来る12月14日(土)、日本サッカー史上いまだかつてない事が起きる。

なんと、中村憲剛氏(元日本代表)、槙野智章氏(元日本代表)、梁勇基(リャンヨンギ)氏(元北朝鮮代表)3名の引退試合が、それぞれ異なる会場で実施される予定なのだ。繰り返すが同じ日のほぼ同じような時間帯にだ。

同日に有名選手の引退試合が複数開催されるのは、世界を見渡しても極めて異例のこと。日本サッカーの歴史を彩ったレジェンドたちの最後の雄姿をぜひその場で目撃してほしい!

ところが、ここで問題があった。それは引退試合ともなると対戦相手も含めてチームのメンバーを揃えなくてはならない。つまり、日本代表OBや元Jリーガー6チーム分がこの日に必要だ。

裏では日本代表OBの取り合いのような状況になっているに違いない?では、メンバーはそれぞれどうなったのかをまとめて見てみよう。

中村憲剛 引退試合

■日時:2024年12月14日14:00 KICK OFF(前夜祭2024年12月13日19:00~)

■スタジアム:Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

■試合名称:明治安田presents 中村憲剛 引退試合

■対戦カード:前半戦と後半戦でカードが異なる二部形式

前半戦

JAPANフレンズ(ブルー)vsJAPANフレンズ(ホワイト)

後半戦

KAWASAKIフレンズ(ブルー)vsKAWASAKIフレンズ(ホワイト)

(「明治安田 presents 中村憲剛 引退試合」概要発表会見のYouTubeアーカイブ)

中村憲剛氏について

■生年月日

1980年10月31日

■出身地

東京都出身

■身長/体重

175cm/66kg

■チーム歴

川崎フロンターレ

■コメント

一プレイヤーの枠を超え、日本サッカー界に圧倒的な影響力を誇る川崎フロンターレの”レジェンド”。

大学卒業後の2003年に川崎フロンターレに加入し、プロデビューを果たすと、2023年の引退に至るまでの長いキャリアを通じて数々の記録とタイトルを残した。

初年度からすぐにクラブの中心選手となり、当時J2だったチームをJ1へと昇格させる立役者となると、3度のJリーグ優勝(2017年、2018年、2020年)を達成。さらに、2016年にはJリーグMVPを受賞し、日本のサッカー界に偉大な足跡を刻んでいる。

彼のプレイヤーとしての「すごさ」は、卓越した技術と知識、長期間にわたるトップレベルのパフォーマンス、そしてリーダーシップと人間性に裏打ちされており、単に優れた選手であるだけでなく、引退後の活躍も含め、サッカー界全体にポジティブな影響を与えて続けている。

中村憲剛引退試合出場メンバー

■JAPANフレンズ

GK
楢崎正剛

DF
内田篤人
加地亮
栗原勇蔵
駒野友一
今野泰幸(南葛SC)
坪井慶介
中澤佑二
長友佑都FC東京

MF
稲本潤一(南葛SC)
小野伸二
橋本英郎
松井大輔
山瀬功治(レノファ山口)
山岸智

FW
大久保嘉人
我那覇和樹(沖縄SV)
高原直泰
播戸竜二

■KAWASAKIフレンズ

GK
杉山力裕
西部洋平
吉原慎也

DF
井川祐輔
小宮山尊信
武岡優斗
田中裕介
中澤聡太
箕輪義信
山根視来(LAギャラクシー/USA)

MF
稲本潤一(南葛SC)
楠神順平
谷口博之
飛弾暁
西山貴永
山岸智
山瀬功治(レノファ山口)

FW
大久保嘉人
我那覇和樹(沖縄SV)
ジュニーニョ
鄭大世
レアンドロダミアン(コリチーバSC)

※敬称略・五十音順
※現役選手を含めた追加選手については12月に入ってからの発表になっている。
※また、参加メンバー、チーム構成については、コンディション都合等により、予告なく変更が生じる可能性も。

中村憲剛引退試合について

日本サッカー界が誇るレジェンドだからこそ実現した、各年代のスター選手大集合の引退試合だけでなく、エンターテイメント性に富んだイベントが盛りだくさん。

DAZNなどで引退後も精力的に活動している内田篤人氏は中村憲剛の引退試合に登場。現役の日本代表として今でもプレーする長友佑都もこちらの試合だ。また、川崎フレンズにジュニーニョ、レアンドロダミアンと外国人FWが凱旋するのも熱い!

