FIFAワールドカップ・カタール(カタールW杯)のアジア最終予選も佳境を迎えている。現在グループ2位につけるサッカー日本代表は3月24日にオーストラリア戦、3月29日にベトナム戦を控えており、オーストラリア戦に勝利するとW杯本大会への出場が決定する。

ただし日本とは勝ち点3差でグループ3位につける次の相手オーストラリア。この直接対決に敗れることになれば、日本はプレーオフ圏内の3位に転落。森保一監督下「森保ジャパン」にとっても正念場となるところだ。

オーストラリアとの因縁は、今回に限った話ではない。近年重要な試合で必ずと言っていい程に、日本の前に立ちはだかるオーストラリア。その戦いの歴史をまとめていく。

サッカー日本代表の対オーストラリア戦名勝負まとめ

2006年:FIFAワールドカップ・ドイツ大会

結果:日本1-3オーストラリア

ジーコ監督指揮のもと、稲本潤一小野伸二ら「黄金世代」を中心にチームが構成されたことから、日本代表に大きな期待が寄せられた2006年のドイツW杯。日本はグループリーグの初戦の相手として、オーストラリアと対峙した(2006年6月12日)。

当時のオーストラリアはオセアニア予選でW杯への切符を争っていたため、日本代表とはそこまで頻繁に試合をする相手では無かった。とはいえ、ハリー・キューウェルやマーク・ヴィドゥカといった名だたる選手を擁し、本大会32年ぶりの出場ながら簡単ではない展開が予想された。

試合は前半こそ中村俊輔のラッキーなゴールで先制するも、後半相手が長身選手を投入しパワープレイを仕掛けると、耐える時間が長くなる。そして遂に耐えきれず、後半も終盤に差し掛かった時間帯には、のちに日本キラーとも呼ばれるティム・ケーヒルに得点を許すと、終了までのわずかな時間にさらに2失点を喫した。

「カイザースラウテルンの悲劇」と呼ばれたこの逆転負けを皮切りに、結局ドイツW杯では1勝も上げることができず、日本の挑戦は終わっている。

サッカー日本代表の対オーストラリア戦名勝負まとめ

2011年:AFCアジアカップ・カタール大会

結果:日本1-0オーストラリア

2010年の南アフリカW杯の日本代表メンバーを軸に、アルベルト・ザッケローニ監督のもと出場した2011年のAFCアジアカップ。準々決勝ではカタール相手にギリギリの逆転勝利(3-2)。準決勝の韓国戦はPKまでもつれ込むなど、苦しい戦いを経てたどり着いた決勝戦(2011年1月29日)の相手が、オーストラリアだった。

試合は序盤より、サイドからエリア内に放り込まれたボールをことごとくオーストラリアにチャンスにされ、後半には裏を突かれることも増えていった。GK川島永嗣のファインセーブ等もあり、そんな苦しい試合展開をなんとかしのいだ日本。勝負は延長戦までもつれ込み、途中出場の李忠成によって、ようやく得点シーンを迎える。

長友佑都からのクロスに対して、エリア内でフリーとなった李の綺麗なボレーシュートによって、日本はオーストラリアを1-0で下し、4回目のアジア王者に輝いている。

サッカー日本代表の対オーストラリア戦名勝負まとめ

2013年:FIFAワールドカップ・ブラジル大会アジア最終予選

結果:日本1-1オーストラリア

ここからはW杯出場をかけたアジア最終予選での対決となる。2013年のブラジルW杯アジア最終予選でも、引き分け以上で本大会への出場が決まる試合がオーストラリア戦(2012年6月12日)だった。

試合は前半から、本田圭佑香川真司遠藤保仁らを軸に多くのチャンスを作るも終盤まで無得点の状態が続く。決めきれずにいた中、オーストラリアのクロスのように見えたボールが直接ゴールに吸い込まれ、日本にとっては不運な失点で先制を許してしまう。

しかし、迎えた後半のアディショナルタイム。日本は本田によってPKのチャンスをつかんだ。本田が自らキッカーとしてすぐにボールを抱え、ゴールど真ん中へ蹴り込みこれを沈め、日本を5大会連続のW杯出場へと導いている。

サッカー日本代表の対オーストラリア戦名勝負まとめ

2017年:FIFAワールドカップ・ロシア大会アジア最終予選

結果:日本2-0オーストラリア

またもW杯出場がかかる試合となった、2017年ロシアW杯アジア最終予選でのオーストラリア戦(2016年10月11日)。先にオーストラリアのホームで行われた試合も含め、日本はアジア最終予選でオーストラリアに勝利がないという中、勝てば本大会出場が決まる場面。

終始攻勢を仕掛けた日本は、シュートの総数は15本。対してオーストラリアをは4本に抑え込んだ。そんな中前半に浅野拓磨、後半には井手口陽介、と若い2人のゴールで勝利をものにすることができている。

サッカー日本代表の対オーストラリア戦名勝負まとめ

2021年:FIFAワールドカップ・カタール大会アジア最終予選

結果:日本2-1オーストラリア

2021年9月から始まったカタールW杯アジア最終予選。日本は開幕から3戦を1勝2敗と負け越して、10月12日にホームでオーストラリア戦を迎えている。まだ試合数が残っているとはいえ、負ければさらに崖っぷち。そんな中行われた試合も、決して簡単な内容では無かった。

田中碧の得点で先制こそできたものの、危険なシーンは多く作られ一時は強烈なフリーキックを沈められ、追い付かれる場面もあった。最終的には勝ち越しに成功するが、ギリギリの試合であったことは間違いない。

そして来たる3月24日は、この試合に続いてのオーストラリアとのアウェイ戦となる。日本はこれまでW杯最終予選における対オーストラリア戦は、敵地に乗り込んでの勝ちがない。

得失点差で離されているだけに、負ければかなり苦しい状況での最終節ベトナム戦となる。

直近2大会のW杯アジア最終予選では、いずれもオーストラリアとの試合で本大会出場を決めている日本。3度目のオーストラリアを相手にした本大会出場決定となるか。そして最終予選では初となるアウェイでの勝利をつかむことができるか。注目だ。

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