チャナティップ・ソングラシン 写真提供:GettyImages

北海道コンサドーレ札幌のタイ代表MFチャナティップ・ソングラシンが、タイ人のポッドキャスター『TaLao』の独占インタビューに応じた。幸運にもTaLaoの許可を得て、フットボール・トライブではインタビュー日本語訳をお届けする。

このインタビューでチャナティップは、新型コロナウイルスが流行する中でのライフスタイル、2020年シーズンのJリーグ、最も印象に残った試合など、多くを語っている。また、プロになりたい子供たちへも熱いメッセージを届けている。

It’s HEREEE !!
A few days ago I got to ZOOM call @consaofficial and @Changsuek_TH’s @Chanathipjay. We discussed everything from life in Japan to his favorite hobbies off the pitch.https://t.co/h4vgUQMK3f pic.twitter.com/jbS79xLM0X

— Ta Lao (@ta_lao19) May 8, 2020

新型コロナウイルス中の生活、2020年シーズンについて

公式YouTubeアカウント「CHANA CHANNEL」をフォローしていますが、新しいアパートに引っ越ししたそうですね。最近の生活はどうですか?新型コロナウイルスの問題はあなたの生活にも影響を与えていますか?

元気です。最近は(コロナウイルスの影響で)生活が少し退屈ですが、日本はとても暮らしやすい国ですね。だた、もっともっとサッカーがしたいです。

毎日がループしているような感覚です。以前より少し遅めに起きて、朝食を食べてから日本語の勉強に励んでいます。その後、部屋でトレーニングをします。

残念ながら、家ではトレッドミルやフィットネスバイクなどがありませんので、筋トレがメインとなっています。時間がある時はビデオゲームで遊んだり、映画を見たり、音楽を聞いたりすることでリラックスしています。

北海道コンサドーレ札幌チャナティップ・ソングラシン、特別インタビュー
チャナティップ・ソングラシン 写真提供:GettyImages

Jリーグのことを聞かせください。新型コロナウイルスの問題が発生してから、Jリーグは早い段階で2020年シーズンでは降格制度を適用しないことを発表しました。

これに関して意見を聞かせてください。

どのクラブにとってもフェアーな話だと思います。

まず、新型コロナウイルスが生み出したこと状況は深刻です。不安や恐怖の中でプレーをすることは誰も望んでいないし、サッカーを楽しむことさえ難しくなると思います。

確かにクラブはサッカー協会の考えに同意して、今シーズンの降格はなくなりましたが、来シーズン5クラブが降格することとなります(注:順当にいけば、来シーズンの降格クラブ数は4チームになる見込み)。今シーズンに降格のリスクがなくても、次の年はとても厳しい戦いになると思います。

新型コロナウイルスの問題は、世界の全てのリーグに影響を与える深刻な問題です。Jリーグはこの問題と向き合って、誰にとっても平等な判断を下したと思います。

北海道コンサドーレ札幌に移籍してから4年目のシーズンを迎えています。札幌は2017年が11位、2018年が4位、そして前シーズン、クラブが少しつまづき、結果は10位でした。今年こそAFCチャンピオンズリーグ(ACL)への出場を手に入れるための一番重要なポイントは何だと思いますか?

北海道コンサドーレ札幌はACLへの出場をずっと目標にしていましたが、2018年その目標にギリギリ辿り着けなかったのでとても残念です。そして、前シーズンは良い結果を継続することができませんでした。

今シーズンはまだ1試合しかプレーしていませんから、これから先がどうなるかは読めません。今年のJリーグはレベルが高く、これからのことを予想するのは難しいことだと思います。

しかし、我々はどんなときでもベストを尽くそうとしています。サッカー選手として出場する全てのゲームに勝ちたいと思っています。そして、ACLでプレーすることは私の優先目標でもあります。そのためには私たちの前に現れるライバルよりも力があると信じ、勝つしかないのです。

北海道コンサドーレ札幌チャナティップ・ソングラシン、特別インタビュー
チャナティップ・ソングラシン 写真提供:GettyImages

最も印象に残った試合や現在の趣味

あなたはBECテロ・サーサナ(現ポリス・テロ)、ムアントン・ユナイテッド、北海道コンサドーレ札幌、そしてタイ代表チームの一員として多くの試合に出場してきました。忘れられない最も印象に残った試合を教えてください。