引退試合出場・川崎フロンターレOB選手による公式練習やファンサービスが予定されている前夜祭のほか、引退試合の前にはエキシビションマッチ(女子サッカー界のレジェンド・澤穂希が率いる「なでしこフレンズ」と、中村憲剛氏と縁のある著名人でメンバー構成した「ケンゴフレンズ」が激突)も行うなど、通常の引退試合とは一線を画す内容になっている。

大人気漫画「KINGDOM」の作者・原泰久先生とコラボレーションした限定ユニフォームも販売。

また引退試合当日には、スタジアム前広場にて、寿司チェーン店「すしざんまい」の全面協力のもと「けんござんまい」を開催。マグロ解体ショーやマグロづくし寿司の販売も実施される予定だ。

サッカーの枠を超え、細部にまでこだわりと愛情溢れるメッセージが詰まった一大フェスティバル。ぜひ、フロンターレの聖地・等々力に足を運んで楽しんでほしい。

槙野智章引退試合

■日時:2024年12月14日(土)16:00キックオフ

■スタジアム:ノエビアスタジアム神戸

■試合名称:槙野智章 大感謝祭 ~1日限りのワッショイ劇場~

■対戦カード:MAKINO JAPAN vs. KOBE STARS

(公式YouTubeチャンネル【重大発表】まだ体が動くうちに、もう一度ピッチで【引退試合】)

槙野智章氏について

■生年月日

1987年5月11日

■出身地

広島県

■身長/体重

182cm/77kg

■チーム歴

サンフレッチェ広島ーIFCケルンー浦和レッズヴィッセル神戸

■コメント

強力なフィジカルと積極的なプレースタイルで活躍した、日本サッカー界のエバンジェリスト(伝道者)。

2006年にサンフレッチェ広島ユースからトップチームに昇格。ドイツ1部ケルンを経て12年に浦和レッズに加入し、数々のタイトル獲得に貢献した。

21年11月に契約満了で浦和を離れ、2022シーズンから神戸へ移籍。22年12月に現役引退を発表するまで、ユニークな人柄を生かし”槙野劇場”とも称されるエンターテイメントをフィールドの内外で提供し、多くのサッカーファンから愛されている。

現在は、サッカー解説者として活躍しながら、神奈川県1部リーグの品川CCの監督を務めている。

槙野智章出場メンバー一覧

■チーム名

MAKINO JAPAN

■監督

本田圭佑

■選手

GK
西川 周作(浦和レッズ)
林 彰洋(ベガルタ仙台

DF
森重 真人(FC東京)
酒井 高徳*(ヴィッセル神戸)
森脇 良太(愛媛FC
宇賀神 友弥(浦和レッズ)
那須 大亮
槙野 智章*

MF
香川 真司(セレッソ大阪
乾 貴士(清水エスパルス
原口 元気(浦和レッズ)
柏木 陽介
鈴木 啓太
関根 貴大(浦和レッズ)
梅崎 司(大分トリニータ

FW
大迫 勇也*(ヴィッセル神戸)
武藤 嘉紀*(ヴィッセル神戸)
武藤 雄樹(SC相模原)
李 忠成
興梠 慎三(浦和レッズ)

■チーム名

KOBE STARS

■監督

吉田 孝行(ヴィッセル神戸)

■選手

GK
飯倉 大樹(横浜F・マリノス
前川 黛也(ヴィッセル神戸)

DF
飯野 七聖(ヴィッセル神戸)
岩波 拓也(ヴィッセル神戸)
大﨑 玲央(コンサドーレ札幌
菊池 流帆(ヴィッセル神戸)
酒井 高徳*(ヴィッセル神戸)
櫻内 渚(台中Futuro/台湾)
初瀬 亮(ヴィッセル神戸)
山川 哲史(ヴィッセル神戸)
槙野 智章*

MF
扇原 貴宏(ヴィッセル神戸)
小林 祐希(コンサドーレ札幌)
郷家 友太(ベガルタ仙台)
佐々木 大樹(ヴィッセル神戸)
中坂 勇哉(ヴィッセル神戸)
汰木 康也(ヴィッセル神戸)

FW
大迫 勇也*(ヴィッセル神戸)
武藤 嘉紀*(ヴィッセル神戸)
藤本 憲明(鹿児島ユナイテッド)
ルーカス ポドルスキ(グールニク・ザブジェ/ポーランド)

※名前の末尾に*が付いている選手は両チームでの出場になっている。
※今後、選手追加があった際は、順次アナウンスされる予定。
※出場選手は変更になる場合がある。
※2024/10/21時点
※ポジション分類はQolyによる。

