J1開幕戦となったヴィッセル神戸戦(2月27日)は0-1で敗戦を喫し、その後すぐにチーム内で新型コロナウイルス感染者が発生。長期に渡る休止期間を経て再び活動再開するも、ここまで9試合「1勝4分4敗」で順位は18位に位置しているガンバ大阪

2021シーズン、立ち上がりに失敗した。

守備面は正直申し分ない。三浦弦太、昌子源、そして東口順昭を中心に鉄壁のディフェンスを構築し、すでにクリーンシートを4試合達成している。しかし問題となるのが攻撃面だ。今シーズンのリーグ戦での得点はたった「2ゴール」に留まり、昨シーズンのような流動的なボール回しからの攻撃を見ることができていない。

ガンバ大阪、宮本監督はなぜ小野瀬康介を起用し続けるのか?

なぜ宮本監督は小野瀬康介を起用し続けるのか?

喫緊の課題に対して様々な議論があることは理解しているが、私はある選手のパフォーマンスが気になっている。小野瀬康介だ。2018年途中からガンバ大阪に入団し現在までガンバ大阪の右サイドを支えている。しかし、昨シーズンあたりから徐々に攻撃時における存在感に陰りが見え始めているように考える。

ガンバ大阪、宮本監督はなぜ小野瀬康介を起用し続けるのか?

小野瀬康介が2018年にガンバ大阪に入団してから各シーズンごとの「ゴール関与数」をプロットした。データを見ても2019シーズンをピークにゴール関与数が減少していることが分かる。

決してゴールに関与することだけが選手の評価基準になるわけではないが、過去と比較して今シーズンは攻撃時における閃きが足りない小野瀬康介に懐疑的な視線が出始めている。

宮本恒靖監督の起用に応えるためにも、チーム全体の問題を解消するためにも、ゴール前でのパフォーマンスを2019シーズン水準まで戻していきたいところだ。

ガンバ大阪、宮本監督はなぜ小野瀬康介を起用し続けるのか?

このまま外国人アタッカーに代わってしまうのか?

もしこのままのパフォーマンスが続くとなると、今シーズンから新加入した外国人選手にポジションを奪われる可能性も十分に孕んでいる。チアゴ・アウベスはこれまでサガン鳥栖清水エスパルスでもプレー経験があり、精度の高いボールタッチからゴールだけでなくアシストもできる万能性を持つ。またフルミネンセから加入することになったウェリントン・シウバは数人に囲まれても1人で打開できるほどのドリブル能力に長けており、低迷するガンバ大阪の攻撃スタイルのアクセントになることに違いない。

従来のように「右サイドは小野瀬康介の独壇場」だった環境から今シーズンは勝手が違うことを認識しなければならない。また、今シーズンは4-4-2のフォーメーションだけでなく4-3-3にも挑戦をしており、複数のフォーメーションにおける機能性も必要とされている。

ガンバ大阪、宮本監督はなぜ小野瀬康介を起用し続けるのか?

どのような起用がハマるのか?

低調なパフォーマンスが続く中でどのようにすればいいのか。

まずは「裏への飛び出し」を積極的に行うことだと考える。今シーズンのガンバ大阪の攻撃のロジックとして、前線に位置するパトリック目掛けてロングボールを配球し、それを起点に周りの選手たちが連動する仕組みがあるように伺える。しかし、ゴールに背を向けて起点を作るため相手守備陣もある程度ガンバ大阪の攻撃を的を絞って対応しやすい。そのためことごとく攻撃がハマらない悪循環に陥っている。相手に読まれない攻撃を展開するためにも、ディフェンスラインの裏に目掛けたボールを仕掛け、それを起点にゴールに迫る手法も検討するべきだと考える。スペースでボールを貰うことに長けている小野瀬康介ならその役割を担えるに違いない。

また、小野瀬康介の左サイドでの起用というのも案外効果があるのかもしれない。

トップパフォーマンス時の小野瀬康介はサイドラインにこだわらず、中への意識もあり攻撃の脅威を化していた。小野瀬康介自身も右利きであることからも左サイドから中への切込みがしやすいため、本人もプレーしやすくなるかもしれないと考察する。

いずれにせよ、この状況が続くとなるとJ2リーグへの降格も現実的になってしまうため得点力不足を解決しチームを軌道に乗せ、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)へ挑みたいところだ。

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