選ばなければならないなら、2014年にマレーシアで行われたAFFスズキカップ決勝の2ndレグです。

確かにその試合はマレーシア代表相手に負けましたが(3-2)、ホームの1stレグを2-0で勝利し、2ndレグでしっかり2得点を奪ったことで優勝することができました。12年ぶりにこのトロフィーを手に入れたときは最高の気持ちでした。あのときはまだ21歳で、本当に誇りに思う瞬間となりました。

しかし、私はクラブでの試合であろうと、代表での試合であろうと、出場する全ての試合を楽しんでいます。

すべての試合が成長に繋がるからです。

私はユニフォームを集めるのが趣味なのですが、2017年にはACLで川崎フロンターレを相手に戦ったあなたのサイン入りユニフォームをいただきました。あなたもユニフォームを集めていますか?また、最も気に入っているのは誰のユニフォームですか?

尊敬しているプレイヤーのユニフォームを多く集めています。誰かとユニフォームを交換するのはとても楽しいことです。誰かにアプローチすることもあるし、相手から交換をお願いされることもあります。出場する試合の後はなるべく交換ができるようにしています。

最も気に入っているユニフォームはサイン入りのリオネル・メッシのユニフォームです。また、タイでスティーブン・ジェラードと戦い、彼からもユニフォームをいただきました。両方大事に飾っています。

北海道コンサドーレ札幌チャナティップ・ソングラシン、特別インタビュー
チャナティップ・ソングラシン 写真提供:GettyImages

ピッチの外のライフスタイルについてもう少し詳しく聞かせてください。写真を撮ることとギターを弾くこと、どちらの方が好きですか?

写真を撮ることですね。結構長く続けています。

勝利の後は特に多くの写真を撮りますね。負けた後は少ないですが。

ギターは正直そんなに上手くないです。弾くのがとても難しい楽器で、諦めそうになることもあります。

リーグ戦がない中で家で過ごす時間が多いと思いますが、見ているドラマや映画などありますか?

韓国ドラマ『イテウォンクラス』を見終わったところです。しかし、ドラマはたまにしか見ないですね。最近は多くの人とビジネストークをすることで忙しいですし暇な時間があったとしても、ドラマや映画よりビデオゲームで遊んでいます。

北海道コンサドーレ札幌チャナティップ・ソングラシン、特別インタビュー
チャナティップ・ソングラシン 写真提供:GettyImages

引退後のこと、プロになりたい子どもたちへのアドバイス

チャナティップさんはすでにタイでスポーツセンターを建てましたが、将来はタイ国内、または海外で指導者になることを考えたことがありますか?

正直、あまり考えたことがないです。しかし、引退後の計画は立てています。何かを始める前には準備が必要です。私の父親はスポーツセンターの管理など、サポートしてくれています。

今のところ指導者になることにはあまり興味がないです。

クラブのコンサルタントの方が向いている気がします。将来どうなるかは分かりませんが、30人ほどの選手を同時に指導するのは難しそうです。スタメンも控えメンバーも管理しなければいけないし、選手にリスペクトされるためには心理学的なアビリティも必要です。

選手から信頼を寄せられること、彼らをずっと高いレベルでプレーさせること、そして考えた戦術を彼らに信用させることなど、監督が成功するために身につけなければならないスキルはたくさんあります。

北海道コンサドーレ札幌チャナティップ・ソングラシン、特別インタビュー
チャナティップ・ソングラシン 写真提供:Football Tribe

あなたのようにサッカー界で成功したい子ども達にアドバイスをお願いします。

どんな挑戦にも言えることですが、成功するためにははっきりとした目標とそれに向かう決意が必要です。

成長するためには努力し、ベストを尽くさなければなりません。生まれながらにして完璧な人など存在しません。才能があっても努力が必要です。すべてはあなた次第。歩んでいる道、またはしていることが好きであれば努力も楽しいと感じるはずです。

また、家族のサポートもとても重要だと思います。

成功に欠かせないものです。「したいこと」と「するべきこと」とのバランスをキープするに協力してくれます。

しかし、最も重要なのは自分を信じることです。どんなことがあってもね。

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