3月31日~4月1日にかけて行われた、2023明治安田生命J1リーグの第6節。好調のヴィッセル神戸は、3連勝と波に乗る京都サンガF.C.を下して(3-0)首位を維持した。
ここでは、開幕から激しい闘いが続くJ1リーグの第6節で活躍した選手たちを、ベストイレブン形式で紹介していく。

GK:キム・ジンヒョン(セレッソ大阪)
王者横浜F・マリノスをホームに迎えた今節のセレッソ大阪(2-1)。再三のピンチを90分間救い続けたのがGKキム・ジンヒョンだ。的確なポジショニングで1対1の窮地を切り抜け、攻撃面でも最前線にピンポイントで付けるパスでリズムを作った。試合の流れは悪くないものの、思うように勝ち星を伸ばせていない今2023シーズンのC大阪。王者相手に奪った勝ち点3で浮上のきっかけを作れるのか、守護神の次節以降の活躍にも注目だ。

DF:佐々木翔(サンフレッチェ広島)
鹿島アントラーズに先行を許し、終盤にようやくチャンスをものにした今節のサンフレッチェ広島(2-1)。そんな中、攻守に渡ってハイクオリティなパフォーマンスを見せたのがDF佐々木翔だ。特にゲームの終盤には、縦パスで好機を作り出し、極めつけは逆襲のきっかけとなるPKを獲得するなど勝ち点3をチームにもたらす原動力となった。

DF:奈良竜樹(アビスパ福岡)
両チーム高い集中力が目立ったアビスパ福岡対横浜FC(1-1)。結果的に両者PKによる1点のみで痛み分けとなったが、終盤にかけて横浜FCが攻勢を強める中、福岡DF奈良竜樹の貢献度は高かった。随所で高い危機察知能力を見せていたこの試合。気迫あふれるプレーと声出しで味方を鼓舞する姿も多く見られた。勝ちきれなかった課題はあるが、これで5試合負けなし。

DF:明本考浩(浦和レッズ)
見事4連勝を果たした今節の浦和レッズ。柏レイソル相手に3-0と完勝した中でも、DF明本考浩は特に輝きを放っていた。いつも通りの豊富な運動量で攻守にわたって広範囲に顔を出し、終盤にはとどめの1発となる3ゴール目を見事なボレーで決めて見せた。明本はこれで2戦連発。チームをさらに勢いづける立役者となったと言えよう。

DF:山根視来(川崎フロンターレ)
開幕から思うように勝てずに苦しみ続ける川崎フロンターレ。久々に勝利を得られたが、決して楽な試合展開ではなかった(対北海道コンサドーレ札幌4-3)。そんな壮絶な打ち合いにて大きな働きをやってのけたのがDF山根視来だ。2度相手に先行を許した中でも、いつも通り前線へ関わる姿勢を崩さず、ゴール前へのスプリントでチームにとって2ゴール目を上げて反撃のきっかけを作った。1-1に追いついてすぐの失点があっただけに、結果的に山根の挙げた2点目の価値は大きかったと言えよう。

MF:三田啓貴(横浜FC)
4試合負けなしと好調のアビスパ福岡をホームに迎えた横浜FC。今季初勝利を目指したが、結果は1-1のドロー。勝利こそ得られなかったが、連敗を3で止めることには成功した。そんな価値ある勝ち点を得た今節、鬼神の如く気迫を前面に出したプレーで貢献したのがMF三田啓貴だ。

MF:稲垣祥(名古屋グランパス)
前半は相手の攻勢に構えるシーンも多かった今節の名古屋グランパス。しかし、相手に退場者が出たことで試合は一変。結果的には3ゴールを挙げて勝利を収めている(対アルビレックス新潟3-1)。そんな試合展開の中、いつも以上に攻撃での存在感を示していたのが、MF稲垣祥だ。相手が1人少ないこともあり、積極的に前線でボールに絡み得意のミドルを放つなど脅威となり続け、最終盤にはとどめの3点目を挙げて勝利に大きく貢献した。

MF:香川真司(セレッソ大阪)
得点やアシストという決定的な仕事こそなかったが、セレッソ大阪でMF香川真司が今節果たした役割は大きかったと言えよう。中盤でボールを受け続け、広い視野で味方を捉え、長短のパスを織り交ぜながらチャンスを演出し続けた。同じく新戦力のFWレオ・セアラもゴールを挙げ勢いをつけた今節。出し手としても、より香川が輝ける土台を作れたゲームになったのではないだろうか(対横浜F・マリノス2-1)。

FW:汰木康也(ヴィッセル神戸)
ヴィッセル神戸で、前節はクラブの期待の若手にスタメンを譲ったFW汰木康也。今節はその鬱憤を晴らすかのような活躍で、連勝に貢献した。いつにも増してシュートが冴えわたり、2ゴールを挙げた(対京都サンガ3-0)。ゴールシーン以外でも強烈なシュートを枠に飛ばしている。J屈指のタレント軍団なだけに、今後もポジション争いは熾烈だろうが、今節の活躍で汰木自身も波に乗ることに期待したい。

FW:大迫勇也(ヴィッセル神戸)
好調ヴィッセル神戸の中でも圧巻のパフォーマンスを見せ続ける今季のFW大迫勇也。特に今節は、チャンスというチャンスには必ずと言っていいほど絡み、2点目のゴールの起点にもなっている。その貢献の甲斐もあってか、終盤にはFW武藤嘉紀からご褒美と言わんばかりのパスを受けて自身もゴールを記録。チームの今季5勝目の立役者となった。

FW:町野修斗(湘南ベルマーレ)
今節はこの男の活躍抜きにしては語れない。開幕節以来となる今季2勝目を挙げた湘南ベルマーレ(対ガンバ大阪4-1)。その中で、代表帰りのFW町野修斗は前半だけで4ゴール。まさしく格の違いを見せつける圧巻のパフォーマンスで勝利を引き寄せた。ゴールシーン以外でも、下りてきて作りの部分に貢献する姿はいつも通り。スコアの余裕もあってか早々にベンチに下がったが、出場時間が長ければさらに得点を重ねていたのかもしれない。そう思わせるほど、輝きを放っていた。