AFCアジアカップ出場を逃したMF田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)が調子を上げている。北中米W杯アジア2次予選・北朝鮮戦の日本代表メンバー発表が今月14日に控える中、デュッセルドルフ指揮官が同選手が好調である理由を説明。

ドイツ紙『ビルト』はDF板倉滉、FW福田師王擁するボルシアMGからの関心を伝えた上で、今夏移籍の可能性を占っている。

 デュッセルドルフと2025年6月まで契約を残す田中は、昨年夏にクラブ幹部へ移籍を直訴もオファーが届かず残留。アジアカップ日本代表メンバー落選後は、ボルシアMG、MF堂安律所属SCフライブルク、DF伊藤洋輝所属VfBシュツットガルト、MF長谷部誠所属アイントラハト・フランクフルト、セリエA(イタリア1部)サッスオーロからの関心が報じられたが、ステップアップ移籍は実現しなかった。

 そんな中、同選手は今年1月21日のリーグ戦再開以降、ドイツ2部リーグ全試合でスタメン出場。今月9日開催の第25節ハンブルガーSV戦では、ボランチで先発出場。ビルドアップの局面でセンターバックの間まで下がるなど、新たな役割も任せられている。

 すると『ビルト』は11日に「田中はデュッセルドルフの新たなボスだ」という見出しをうち、「彼は今年に入ってから、一貫して高いレベルでプレーし続けている」と日本人MFを高く評価。

 これによると、ダニエル・ティウネ監督は「我々は彼の役割をより明確にした。我々のサッカーは、ボールポゼッションと縦方向のプレーを重視している」と語るなど、田中のプレースタイルに言及。

 「1部リーグでプレーしたいという彼の思いは、すでに知っている。だが、今でも他のクラブは彼を獲得できていない。彼は自分の思いを実現するために、もっと努力しないといけない。

もちろん我々にとって、彼は有益な存在だ」と、同選手の去就についても語ったという。

 また『ビルト』は「田中は今年1月に1部リーグ所属クラブへの移籍に失敗した。そのため、移籍願望は現在保留している」と、デュッセルドルフのブンデスリーガ昇格にむけてベストを尽くしている同選手の現状をリポート。

 その一方で「田中にはボルシアMGが関心を寄せているが、彼をリストアップするクラブがさらに増えており、夏のバーゲンを望んでいる。デュッセルドルフは資金捻出を目的に、今季終了後に彼を放出する可能性がある。契約延長は、ブンデスリーガ昇格の場合にのみ現実的だ」と伝えた。

 デュッセルドルフでの復調により、北朝鮮戦にむけての代表メンバー入りが期待されている田中。チームが25節終了時点で、昇格プレーオフ圏内の3位ハンブルガーSVから勝ち点1差の4位につける中、同選手の周囲が再び騒がしくなっている。