2022年11月21日に開幕する、FIFAワールドカップ・カタール大会(カタールW杯)。いまだ最後の出場枠をかけたプレーオフを控えており、出場国のすべてが出そろったわけではない。
多くの国で、東京五輪世代や次のパリ五輪世代と呼ばれる若手や、主力となる中堅世代の動向が注視される一方、年齢を重ねてなお代表の主力として君臨し続けるベテラン選手たちからも目が離せない。ここでは、30代も後半を迎えながら今なお代表の主力選手として、カタールW杯でも活躍が期待される5名を紹介していく。

クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)
言わずと知れた世界的なスター選手の1人、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドも今や37歳。アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(34)と並んで、史上最高の選手とも称される。かつて所属していたマンチェスター・ユナイテッド(2003-2009)に12年ぶりとなる復帰(2021-)を果たした後、プレミアリーグで今2021/22シーズンも衰えない活躍を見せている。
代表でも、アンダー世代のトゥーロン国際優勝(2003)後のデビュー以降、数々の記録を打ち立ててきた。ユーロ2016(UEFA欧州選手権)優勝などタイトル獲得にも貢献。W杯では2006年ドイツ大会、2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、2018年ロシア大会と出場を続け、ロシア大会時には史上最年長のワールドカップハットトリックも記録。そして今カタール大会でも活躍が期待されている。
衰え知らずのC・ロナウドだが、次回2026年W杯時にはいよいよ40歳を超える。引退について明言こそしていないが、残されたW杯タイトル獲得のチャンスは多くないだろう。カタールでは、ポルトガルにさらなるタイトルをもたらすことができるだろうか。

ギジェルモ・オチョア(メキシコ)
メキシコ代表GKギジェルモ・オチョアは36歳。2005年に代表デビューを果たして以降、長く枠の少ないGKながらも代表の座を守ってきた。W杯ではブラジル大会(2014)とロシア大会(2018)で、正GKとしてメキシコの決勝トーナメント進出に貢献。
2021年の東京五輪ではオーバーエイジ枠で全試合出場を果たし、最後方からチームを牽引。日本との3位決定戦の結果、見事銅メダル獲得に至っている。
メキシコは、W杯直近の7大会は全てグループリーグを突破するも、ベスト16の壁は越えられずにいる。オチョアは今南米予選でも正GKという役割は変わっていなかった。チームの柱として、自国を過去最高のベスト8(1970年、1986年)以上へ引き上げられるかに注目だ。

ルカ・モドリッチ(クロアチア)
クロアチア代表のMFルカ・モドリッチ。2012年より長きに渡ってレアル・マドリードの主軸として活躍する。36歳となる今2021/22シーズンは、マルティン・ウーデゴールやフェデリコ・バルベルデといった若手とのポジション争いが注目された。しかし、技術的な衰えは見られず、昨シーズンを超えるパフォーマンスで出場機会を確保している。
そんなモドリッチの評価は、所属クラブや自国にとどまるものではない。2018年には、東ヨーロッパ選手としては初となるUEFA欧州最優秀選手賞を受賞し、さらに長らくクリスチアーノ・ロナウド(ポルトガル)とリオネル・メッシ(アルゼンチン)が独占していたバロンドールも受賞している。
クロアチアは前回のW杯ロシア大会(2018)で準優勝と躍進。モドリッチは、大会最優秀選手に選ばれる活躍でチームを牽引した。来たるカタール大会ではクロアチア悲願の初優勝に向けて、中心選手であるモドリッチへの期待度は高い。

ダニエウ・アウベス(ブラジル)
38歳を迎えてなお王国ブラジルの代表メンバーに名を連ねる、頼れるベテランDFダニエウ・アウベス。一時は母国ブラジルのサンパウロへの移籍(2019-2021)により、17年ぶりとなる凱旋を果たしていたが、2021年11月からは古巣のバルセロナへ復帰し(2008-2016以来)再度欧州での活躍を続けている。
今W杯南米予選では2位アルゼンチンに勝ち点差「13」をつけ、圧倒的な強さでカタール行きを決めているブラジル。アウベス自身は前回のロシア大会(2018)は怪我で出場を断念しており、今大会はブラジル大会(2014)以来の晴れ舞台となる。
年齢的にも最後のW杯になることも十分あり得え、優勝候補の筆頭ブラジルのメンバーとしてアウベスが有終の美を飾れるかに注目が集まる。
ディエゴ・ゴディン(ウルグアイ)
DFディエゴ・ゴディンは、2005年から長きにわたってウルグアイ代表を支え続ける。ウルグアイ代表の通算出場記録を持つことからも、その貢献度がいかに高いかがわかる。カタールW杯南米予選でも、大混戦に巻き込まれたチームを最後尾から支え続け、4大会連続の本大会出場へと導いた。
36歳のゴディン以外にも、FWエディソン・カバーニ(35)、FWルイス・スアレス(35)ら長く代表を牽引してきた選手たちが共にベテランと呼ばれる年齢となったウルグアイ。他の出場国を見ても、これほどクラブで実績を作り経験を重ねてきた選手をそろえる国は少ない。
中でもゴディンは、キャプテンとしての期待も背負う選手。「古豪」ウルグアイの、72年ぶりのW杯優勝のキーパーソンであることは間違いない。