてパスコードを打ち込まなければなりません。
パスコードを知らない第三者なら、自分のスマホに勝手にアクセスして、イタズラをしたり、盗み見をしたり、悪用したりすることはできなくなります。セキュリティの面でも、スリープモードは大切な役割を果たす機能であることが分かります。
スリープモードでも通信などは動いている
ではiPhoneやAndroidのスマホがスリープモードになっていると、スマホ本体は完全に停止し、電源を切ったときと同じ状態になるのでしょうか。スリープモードは、電源OFFとは異なります。
スマホがスリープモードになっても、スマホの「頭脳」であるCPUは稼働し続け、必要なデータ処理や通信を引き続き、バックグラウンド上で行っています。
つまり、スリープモードのスマホは、ディスプレイ表示に必要な電力は消費しませんが、データ処理や通信に必要な電力は、引き続き消費しているわけです。
【iPhone・Android】スマホがスリープモードになる時間の変更方法
スマホは、しばらく操作をしないと自動的にスリープモードになります。スリープモードになる間隔が短いと、少し手を休めている間にスリープモードになってしまい、その都度パスコードを入力し直さなければならず面倒です。
スリープモードになる間隔を変えることはできるのでしょうか。できるならどのように行うのでしょうか。以下に、iPhoneとAndroidのスマホの両方で、この変更設定をどのように行うのか解説します。
iPhoneの場合
最初に紹介するのは、iPhoneでスリープモードの間隔を変える設定方法です。iPhoneのホーム画面にある「設定」アプリを開きましょう。
「設定」画面が立ち上がります。画面に表示されているメニューの中から「画面表示と明るさ」を選択しましょう。
「画面表示と明るさ」画面になります。表示されている項目の中から「自動ロック」を選択しましょう。
「自動ロック」画面になります。ここでスリープモードになる間隔を変更できます。30秒が最も短い間隔で、5分が最も長い間隔になります。
Androidの場合
次に紹介するのは、Androidでスリープモードの間隔を変える設定方法です。Androidのホーム画面にある「設定」アプリを開きましょう。
「設定」画面が立ち上がります。画面に表示されているメニューの中から「ディスプレイ」を選択しましょう。
「ディスプレイ」画面になります。表示されている項目の中から「スリープ」を選択しましょう。
「スリープ」画面になります。ここでスリープモードになる間隔を変更できます。
【iPhone・Android】スマホのスリープモードのオン・オフ方法
次に、iPhoneとAndroidのスマホで、スリープモードのオン・オフの設定をどのように行うかを説明します。
iPhoneの場合
最初に紹介するのは、iPhoneでスリープモードのオン・オフの設定を行う方法です。iPhoneのホーム画面にある「設定」アプリを開きましょう。
「設定」画面が立ち上がります。画面に表示されているメニューの中から「画面表示と明るさ」を選択しましょう。
「画面表示と明るさ」画面になります。表示されている項目の中から「自動ロック」を選択しましょう。
「自動ロック」画面になります。表示されているスリープモードの間隔がリストになっています。その一番下に「なし」があるので、それを選択しましょう。これでスリープモード設定がOFFになります。
Androidの場合
次に紹介するのは、Androidでスリープモードのオン・オフの設定を行う方法です。Androidでスリープモードをオフにするには、開発者モードを有効にする必要があります。
Androidのホーム画面にある「設定」アプリを開きましょう。
「設定」画面が立ち上がります。画面に表示されているメニューの中から「システム」を選択しましょう。
「システム」画面が立ち上がります。画面に表示されているメニューの中から「端末情報」を選択しましょう。
「端末情報」画面が立ち上がります。画面に表示されているメニューの中に「ビルド番号」があります。ここを指で7回タップしましょう。これで「開発者モード」が有効にされます。「システム」画面に戻りましょう。
「システム」画面に「開発者向けオプション」が表示されているので選択します。
「開発者向けオプション」画面が立ち上がります。画面に表示されているメニューの中から「スリープモードにしない」を選択しましょう。これでスリープモードがオフになります。
【iPhone・Android】スマホがスリープモードにならないときは?
