始動が間近に迫るサッカー日本代表、第2次森保ジャパン体制。3月24日にウルグアイを国立競技場に迎えての強化試合を初戦とし、再び次のW杯への長い道のりを歩み始めることとなった。
日本代表は昨年行われたFIFAワールドカップカタール(カタールW杯)で強豪国を相手に善戦。指揮官が続投となったことも相まって、初陣の注目度も高いものとなるだろう。報道によると選手選考について森保一監督は「W杯の選手がベースになるかも」としながら「それ以外にも幅広く選手を見て編成したい」という意向を明かしている。
一方で、今季J2を戦うこととなったGK権田修一(清水エスパルス)の代表招集は難しいとの見方がされるなど、序列の変化が予想されるポジションも出ている。ここでは、Jリーグ開幕して間もない時期ではあるが、初陣を前に猛アピールしているJリーガーたちを5名紹介していく。

佐野海舟(鹿島アントラーズ)
今冬J2の町田ゼルビアから、J1屈指の名門鹿島アントラーズへの移籍を果たしたMF佐野海舟。J1初挑戦となる2023シーズンだが、開幕戦からスタメン出場しここまで圧巻のパフォーマンスを披露。復権を狙う鹿島において欠かせないピースとなりつつある。
もともと高い評価を受けていたボール奪取能力や、安定したパスワークは鹿島に来てなお健在でさらなる成長も期待できる。加えて、身体の強さやボディバランスの良さも随所に見られ、強引な突破を図るシーンも見せるなど、J1の舞台で攻撃力の高さも見せつけている。
現在の日本代表では、中盤は特に激戦区。実際にカタールW杯では、MF遠藤航やMF田中碧など海外で活躍する選手が主軸となって戦った。

小川航基(横浜FC)
昨2022シーズンはJ2リーグ得点王を獲得し、横浜FCのJ1復帰に大きく貢献したFW小川航基。今季はJ1へ舞台を移しているが、変わらず高いパフォーマンスを発揮している。チームはここまでリーグ戦1分2敗と、開幕して間もないとはいえ苦しい戦いが続くが、裏腹に小川は3試合ですでに3ゴールをマーク。J1でも十分通用することを改めて示し、代表への返り咲きの時を待っている。
高い得点力もさることながら、ゴール前での落ち着いた判断力もあり、万能型のFWとして頼もしい存在になりつつある小川。もともと東京五輪世代のFWの中でも高い評価を受けていながら、クラブでの出場機会の減少もあり五輪本大会では招集されずに終わった。波に乗っているストライカーに今回は招集がかかるのか、注目していきたい。

西村拓真(横浜F・マリノス)
昨2022年7月に行われたEAFF E-1選手権2022で代表デビューを果たしたFW西村拓真も、今後の代表での活躍が期待できる選手だ。E-1選手権では2ゴールを挙げる活躍を見せたが、残念ながらカタールW杯への出場はならず。しかし、昨シーズン横浜F・マリノスでは、怪我により離脱する期間もありながらリーグ戦で10ゴールをマークし優勝に大きく貢献した。
今2023シーズンももちろん主力として活躍を続け、前線からの積極的なプレスや攻撃時の的確なポジション取りでチャンスシーンを数多く作り出している。魅力はなんといっても豊富な運動量。
西村の持つ高い決定力は、日本代表が長年求め続けているものであることも事実。さらなる攻撃力の向上のためにも、西村のような選手が代表に定着することは必要なことと言える。

伊藤涼太郎(アルビレックス新潟)
昨2022シーズンJ2で優勝し、今季は久々にJ1の舞台で戦うアルビレックス新潟。2023シーズンのリーグ戦は開幕からの3試合で1勝2分と未だに負けなし。また、攻撃面では3試合で6ゴールと好調だ。そんな新潟の攻撃を司るのがMF伊藤涼太郎だ。トップ下を主戦場に、すでに1ゴール2アシストと昨季から引き続き新潟の攻撃を牽引している。
高いパス技術と創造性に加え、視野の広さを誇り、チャンスメイクの能力はもはや一級品と言っていい。伊藤はこれまで、世代別の代表経験こそあるもののA代表とは縁がなかった。また、主戦場がJ2だっただけに初招集ともなればJ2所属の選手たちにとっても希望と呼べる存在となるだろう。それだけに、この3月の招集で名前が挙がるのか、大いに注目したい選手の1人だ。

初瀬亮(ヴィッセル神戸)
J1開幕3連勝を飾ったヴィッセル神戸。
左サイドバックを主戦場にここまで3試合すべてにフル出場いている初瀬は、攻守両面で献身的に上下動を繰り返し、90分間安定したプレーを見せている。もともとキック精度の高さには定評があったが、加えて今季は中央付近でのボール回しにも加わるなど、攻撃のスイッチを入れる役割も果たしていると言えよう。
初瀬が主戦場とする左サイドバックは、代表では長くDF長友佑都が務めているが、後任は必ずしも決まったとは言えないのが現状だ。海外クラブに所属する候補選手も多いポジションだが、攻撃面の貢献度では負けてはいない。久々の代表招集があるのか、注目していきたい。