日本代表が好調だ。9月にはドイツ代表に4-1、トルコ代表に4-2で勝利。

10月にもカナダ代表に4-1で快勝すると4日後にはチュニジア代表を4-2で下すなど、6-0で大勝した6月15日のエルサルバドル代表戦から現在6連勝中。10月26日に発表されたFIFAランキングでは18位にまで上昇した。選手の意見を柔軟に取り入れる森保一監督の手腕もさることながら、選手個々のレベルアップが著しいことも大きな要因だろう。

ここでは、2023年10月時点の市場価値から、欧州でプレーする主な日本人選手の国際的評価をみていこう(評価額は『Transfermarkt』参照。日本円は10月30日時点のレートで換算)

三笘薫と久保建英に続くのは?欧州で活躍する日本人選手の市場価値

日本人選手最高値を更新した三笘と久保

2023年10月現在、欧州でプレーする日本人選手で最も市場価値が高いのは、ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン(イングランド1部)所属のMF三笘薫と、レアル・ソシエダ(スペイン1部)所属のMF久保建英だ。ともに同額の5,000万ユーロ(約79億円)で並んでおり、いずれも日本人選手歴代最高値を更新している。

プレミアリーグ屈指のドリブラーと評される三笘は、10月20日にブライトンとの契約を2027年夏まで延長。多くのクラブから注目を集める存在だが、移籍金の高騰は確実だろう。300万ユーロ(約3億9000万円)の移籍金で川崎フロンターレからブライトンに加入した2021年8月時点の市場価値が180万ユーロ(約2億8,000万円)だったことを考えると、わずか2年ほどで27倍以上に上昇したことになる。2022/23シーズンのブレイクを機に、名実ともに評価はうなぎのぼりだ。

ソシエダの右サイドに君臨する久保も負けていない。10月のアップデートによって評価額が一気に2,500万ユーロ上昇し、三笘に並ぶ5,000万ユーロに到達。周囲からの大きな期待に数字で応えられない時期もあったが、ソシエダとの出会いで見事に花開いた。

22歳という若さもあり、ビッグクラブ移籍の噂は絶えない久保。今後の活躍が楽しみだ。

三笘薫と久保建英に続くのは?欧州で活躍する日本人選手の市場価値

プレミアリーグ所属の日本人選手評価額

現在、プレミアリーグ(イングランド1部)に所属している日本人選手は3人。前述の三笘(ブライトン)のほか、DF冨安健洋がアーセナル、MF遠藤航がリバプールでプレーしている。

アーセナルで多くのポジションを担う冨安の評価額は、日本人のDFで最も高額な2,500万ユーロ(約40億円)。レギュラーポジションをなかなか掴めない時期が続いているが、リーグ戦での途中出場やUEFAチャンピオンズリーグ(CL)でのスタメン出場で着実に評価を上げており、レギュラー奪取に期待がかかる。

また、今年8月にリバプールの一員となった遠藤の評価額は、それ以前の650万ユーロ(約10億円)から1,300万ユーロ(約20億円)へと倍増。日本代表ではキャプテンを務める不動の存在だが、リバプールでは出場時間を伸ばせずにいる。10月26日に開催されたUEFAヨーロッパリーグ(EL)第3節のトゥールーズ戦(5-1)で決めた渡英後初ゴールの高評価が転機となるだろうか。

三笘薫と久保建英に続くのは?欧州で活躍する日本人選手の市場価値

セリエA唯一の日本人選手評価額

今季イタリア1部のセリエAで戦う日本人選手は、ラツィオ所属のMF鎌田大地のみ。鎌田の市場価値は、日本人選手第3位となる2,700万ユーロ(約43億円)だ。今年8月に加わったラツィオでは、国内リーグ戦の第3節ナポリ戦で移籍後初となる決勝ゴールを決めチームに勝利をもたらしたが、第5節以降はスタメンを外れている。マウリツィオ・サッリ監督からの強固な信頼を掴みイタリアの地で活躍できるか、今後に注目したい。

三笘薫と久保建英に続くのは?欧州で活躍する日本人選手の市場価値

ブンデスリーガ所属の日本人選手評価額

ドイツ1部のブンデスリーガでプレーする日本人選手は現在7人。その中で最も市場価値が高いのは、SCフライブルク所属のMF堂安律

今年6月の日本代表戦でも大活躍した25歳のアタッカーの評価額は、1,800万ユーロ(約28億円)となっている。第8節のボーフム戦で今季初得点を挙げており、今後も得点量産が期待される。