槙野智章引退試合について

比較的現役選手の出場が多い。同世代の花形プレイヤーである香川真司乾貴士をはじめ現役Jリーガーが多数参戦を表明しているだけでなく、海外からは、ケルンで共闘したルーカス・ポドルスキ選手も駆けつける。広島、浦和で共闘した鈴木啓太氏、柏木陽介氏、興梠慎三、原口元気らも出場する予定だ。神戸での開催だが、浦和で共闘したメンバーが特に多い印象だ。

なんといっても、注目はMAKINO JAPANの監督に本田圭佑が抜擢されたことだ。本田・槙野のホットラインはカタールワールドカップのABEMAで見られた最強ホットライン。その本田が、槙野をはじめとした超豪華メンバーたちの指揮を執る、まさにスペシャルな槙野劇場。サッカーファンなら必見だ。

ただ、本田圭佑はXでは槙野に対して「まだ行くとは槙野に言ってないんやけどね。。」と冗談めいた?コメント。本当に指揮を執るのかも注目したい。

梁勇基(リャンヨンギ)引退試合

■日時:2024年12月14日(土)14:00キックオフ

■スタジアム:ユアテックスタジアム仙台

■対戦カード:ベガルタ仙台レジェンズ[2011-2013]VS梁勇基フレンズ

■試合名称:梁勇基引退試合 presented by SGC

梁勇基氏について

■生年月日

1982年1月7日生

■出身地

大阪府出身

■身長/体重

173cm/72kg

■チーム歴

ベガルタ仙台→サガン鳥栖→ベガルタ仙台

■代表歴

2008年~2012年、2015、2017年(朝鮮民主主義人民共和国代表)

■コメント

2004年に加入してから長きにわたって、チームの中心的な存在として活躍した”仙台のバンディエラ”。優れた技術とプレーヴィジョンで、攻撃の要としてチームを支え、仙台のJ1昇格や成績向上に大きく貢献した。

2020、2021シーズンはサガン鳥栖に在籍。2022年1月に完全移籍で再び仙台に復帰。2023シーズン限りでスパイクを脱ぐまで、チームの象徴的存在として多くのベガルタサポーターに愛された。

引退後は、ベガルタ仙台クラブコーディネーターに就任し、若手選手の育成や指導に力を入れているほか、サッカー解説者としても活動している。

梁勇基出場メンバー一覧

■ベガルタ仙台レジェンズ[2011-2013]

GK
林 卓人 (2007年~2013年)
関 憲太郎 (2008年~2009年、2013年~2020年)

DF
渡辺 広大 (2005年~2014年)
鎌田 次郎 (2010年~2015年)
上本 大海 (2012年~2015年)
石川 直樹 (2013年~2017年)
田村 直也 (2007年~2013年)
角田 誠 (2011年~2014年)

MF
斉藤 大介 (2008年~2011年)
富田 晋伍 (2005年~2022年)
太田 吉彰 (2010年~2014年)
高橋 義希 (2010年~2011年)
松下 年宏 (2011年~2013年)
島川 俊郎 (2009年~2011年、2013年)
梁 勇基 (2004年~2023年)*サガン鳥栖在籍期間も含む

FW
赤嶺 真吾 (2010年~2014年)

■梁勇基フレンズ

GK
高桑 大二朗 (2003年~2006年)

DF
岡山 一成 (2007年~2008年)
磯崎 敬太 (2005年~2008年)
中田 洋介 (2004年~2007年)
平岡 康裕 (2016年~2022年)

MF
武井 択也 (2014年~2015年)
千葉 直樹 (1996年~2010年)
金久保 順 (2015年~2018年)
梁 勇基 (2004年~2023年)※サガン鳥栖在籍期間も含む

FW
萬代 宏樹 (2004年~2007年)

※五十音順、()内はクラブ所属歴
※今後、出場選手は決定次第、順次発表。
※出場選手は、諸般の事情により変更が生じる可能性あり。

梁勇基引退試合について

梁氏の引退試合にはクラブレジェンドが続々と集結する。

ゴールゲッターとしてベガルタの上位進出に貢献した赤嶺真吾氏(2021年に現役引退)や、2019年に一度現役を引退したものの、今年7月に品川CC横浜(神奈川県社会人サッカーリーグ1部)でロールモデルプレイヤーとして現役復帰を果たした太田吉彰ら、懐かしの面々が顔を揃える。

「伝説の試合」とも称される、東日本大震災直後の2011年4月23日に行われた川崎フロンターレ戦に出場したメンバーも数多く結集し、ベガルタファン垂涎のイベントになっている。

現状ではFWの招集メンバーが少なく、とりわけ梁勇基フレンズは全体のメンバーが10名しかいない。そのため追加で誰が招集されるのかも気になるところだ。

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