12月3日に全日程が終了した2023シーズンの明治安田生命J1リーグ。今シーズンも熱い戦いが繰り広げられ、最終的に優勝を飾ったのはヴィッセル神戸、1クラブのみのJ2降格は横浜FCとなった。

ここでは、J1全18クラブの11月と12月に行われたリーグ3試合の成績(勝敗、勝ち点、得失点差、総得点)から、トップ5とワースト5のクラブをまとめてみよう。来2024シーズンを占う内容だったとも言えるだろう。

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【J1リーグ2023】11月12月の成績トップ5&ワースト5クラブ

トップ5:アビスパ福岡

11月・12月の成績:2勝1敗・勝ち点6・得失点差+1・総得点5

僅差ながらトップ5は、今年のYBCルヴァンカップを制したアビスパ福岡(リーグ最終順位7位)に。11月は第32節ガンバ大阪戦(2-1)、第33節浦和レッズ戦(3-2)と2試合続けて逆転勝利。12月3日の最終節は後半アディショナルタイムの失点で敗れるも(対サンフレッチェ広島1-0)、飛躍のシーズンの最終盤としては悪くないものだった。課題は3試合全てで先に失点したこと。攻撃のバリエーションは改善傾向にあり、来季は先手を取れる試合を増やしたい。

【J1リーグ2023】11月12月の成績トップ5&ワースト5クラブ

トップ4:京都サンガ

11月・12月の成績:2勝1分・勝ち点7・得失点差+3・総得点7

2023シーズンJ1残留を達成するどころか、最後の3試合を負けなしで駆け抜けた京都サンガ(最終順位13位)。11月は川崎フロンターレ(3-3)、セレッソ大阪(1-0)、12月は横浜F・マリノス(3-1)といずれも順位が上のクラブとの対戦で、余計に収穫は大きい。また、FW豊川雄太が3得点、FW原大智が2得点とFW陣が結果を出しており、彼らが契約更新となれば来季に向けての期待は広がる。

【J1リーグ2023】11月12月の成績トップ5&ワースト5クラブ

トップ3:サンフレッチェ広島

11月・12月の成績:2勝1分・勝ち点7・得失点差+4・総得点4

2023シーズンを3位で終えたサンフレッチェ広島は、最終盤も安定していた。11月と12月の3試合で失点は0。抜群の堅守に加え、第34節アビスパ福岡戦(1-0)では後半アディショナルタイムに決勝点を奪う勝負強さも見せた。優勝争いへの課題は、明確な得点源だ。年間15点ほど獲れるFWさえ用意できれば、来季はさらに上を目指せそうな予感漂う。

【J1リーグ2023】11月12月の成績トップ5&ワースト5クラブ

トップ2:川崎フロンターレ

11月・12月の成績:2勝1分・勝ち点7・得失点差+4・総得点7

最終順位は8位。近年の成績を見ると8位に”甘んじた”印象の川崎フロンターレだが、来季に期待のかかる2023シーズン最終盤となった。なかでも第33節鹿島アントラーズ戦では、我慢の時間もありながら終わってみれば3-0の完勝。鬼木達監督の続投も決まり、12月9日には天皇杯優勝を達成した川崎にとって、苦しみながらも着実に力を付けたシーズンになったと言えそうだ。リーグタイトルの奪還には、オフシーズンの動きが重要になる。

【J1リーグ2023】11月12月の成績トップ5&ワースト5クラブ

トップ1:ヴィッセル神戸

11月・12月の成績:3勝・勝ち点9・得失点差+3・総得点5

クラブ初となる、悲願のリーグ制覇を達成したヴィッセル神戸。最後まで勢いが衰えない完璧な2023シーズンだった。11月と12月も3試合すべて1点差と僅差の試合を制し、優勝決定後の最終節(対ガンバ大阪1-0)でも緩むことなく勝利を挙げている。

来季は追われる側になり、日程も過密になる神戸。連覇は難易度が高いとされるが、経験豊富な選手たちを中心に新たな目標を達成できるだろうか。

【J1リーグ2023】11月12月の成績トップ5&ワースト5クラブ

ワースト5:横浜FC

11月・12月の成績:3分・勝ち点3・得失点差0・総得点4

1シーズンでのJ2降格となった横浜FCは、最後まで流れに乗れなかった。第32節サガン鳥栖戦(3-1)に勝利し残留に望みを繋いだが、翌第33節湘南ベルマーレとの直接対決で痛恨の敗戦(0-1)。わずかな可能性に懸けた最終節も敗れ(対鹿島アントラーズ1-2)、目標の残留は達成できなかった。それでも四方田修平監督の続投は有力視されており、来季も継続路線でのJ1復帰を目指す。

【J1リーグ2023】11月12月の成績トップ5&ワースト5クラブ

ワースト4:名古屋グランパス

11月・12月の成績:1分2敗・勝ち点1・得失点差-2・総得点3

最終的に6位で2023シーズンを終えた名古屋グランパスだが、終盤戦の戦いは不安を残すものだった。3試合で勝ち点1、そのうち2試合は残留争いに巻き込まれた相手(柏レイソル1-1、湘南ベルマーレ1-2)だった。

また、少し遡ってみてもリーグ戦終盤10試合で白星は1つ(第30節ガンバ大阪戦1-0)のみ。失点を喫してようやくエンジンがかかる試合が目立ち、苦しい試合を増やした。長谷川健太監督の続投は決まっているが、補強以上に戦術面に修正を加える必要がありそうだ。

【J1リーグ2023】11月12月の成績トップ5&ワースト5クラブ

ワースト3:サガン鳥栖

11月・12月の成績:1分2敗・勝ち点1・得失点差-3・総得点3

11月は降格の決まった横浜FCに敗れ(1-3)、最終17位の柏レイソルとは引き分け(2-2)、14位で残留を決めたサガン鳥栖のラスト3試合は、あまり芳しくないものだった。しかしリーグ随一の運動量と、ボール保持にこだわるスタイルはJ1で異色のもので興味深い。強い信念を持つ川井健太監督のもと来季はより上を目指すことになるが、結果を伴わせることはできるだろうか。

【J1リーグ2023】11月12月の成績トップ5&ワースト5クラブ

ワースト2:セレッソ大阪

11月・12月の成績:3敗・勝ち点0・得失点差-4・総得点0

2023シーズン半ばまでは上位争いに加わっていたセレッソ大阪(最終順位9位)だが、終盤に失速した印象は否めない。ラスト3試合は無得点での3敗と、とにかくゴールが遠かった。

さまざまな選手を試したが、終盤8試合で1得点と攻撃陣のテコ入れは必須。来季も続投となる小菊昭雄監督のもと、FWレオ・セアラ以外の得点源創出が求められる。

【J1リーグ2023】11月12月の成績トップ5&ワースト5クラブ

ワースト1:ガンバ大阪

11月・12月の成績:3敗・勝ち点0・得失点差-5・総得点1

最終16位で残留を決めたガンバ大阪だが、最後の3試合で敗れただけでなく第28節から7連敗で2023シーズン終了。夏場の貯金がなければ危うく、、という締めくくりとなってしまった。ダニエル・ポヤトス監督の来季続投が決まっているが、終盤戦は自分たちの形を見失っていた印象だ。不安定な戦いを脱するには、世代交代と戦術にフィットする選手の獲得を同時に進める必要があるだろう。