ここまで紹介したように、iPhoneでも、Androidでも、スリープモード設定を「ON」にも「OFF」にもできます。また自分が望むスリープモードの間隔を選択することも可能です。
では自分のスマホでスリープモードが作動しない場合、何が原因なのでしょうか。これから3つの対処法を紹介します。
設定を確認する
スマホのスリープモードが作動しないときにまず最初に行うべきことは、設定の確認です。
iPhoneであれば、「自動ロック」の画面に戻り、どこにチェックが入っているかを確かめる必要があります。「なし」にチェックが入っている可能性があるので、入っているならチェックを外しましょう。
Androidの場合は、もう一度「開発者モード」を有効にし、「スリープモードにしない」にチェックが入っているかを確認しましょう。
バックグラウンドで動いているアプリを停止させる
スマホのスリープモードが作動しないとき次に行うべきことは、バックグラウンドで稼働しているアプリをすべて停止させることです。
理由は、バックグラウンドで稼働しているアプリが、スリープモードをOFFにしてしまう場合があるからです。
Androidスマホの場合は、ホームボタンの右横にある「□」をクリックするとバックグラウンドで稼働しているアプリがすべて表示されるので、すべて消去しましょう。
iPhoneの場合は、まず「設定」アプリを開きます。
「一般」画面に表示されている項目から「Appのバックグラウンド更新」を選択しましょう。
「Appのバックグラウンド更新」画面の上に「Appのバックグラウンド更新」があるので、それを「オフ」にしましょう。
【iPhone】「Assistive Touch」を使う
iPhoneの場合、スリープモードが作動しないときには、「奥の手」があります。「Assistive Touch」です。「Assistive Touch」を使えば、手動でスリープモードを作動させられます。設定方法を説明します。
iPhoneのホーム画面にある「設定」アプリを開きましょう。
「設定」画面が立ち上がります。画面に表示されているメニューの中から「一般」を選択しましょう。
「一般」画面になります。画面に表示されている項目から「アクセシビリティ」を選択しましょう。
「アクセシビリティ」画面になります。画面に表示されている項目から「タッチ」を選択しましょう。
「タッチ」画面になります。画面に表示されている項目に「AssistiveTouch」があるので、それを「オン」にしましょう。その後「AssistiveTouch」をクリックします。
「AssistiveTouch」画面になります。画面に表示されている項目から「最上位メニューをカスタマイズ」を選択しましょう。
iPhoneのホーム画面に表示される「AssistiveTouch」と同じレイアウトが表示されます。「カスタム」をクリックしましょう。
「カスタム」で設定できる項目が一覧となって表示されているので「画面をロック」を選択します。
「画面ロック」が「AssistiveTouch」に設定され、表示されるようになりました。
ホーム画面に戻り「AssistiveTouch」ボタンを押します。表示される項目から「画面をロック」を選択すれば、スリープモードになります。
【iPhone・Android】スマホのスリープモードで注意したいこと
ここまで、iPhoneとAndroidのスマホのスリープモード機能について、設定方法や時間の変更方法、またスリープモードが作動しないときの対処法などについて説明してきました。
スリープモード機能の設定をする前に、覚えておくべき注意事項が4つあります。どんなことでしょうか。ぜひ注目してください。
長時間設定にするとバッテリーの劣化に繋がる
スマホのスリープモードで注意したい最初の点は、スリープモードの間隔を長くするとバッテリーの劣化を招くと言うことです。長時間、スマホを操作せずに放置していれば当然バッテリーを消費します。
そのためスリープモードの間隔は、10分を最長時間として設定することをおすすめします。
短時間設定にするとデータ通信に影響することもある
スマホのスリープモードで注意したいことの2点目は、スリープモードの間隔が短すぎると、データ通信に影響が及ぶ場合があるということです。
スリープモードの間隔が短ければ電力消費の節約に貢献しますが、ファイルやアプリのダウンロードの際に、まだダウンロードが完了していないのにスリープモードになってしまうと、ダウンロードができないだけでなく、ふりだしに戻ってしまいます。
スマホから離れずに、定期的に画面をタッチしないといけなくなります。
【iPhone】「低電力モード」のときは自動で30秒設定になる
スマホのスリープモードで注意したい3点目は、「低電力モード」のときは自動で30秒設定になるということです。バッテリーの消耗を防ぐために、iPhoneにはバッテリーの「低電力モード」が搭載されています。
この設定が「ON」になっていると、スリープモードの間隔が自動的に30秒になってしまいます。もしスリープモードの間隔をもう少し長くしたいなら、「低電力モード」を「OFF」にしましょう。設定方法を説明します。
iPhoneのホーム画面にある「設定」アプリを開きましょう。
「設定」画面が立ち上がります。画面に表示されているメニューの中から「バッテリー」を選択しましょう。
「バッテリー」画面になります。表示されている項目に「低電力モード」があるので「オフ」にしましょう。
iPhoneとiPadでは設定できる時間が違う
スマホのスリープモードで注意したい4点目は、iPhoneとiPadでは設定できる時間が違うことです。iPadのスリープモードの間隔の最長時間は15分ですが、iPhoneの場合は5分です。iPhoneとiPadの違いを、ぜひ覚えておきましょう。
スマホのスリープモードを効果的に活用しよう!
スマホのバッテリーの消耗が気になるユーザーにとって、電力消費を節約できる、バッテリーに優しいスリープモードはとてもありがたい機能です。
スリープモードが作動してしまうと、パスコードを再び打ち込まなければスマホの操作ができない、という面倒くささはありますが、逆にそのことが、セキュリティ性を高めてくれます。スマホのスリープモードを効果的に活用しましょう。