ここ1ヶ月ガンバ大阪の選手の出入りが顕著だ。
田中達也の大分トリニータ行きの発表を皮切りに、オ・ジェソク(FC東京)、ファン・ウィジョ(ボルドー)、中村敬斗(→トゥウェンテ)、藤本淳吾(→京都サンガFC)と立て続けに移籍情報がリリースされた。

シーズンオフ並みの人員整理のテーマは「世代交代」であるように思われる。5月頃から見られる大胆なシステム変更や若手起用とともにチームは降格圏を脱出し、現在リーグ11位と上位進出の機会を虎視眈々と狙っている。更にはルヴァンカップもベスト8に進出。ここもタイトルを狙いたいところだ。
この世代交代はある意味、現行システムが合格点に達したことと同時に、さらなる一手でチーム力の底上げを狙いに行くという宮本恒靖監督の断固たる決意の現れではないだろうか。
しかし、それにしても放出が多すぎる。特に、チームの重要職の1つであるウィングバックに欠員が出ていることは明らかだ。右ウィングバックは戦列に復帰した小野瀬康介とおそらく米倉恒貴で宮本監督は考えてるだろう。問題は左だ。現状ファーストチョイスは中村敬斗だったが、この夏海外挑戦を決意。
そんなにわかに表面化されつつある問題を思案し、いくつかの選択肢をここで提案したい。

福田湧矢をウィングバックに配置する
今シーズン頭角を表した若手選手の起用が最適であると思われる。ラストパス、タックルに定評があり、攻守において欠かせない選手になった。藤春が復帰するまで何とか怪我しないで踏ん張ってと宮本監督は願っていることだろう。
食野亮太郎をウィングバックに配置する
得意のドリブルで苦しい状況を一変できる素質を持っており、成長著しい韋駄天のウィングバック起用も考えられる。しかし、福田に比べると守備意識の希薄さはどうしても否めない。宇佐美貴史やパトリック復帰したこともあり、食野にも新たな戦術オプションとして左サイドへ可能性を期待する。

倉田秋をウィングバックに配置する
昨シーズンのガンバ大阪はフラットの4-4-2で戦い、倉田は左サイドハーフを一任されていた。守備も怠らず攻撃においても決定力も兼ね備える汎用性の高い選手であることはこれまでの活躍からも伺える。
鈴木雄斗をウィングバックに配置する
この夏、川崎フロンターレからローン加入した即戦力。今シーズン開幕の数試合はスタメンにも名を連ねていたが、シーズンが進むにつれて出場機会が減少。コンスタントな試合数を求めガンバ大阪へ新天地を移した。実力は折り紙付きのためチームにいち早く適応し、ガンバの躍進の一助になれるかが鍵を握りそうだ。

さらなる補強を行う
ファン・ウィジョや田中達也の完全移籍によってある程度の資金を得たと推測される。この軍資金を活用したいというのはすべてのガンバファンの総意かもしれない。既に宇佐美貴史の復帰や鈴木の獲得を決断したが、左ウィングバック問題解決のためのさらなる選手獲得を切望する。
その点では予てから噂されている井手口陽介の復帰は理にかなうのではないだろうか。井手口をインサイドハーフ、そして福田や倉田を左ウィングバックにスライドさせるのもいい選択になるはずだ。