かつてベガルタ仙台でプレーしていたポーランド人GKヤクブ・スウォビィクは、2023シーズン限りでFC東京を退団。母国メディアに対して、日本のファン・サポーターに対する印象やJリーグ再挑戦の可能性について語っている。

 Jリーグの舞台で4年半にわたりプレーしたスウォビィクは今月、ポーランドメディア『slasknet』のインタビューに対応。2019年7月、日本代表GKシュミット・ダニエルの後釜として仙台へ加入した背景を聞かれると、「代理人から日本行きの可能性を聞いてから1日後に、仙台側の代理人と連絡を取っていたし、僕の記憶ではかなり早く合意に達していたね」

 「僕自身、日本行きに少し躊躇したけど、クシシュトフ・カミンスキーや一緒にプレーした日本人選手に(Jリーグや日本に関する)情報を求めた。彼らが日本での生活やJリーグを褒めていたから、日本行きを決断したんだ」と、かつて2015年から5シーズンにわたりジュビロ磐田でプレーしていたカミンスキーからの後押しを明かしている。

 そんなスウォビィクは2年半にわたり仙台でプレーすると、同クラブのJ2降格もあり、2021年12月にFC東京へ完全移籍。FC東京でもしばらく正守護神として活躍していたが、ピーター・クラモフスキー監督就任後は出場機会が減少。日本代表GK野澤大志ブランドンに正守護神の座を譲ると、シーズン終了後にチームを離れた。

 仙台とFC東京のサポーターに対する印象について、スウォビィクは「仙台は人口200万人(実際は109万人)程度の都市であり、3500万人と言われる東京(実際は首都圏)と比べると、日常生活でベガルタのファンに出会う確率ははるかに高い。東京での人気はそこまで目立つものではなかったけど、FC東京には熱心なファンがいて、親切に接してくれることが多かったね」とコメント。

 「2011年、仙台で地震と津波があった。クラブは家族や持ち物を失った人たちを団結させた。スタジアムでは家族と一緒にいるかのような雰囲気を感じることができたね。ファンはとても献身的で、街のどこかで僕を見かけてもプライベートの時間を尊重してくれるけど、勇気を出して写真やサインを求める人たちもいる。

僕たち選手もファンから温かい気持ちをたくさん受け取っているから、写真やサインで恩返しをしたいと思っていたよ」と、仙台のファン・サポーターに対する思いも語っている。

 スウォビィクの去就を巡っては、今月中旬にポーランド1部ヴィジェフ・ウッチやトルコ1部コンヤスポルが新天地候補に浮上。本人は「今月15日からとあるクラブのトレーニングに参加している。(移籍先は)ポーランドのクラブだ」と現状を語った上で、将来的なJリーグ再挑戦の可能性について以下のようなコメントを残した。

 「サッカー選手の人生とは、彼らが望む場所でプレーすることなんだ。次どのクラブからオファーが来るのか、家族とじっくり話し合って、自分たちにとって最善の決断をしなければならないのは間違いない。

再び日本へ行く可能性に関しては、完全にその道が閉ざされているわけではない」