8月18日~20日にかけて行われた、2023明治安田生命J1リーグの第24節。首位争いを繰り広げる横浜F・マリノスとヴィッセル神戸の2クラブは、横浜FMが最終盤の劇的なゴールで勝利を収めた(対FC東京2-1)のに対して、神戸は痛恨のドローゲーム(対柏レイソル1-1)。
ここでは、そんなJ1第24節で活躍した選手たちを、ベストイレブン形式で紹介していく。

GK:太田岳志(京都サンガ)
降格圏との勝ち点差を広げるためにも勝利が欲しい京都サンガは、第24節で北海道コンサドーレ札幌と対戦。リーグ屈指の攻撃力を誇る相手に無失点勝利を収めた(3-0)。決定機も複数作られた同試合で、ことごとく止めてみせたのがGK太田岳志だ。開始直後1対1の場面で見せた決死の飛び出しから始まり、一時同点のピンチとなったPKもセービング。新加入GK(ク・ソンユン)とのポジション争いが激化している中、圧巻の働きで指揮官へのアピールにもなる活躍を果たした。

DF:舞行龍ジェームス(アルビレックス新潟)
5連勝と波に乗るアビスパ福岡のホームに乗り込んだ、第24節のアルビレックス新潟。強さ、高さを兼ね備える福岡の攻撃陣を前に、DF舞行龍ジェームスは立ちはだかり続け無失点勝利に貢献している(1-0)。特に福岡のFW山岸祐也に対しては、後方からのボールを受けさせない対応で攻撃の芽を摘んでいた。通れば決定機のクロス対応もあり、3試合ぶりの勝利の立役者となった。

DF:永戸勝也(横浜F・マリノス)
連覇を狙う王者横浜F・マリノスは、第24節で直近2連勝と好調なFC東京と対戦。2-1で接戦をものにし、2連勝を果たした。今節の結果、ヴィッセル神戸が引き分けたため首位に浮上。優勝争いの大本命として、今後首位の座を明け渡すことがなく突き進めるかが注目される。

DF:福田心之助(京都サンガ)
これまで京都サンガで不動の右サイドバックを務めていたDF白井康介が、今夏FC東京へ移籍。しかし第24節では、代わって右サイドバックの位置を掴んだDF福田心之助が目覚ましい活躍を見せ勝利を収めた(対北海道コンサドーレ札幌3-0)。積極的なオーバーラップと仕掛けでサイドを抉り、不十分なクリアボール回収からチームに2点目をもたらした。降格圏との勝ち点差こそあるものの、まだまだ下位(15位)に沈んでいる京都。浮上のためにも、22歳のサイドバック福田の今後の成長にも期待される。

MF:渡辺皓太(横浜F・マリノス)
第24節の勝利で接戦を制し、単独首位に立った横浜F・マリノス(対FC東京2-1)。しかし最終盤まで一進一退の攻防が続き、ドローゲームも十分あり得た展開だったと言えよう。そんな拮抗したゲームのなか、MF渡辺皓太は土壇場で勝利を呼び込む働きを果たした。序盤からいつも通りの安定したボール回しで役割を全うし、後半アディショナルタイムには決勝点となるゴールをマーク。地を這うような強烈なミドルシュートで奪ったゴールで、チームを首位浮上へ導いた。

MF:樋口雄太(鹿島アントラーズ)
今2023シーズンここまで、リーグトップのアシスト数を誇る鹿島アントラーズMF樋口雄太。第24節でも、その圧倒的なキック精度を随所に発揮してチームに勝利をもたらした(対サガン鳥栖2-1)。

MF:カピシャーバ(セレッソ大阪)
前節は終了間際のゴールで勝ち点を拾ったセレッソ大阪。そんな劇的な同点ゴールをアシストしたMFカピシャーバは、第24節でも中盤左サイドで起用されると精度の高いクロスで決勝ゴールを演出している。加えて、スピードとパワフルなドリブルで推進力も披露。持ち味を存分に発揮して、リーグ中断明け2戦勝ちなしと停滞する状況を打破する勝利に貢献した(対横浜FC1-0)。

MF:マルコス・ジュニオール(サンフレッチェ広島)
今夏サンフレッチェ広島へ加入したMFマルコス・ジュニオール。加入直後の出場となった第24節(対川崎フロンターレ3-2)では、環境の変化を感じさせない「らしさ」全開のプレーを見せた。途中出場から攻撃にリズムを生み出し、反転、ダブルタッチからの狙いすましたシュートでチームに2点目をもたらした。最終盤の逆転ゴールの場面では、ダイレクトのスルーパスを供給してアシストもマーク。いきなり2得点に絡む活躍で、広島の新10番として存在感を示した。

FW:ホセ・カンテ(浦和レッズ)
徐々に調子を上げてきた、今2023シーズンからの浦和レッズの新戦力FWホセ・カンテ。手に汗握る名古屋グランパスとの直接対決に臨んだ第24節では、この試合唯一のゴールをマークした。序盤に得たチャンスを逃さず振り向きざまのシュートで先制点を奪うと、その後もDFラインに捕まらないポジション取りでチャンスを演出。

FW:満田誠(サンフレッチェ広島)
前節に怪我から復帰したサンフレッチェ広島のMF満田誠。第24節もとても長期離脱していたとは思えないキレのあるプレーを数多く見せていた。コーナーキックから先制点のアシストをマークすると、その質の高いキックで展開力も随所に発揮。極めつけはチームを勝利に導く勝ち越しゴールも挙げた(対川崎フロンターレ3-2)。今夏の移籍で中心選手の流出もあった広島。満田の復活で再び上位争いに加われるか、背番号11にかかる期待は大きい。

FW:イッサム・ジェバリ(ガンバ大阪)
前節連勝が3でストップしたガンバ大阪。第24節は湘南ベルマーレを相手に2-1で勝利を収め、勢いに衰えがないことを示した。そんな前節の敗北を払拭する試合で、得点こそなかったがFWイッサム・ジェバリの働きは光っていた。先制点を思いやりたっぷりな落としで演出すると、高いキープ力で前線で溜めを作りチャンスを生み出す働きに終始。シーズンが進むにつれチームへのフィット感を高めつつあるだけに、今後もこのチュニジア代表FWの活躍から目が離せない。