そんな中招集された27名は、多くが9月シリーズと同様のメンバーとなっているが、一部に変更が見られた。そのうちの1人、今回が代表初招集となったのが今夏イングランドのブラックバーン・ローバーズへと移籍したFW大橋祐紀だ。今季サンフレッチェ広島の新戦力として開幕を迎えた大橋は、開幕戦でいきなり2ゴールを挙げると移籍するまでの22試合で11ゴールをマーク。海外へ移籍後もゴールを量産しており、誰もが納得する活躍を見せての初招集となった。
Jリーグで夏まで活躍していたストライカーの初招集を受け、改めて国内に目を向けると、大橋と同様ゴールを量産している選手は数多くいる。ここでは、次回以降に招集が期待できるであろうJリーグを代表するFWを5名紹介していく。

木村勇大(東京ヴェルディ)
今季京都サンガから東京ヴェルディへ期限付き移籍中のFW木村勇大。16年ぶりにJ1を戦うチームの主力として、多くの出場機会を確保している。ここまでに挙げた10ゴールは、現時点でチームトップの数字。後半戦に入って以降はゴール数が伸び悩んでいるものの、武者修行先で確かな結果を残している。185cmと高さもあることから、前線で相手を背負ってのプレーもこなせる。それでいて背後へ抜け出す動き出しも得意。

山田新(川崎フロンターレ)
今季、開幕直後から3連敗を喫するなど不穏なスタートなった川崎フロンターレ。以降も勝ち点が伸び悩み、現在は上位勢から大きく離され10位につけている。そんな苦しいチーム状況の中、新たなエースとして台頭してきたのがFW山田新だ。今季前半戦は途中出場が多かったが、それでも第19節までに5ゴールをマーク。後半戦に入ってからはスタメンでの出場機会を増やし、第24節から3試合連続となる複数ゴールでチームの連勝にも大きく貢献している。自身で突破を図れることはもちろん、ゴール前でのこぼれ球や流れて来たボールに対する反応の速さもゴール数を増やせている要因の1つ。とりわけゴール前のシーンを多く作れる今のA代表においては、間違いなく最後の決定的な仕事ができる可能性が高いことから、今後の招集が楽しみな選手の1人だ。

原大智(京都サンガ)
夏以降、得点力が上昇した京都サンガ。6月の加入以降、10ゴールを挙げて一気にチームトップスコアラーとなったFWラファエル・エリアスの存在も大きいが、昨年夏の加入からチームの攻撃を牽引するFW原大智の活躍もまた忘れてはならない。長身を活かしたポストプレーはお手のもの。

宮代大聖(ヴィッセル神戸)
今季開幕前、川崎フロンターレからヴィッセル神戸へと移籍を果たしたFW宮代大聖。FW大迫勇也、FW武藤嘉紀といった日本代表経験者とともにシーズン序盤からゴールを重ね、途中怪我による離脱もありながら現時点で9ゴールを挙げる活躍を見せている。今季第5節の北海道コンサドーレ札幌戦では、味方を上手く使ったチャンスメイクからのゴールや、セットプレーの流れから難しい体勢のシュートでもゴールをもたらしており、加えて突破力やパスでもその高い技術を披露し大勝に貢献している。まさに宮代の魅力が詰まった1試合であったと言えよう。決して際立った高さがあるわけではないが、クロスに合わせることも巧み。シュート力もあり、ゴールのパターンも豊富なことから必ずやA代表でも結果を残せるはずだ。

小森飛絢(ジェフユナイテッド千葉)
最後にJ2からも1人、ジェフユナイテッド千葉で活躍するFW小森飛絢を推したい。ルーキーイヤーの昨年は33試合で13ゴールをマークし、チームのプレーオフ進出に大きく貢献。ゴールへの貪欲さはJ2のみならず国内でも随一。高い技術もさることながら、相手DFのタイミングを外したり難しい体勢から強引にシュートに持ち込むことも可能だ。A代表を率いる森保一監督は、J2からの招集を行わない傾向にある。もちろん、国内のトップカテゴリーがJ1である以上は当然の判断だろう。しかし、小森の持つ得点力はもはや無視できるものではない。幸い今季も所属する千葉は現時点で4位とプレーオフ圏内に入っており、昇格の可能性を残している。無事昇格を果たした暁には、国内組の中でも真っ先に代表招集がかかる選手と言っても過言ではないだろう。