2022FIFAワールドカップ・カタール(カタールW杯)の組み合わせ抽選会が、4月1日(日本時間2日)に行なわれた。サッカー日本代表はグループEに入り、スペイン、ドイツ、そしてコスタリカとニュージーランドで争われる大陸間プレーオフの勝者と対戦することに。

グループA~Hに分けられたこの組み合わせには、FIFAランキングが大きく関係している。国名の横にかっこ書きで表記されている数字が、FIFAランキングの順位だ。一部のサッカーファンからは「あまり当てにならない」と言われることも多いが、では具体的にどうやってFIFAランキングが決まっているかと聞かれると知らない方も多いのではないだろうか。

FIFAランキングとは何なのか、現在のFIFAランキングの算出方法、最新の順位などをまとめた。

サッカーファンでも意外と知らない!?最新FIFAランキングの決め方とは

FIFAランキングとは

FIFAランキングとは、国際サッカー連盟 (FIFA)により発表されるランキングのことだ。1993年にFIFAに加盟する国・地域の男子A代表のサッカーの強さを示す「目安」として始まったもので、国際Aマッチの成績をポイント化、集計し毎月発表されている。

強さを表すだけでなく、W杯の組み合わせにも大きな関係がある。各グループがある程度均衡になるように、FIFAランキングによって1~4の「ポット」に分け、そこからくじ引きが行なわれている。

FIFAランキングの算出方法

FIFAランキングの算出方法は、過去に4度変更されている。現在の方式は2018年のロシアW杯後に採用されたもので「イロレーティング」という算出方法をベースにしている。主にチェスや将棋で使用されている方法で、これらを嗜む人にとっては馴染み深いものだろう。

「イロレーティング」では、試合前のランキングに基づいて結果を予測し、予測と実際の結果の差異によってポイントを増減させていく。

具体的には、試合の重要度係数(A)×【試合の結果係数(B)- 試合の期待結果係数(C)】と、ややこしい式によって算出されるため多少省くが、試合に勝つか自国よりランキングが上位の国に引き分ける(PK戦による負けも含む)とポイントが加算。試合に負けるか、対象国よりランキングが下位の国に引き分けるとポイントが減算されるというものだ。

ただし、W杯や大陸選手権本大会の決勝トーナメントは負けても減算はされない。

なお、女子にもFIFAランキングは存在するが、男子とは算出方法が異なっている。

サッカーファンでも意外と知らない!?最新FIFAランキングの決め方とは

FIFAランキングは信用できるものなのか

コロナ禍はサッカー界にも大きな影響を及ぼしており、W杯予選など各地域内での国際試合以外はあまり行なえていない状況が続いている。そのためここ2年ほど、上述の「イロレーティング」を採用したFIFAランキングが100%の本領を発揮できていないことは事実だ。

とはいえ、FIFAランキングが「あまり当てにならない」と言われる原因は、過去の方式にあった。

対戦相手に関係なく単純に勝利数が多いほどポイントを重ねられた1993年方式、大陸間の格差を表せず計算もややこしかった1999年方式、アジア勢が結果に関わらずランキングを上げることが難しく強豪の多い地域内において力の劣る国がポイントを積むことが難しかった2006年方式。明確な欠陥のあったこれらの決定方法に比べ、現在の方式は実力を適切に表すことができている。

サッカーファンが改めて現在のランキングを見てみても、さほど違和感を抱かないのではないだろうか。刷新されて約4年経過されたFIFAランキング。おそらく今後も微調整を加えながら、さらに信用性の高いものになっていくだろう。

サッカーファンでも意外と知らない!?最新FIFAランキングの決め方とは

最新FIFAランキング上位30カ国とW杯出場国(PO出場国含む)

ではカタールW杯の組み合わせに大きな影響を与えた、2022年3月31日更新の最新FIFAランキングとポイントを見ていこう。

FIFAランキング順位:国名(ポイント)

1位:ブラジル(1832.69)
2位:ベルギー (1827.00)
3位:フランス(1789.85)
4位:アルゼンチン(1765.13)
5位:イングランド(1761.71)
6位:イタリア(1723.31)※W杯不出場
7位:スペイン(1709.19)
8位:ポルトガル(1674.78)
9位:メキシコ (1658.82)
10位:オランダ(1658.66)
11位:デンマーク(1653.60)
12位:ドイツ(1650.53)
13位:ウルグアイ(1635.73)
14位:スイス(1635.32)
15位:アメリカ合衆国(1633.72)
16位:クロアチア(1621.11)
17位:コロンビア(1600.52)※W杯不出場
18位:ウェールズ(1588.08)※欧州PO出場
19位:スウェーデン(1584.77)※W杯不出場
20位:セネガル(1584.16)
21位:イラン(1564.49)
22位:ペルー(1562.32)※大陸間PO出場
23位:日本(1553.44)
24位:モロッコ(1551.88)
25位:セルビア(1547.53)
26位:ポーランド(1544.20)
27位:ウクライナ(1535.08)※欧州PO出場
28位:チリ(1526.40)※W杯不出場
29位:韓国(1519.54)
30位:ナイジェリア(1504.01)※W杯不出場

31位:コスタリカ(1503.09)※大陸間PO出場
35位:チュニジア(1499.80)
37位:カメルーン(1480.48)
38位:カナダ(1479.00)
39位:スコットランド(1472.66)※欧州PO出場
42位:オーストラリア(1462.29)※アジアPO出場
46位:エクアドル(1452.63)
49位:サウジアラビア(1444.69)
51位:カタール(1441.41)※開催国
60位:ガーナ(1387.36)
69位:UAE(1356.99)※アジアPO出場
101位:ニュージーランド(1206.07)※大陸間PO出場

サッカーファンでも意外と知らない!?最新FIFAランキングの決め方とは

FIFAランキング1位は、サッカー王国と呼ばれるブラジル。2位はベルギー、3位フランス。

4位アルゼンチン、5位イングランド。6位にはW杯の出場権を逃したイタリア。7位スペイン、8位ポルトガル。カタールW杯の組み合わせでは「ポット1」にイタリアを除いた7か国と、開催国のカタール(51位)が入った。

「ポット2」には、9位メキシコ、10位オランダ、11位デンマーク、12位ドイツ、13位ウルグアイ、14位スイス、15位アメリカ合衆国、16位クロアチア。

17位コロンビア、18位ウェールズ、19位スウェーデン。この3か国ではコロンビアとスウェーデンは出場できず、ウェールズは6月5日に延期されている欧州予選プレーオフ次第だ。

20位セネガル、21位イラン、22位ペルー、23位に日本、24位モロッコ、25位セルビア、26位ポーランド、27位ウクライナ、28位チリ、29位韓国、30位ナイジェリア。ペルー、ウクライナ、チリ、ナイジェリアを除いた国と、35位チュニジアが「ポット3」に。

37位カメルーン、38位カナダ、46位エクアドル、49位サウジアラビア、60位ガーナに加え、プレーオフに勝利した3か国が「ポット4」での出場となる。

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