悔しい引き分けから一夜明け、前日のスタメン組が大雨の降るユナイテッドパークで室内調整を行った。そこでDF髙橋壱晟に話を訊いた。

勝てる試合だった甲府戦
ー甲府戦についての印象を教えてください。髙橋:勝てる試合を失ってしまった。後半2点目のシーンまでは自分たちのペースで試合を進められていましたが、その後意識が守備に向きすぎてしまって前にボールを進められずに防戦一方の展開になってしまいました。厳しい時間帯に前の選手たちをコントロールすることで、後ろに引っ込まずに高い位置から守備ができれば良かった。失点シーンも簡単にクロスを上げられたところからだったので、もう少しうまくやる必要があります。
ーそれは1点を守ろうとして弱気になってしまったということですか?
髙橋:いえ、そういうわけではありません。ラストだったので、あとは守って試合を終わらせるということを考えていました。

「誰が出ても強いチームにしたい」
ー今季はフル出場が続いています。ピッチ内から感じるチームについての印象はどうですか?髙橋:横浜FC戦のように集中力高く無失点でいける試合もあれば、ブラウブリッツ秋田戦(1-2)や甲府戦のように、終盤で勝てる試合を逃してしまう波がチームにある。どうにか最後のところを弾き返して、勝ち切る試合を増やしたいと思っています。
僕らは、誰が出ても強いチームにしたいんです。そのなかで、横浜戦では出場する時間の短かった選手たちが結果を残してくれたことで、チームの底上げや競争も活発になっています。僕も試合に出てはいますが、もっとパワーを出さなければダメだと危機感を持っています。(今季)15試合終えて、個人としても良い試合と悪い試合があった。試合に出場している以上、チームにプラスアルファをもたらせる選手になる責任があるので、もっと責任をもってプレーしていきたいです。
ーセットプレーと終了間際の失点が目立つように感じますが、どう捉えていますか?
髙橋:セットプレーは良い練習ができていますし、僕としてはあまり悲観していません。終了間際の失点に関しては、試合の締め方をチームとして共通認識をもってやる必要があると思っています。
ーすでにご自身のなかでは「右サイドバックの髙橋」という意識ですか?
髙橋:そうですね、基本的にはそれしか考えていないですね。

出場できることに感謝
ーボランチでもプレーしたいという想いはありますか?髙橋:試合に出られるのであれば、どこのポジションでも頑張ります。僕にとっては試合に出られないことが何よりも苦しいこと。
ーサイドバック転向の転機を振り返ると、現状におけるご自身の感触は良いのでは?
髙橋:2023年の夏前はあまりチームがうまくいっていない状況でした。そんな中、いわきFC戦(J2リーグ2023シーズン第21節0-0)が控えている週の練習で、練習ボード上の右サイドバックに自分の名前が置かれていたんです。その前の町田ゼルビア戦(第19節0-2)と水戸ホーリーホック戦(第20節1-4)ではボランチとして出場していたんですけど、ボードを見た時に「もしかしたら、サイドバックあるな」と思いました。
サイドバックとしての経験はそれまで一度もなかったんですけど、チームの戦術は監督が明確に示してくれているので、どのポジションにどういった役割があるのか、ということは全部理解できているつもりです。あとは感覚と見え方と、サイドバックとしてのプレーの仕方を少しずつ学んでいくという形でした。特に坂さん(坂本將貴ヘッドコーチ)の存在が大きくて、試合ごとにフィードバックをもらいながら改善を繰り返してきました。まだまだ納得していなプレーは多いですけど、こうやって試合に出れていることに感謝しています。

「自分を信じて結果を残したい」
ーチームとしてやりたい形は共有できているように思います。なかなか白星が続かないことに歯がゆさは感じますか?髙橋:感覚的には勝てるだろうという試合を落とす経験が今年も多いので、悔しさとかイラつきはもちろんあります。でも、そこを変えていくのは自分たちしかいない。毎試合の戦い方をチームとしても話しています。
ー次節(第16節愛媛FC戦)への意気込みをお願いします。
髙橋:勝ち続けないと上は見えてこない。順位とかはあまり関係ないと思っています。連勝できなかったことは残念ですけど、次はホームで良い結果を残したいです。