また、日本代表の主力でもあるDF2人の評価も上昇している。VfBシュツットガルト所属で左サイドバックのレギュラーを務めるDF伊藤洋輝は1,000万ユーロ(約16億円)から1,700万ユーロ(約27億円)へと上昇。ボルシア・メンヒェングラートバッハ所属で開幕からスタメン出場を続けるDF板倉滉も、1,200万ユーロ(約19億円)から1,500万ユーロ(約24億円)へと上昇した。

VfLボーフム所属のFW浅野拓磨は400万ユーロ(約6億円)、アウクスブルク所属のMF奥川雅也は250万ユーロ(約4億円)、VfBシュツットガルト所属のMF原口元気は100万ユーロ(約1億6,000万円)、アイントラハト・フランクフルト所属のDF長谷部誠は39歳という年齢もあって80万ユーロ(約1億3,000万円)に留まっている。

また、ドイツ4部相当のレギオナルリーガ所属ではあるが、19歳のMF福井太智も評価額を60万ユーロ(約9,000万円)へと上昇させた。2022年、17歳でサガン鳥栖のトップチーム入りした福井は、今季バイエルン・ミュンヘンのセカンドチームに移籍。9月16日のブンデスリーガ第5節でトップチームのベンチ入りを果たすと、同26日にはDFBポカール(ドイツ杯)1回戦に途中出場しトップチームデビューを飾っており、今後が楽しみな1人だ。

三笘薫と久保建英に続くのは?欧州で活躍する日本人選手の市場価値

リーグ・アン所属の日本人選手評価額

フランス1部のリーグ・アンで戦う日本人3選手のうち、10月のアップデートによって市場価値が最も高額となったのはスタッド・ランス所属のFW中村敬斗だった。

日本代表でも存在感を増すウインガーの評価額は、オーストラリア1部のLASKリンツからランスに移籍した際の移籍額1,000万ユーロ(約16億円)や23歳という年齢も相まって、1,200万ユーロ(約19億円)となっている。中村は10月13日に開催された日本代表のカナダ戦で左足首に剥離骨折を伴う重い捻挫を負っており、復帰が待たれている。

中村とチームメイトのFW伊東純也も1,000万ユーロ(約16億円)と安定した評価額を維持。

活躍度はもちろん年齢も考慮されるため、30歳でなおこの評価を維持していることが素晴らしい。また、昨2022/23シーズンはチームの期待に沿えたとは言い難いASモナコのFW南野拓実は、今2023/24シーズン開幕から好調をキープ。評価額は上昇し1,000万ユーロ(約16億円)となった。

三笘薫と久保建英に続くのは?欧州で活躍する日本人選手の市場価値

5大リーグ以外で戦う日本人選手評価額

これまでに挙げた5大リーグ以外でも日本人選手は多くプレーしているが、なかでも評価額が概ね高額なのがスコティッシュ・プレミアシップ(スコットランド1部)に所属するセルティックの日本人選手たちだ。

  • FW古橋亨梧:1,400万ユーロ(約22億円)
  • MF旗手怜央:1,100万ユーロ(約17億円)
  • FW前田大然:600万ユーロ(約9億5,000万円)

その他、プリメイラ・リーガ(ポルトガル1部)のスポルティング・クルーベ・デ・ポルトゥガル所属で日本代表でも主力のMF守田英正は1,200万ユーロ(約19億円)。エールディビジ(オランダ1部)で戦うAZアルクマールのDF菅原由勢は1,000万ユーロ(約16億円)、フェイエノールトのFW上田綺世は800万ユーロ(約13億円)の評価額となった。

ほかにも、ジル・ヴィセンテ(ポルトガル1部)のMF藤本寛也が300万ユーロ(約5億円)を記録し、現チームに加入以来の上昇を続けている。また、スパルタ・ロッテルダム(オランダ1部)のMF斉藤光毅も藤本と同額の300万ユーロ(約5億円)を記録した。

その他にも200万ユーロ(約3億円)を超える選手が複数存在しており、徐々にではあるが日本人選手全体の評価額が上がっているのは間違いないだろう。近い将来、Jリーグから海外チームへの移籍金が上昇し、選手の価値も向上することを願っている。

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