FIFAワールドカップ26(北中米W杯)アジア最終予選。日本代表は10月11日のサウジアラビア戦に2-0で勝利するも、15日のオーストラリア戦には1-1と引き分けた。
連勝はストップしたものの最終予選4戦無敗で快調な滑り出しとなった。

9月シリーズに続き、10月シリーズでもMF三苫薫(ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン)やMF久保建英(レアル・ソシエダ)ら主力メンバーを招集した森保一監督。また、前回が初選出となったDF望月ヘンリー海輝(町田ゼルビア)や負傷の影響で不参加となったDF高井幸大(川崎フロンターレ)に代わりDF関根大輝(柏レイソル)が選出されるなど、国内組で戦力の底上げを図る動きも見て取れる。

残念ながら9月シリーズと10月シリーズは、4試合すべて3バックを採用して戦ったことで出番のなかったサイドバック勢。しかし、今後は従来使用していた4バックとの併用も考えられるだけに、新たな戦力の発掘とその台頭は楽しみな要素でもある。

望月や関根にベテランのDF長友佑都FC東京)と、多くの国内組にチャンスが与えられているサイドバックには、まだまだ今の代表で試してほしい選手が数多くいる。ここでは、Jリーグ各クラブで活躍を見せ今後の代表招集が期待できるサイドバックを5名紹介していく。

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今後の日本代表メンバー招集に期待の国内組5選【SB編】

初瀬亮(ヴィッセル神戸

2023シーズン、ヴィッセル神戸をJ1リーグ初優勝に導いた立役者の1人DF初瀬亮。昨年は第10節湘南ベルマーレ戦で見せた直接フリーキックからのゴールをはじめ、多くの場面でそのキック精度の高さを見せつけ8つのアシストをマーク。シーズンを通して上位に居続けたチームの攻撃を支えた。

連覇を目指す今季も、チーム内における存在の大きさは変わらず。途中出場となったゲームでもアシストをマークするなど、ここまで7アシストと昨年に迫る勢いで多くのゴールを演出している。日本代表は9月シリーズと10月シリーズ、いずれもセットプレーから得点を得ている。
代表でキッカーを務めるMF久保らのキック精度の高さが証明されたと言えよう。しかし、そんな選手たちと比較しても、初瀬の質の高いボール供給は一切引けを取らない。セットプレーからのさらなる得点力アップを図る意味でも、初瀬の代表招集が今後あるのか注目だ。

今後の日本代表メンバー招集に期待の国内組5選【SB編】

濃野公人(鹿島アントラーズ

今季の大卒ルーキーの中でも際立つ活躍を見せるDF濃野公人。名門鹿島アントラーズで開幕からスタメンを掴み、ここまでチームで2番目に多い9ゴールを挙げて攻撃の活性化に一役買っている。残念ながら第32節の湘南ベルマーレ戦で負傷し、クラブリリースでも治療期間が非公表で現在は早期回復が待たれる状況だ。

ルーキーでありながらプレーは安定感抜群。さらにチャンスと見るやエリア内深くゴール前まで侵入して得点を挙げるなど、FW顔負けの鋭い得点感覚を披露している。現在の日本代表における右サイドバック候補には、イングランドで活躍するDF菅原由勢(サウサンプトン)や今夏海外へと渡ったDF毎熊晟矢(AZアルクマール)といった海外組に加え、濃野と同じく今季大卒ルーキーの1人DF望月と強力なライバルがいる。しかし、彼らの経歴や能力を踏まえても濃野の活躍ぶりはもはや無視できるものではない。新たな候補の1人として、代表デビューの日は遠くないはずだ。

今後の日本代表メンバー招集に期待の国内組5選【SB編】

大畑歩夢(浦和レッズ

今季開幕前、他のJ1クラブと比較しても大規模な補強に動いた浦和レッズ。しかし、前半戦からなかなか調子が上がらず、夏にはDFアレクサンダー・ショルツやMF伊藤敦樹ら昨季上位進出の功労者たちが相次いで移籍し、後半戦に入ってから挙げた勝利はわずかに4つのみとなっている。

そんなチームにあってなお大きな存在感を放っているのがDF大畑歩夢だ。
今季前半戦は昨シーズンと同様に途中出場がメインとなっていたが、後半戦に入ると定位置を掴みフル出場するゲームも増えた。パリ五輪への出場も果たし、本人にとっては大きな飛躍の年になっている。168cmと小柄ながらも重心を落とした対人守備で安定感を見せ、それでいて攻撃時にはエリア内の状況を見極めたクロスで決定的な場面を作り出せる。左サイドはDF長友の後継者として絶対的な存在が必ずしも決まっていない今の代表で、大畑の成長は待ち侘びたものとなるかもしれない。

今後の日本代表メンバー招集に期待の国内組5選【SB編】

畑大雅(湘南ベルマーレ)

今季も残留争いに巻き込まれ、厳しいシーズン終盤を過ごしている湘南ベルマーレ。そんなチームにあって、DF畑大雅の成長ぶりは大きな希望と言えよう。残念ながらパリ五輪メンバーへの選出は叶わなかったが、リーグ戦ではここまで3ゴール4アシストをマーク。怪我で途中離脱があった中でこの数字は、十分高い評価を得るに値する。持ち前のスピード感溢れる攻撃参加や強靭なフィジカルといった派手さが目立つ一方で、ラストパスやシュートは極めて丁寧で多くのチャンスを生み出している。

日本代表が9月シリーズと10月シリーズで3バックを採用した点も、畑を代表へ押せる理由の1つ。湘南も同様に3バックを長く採用するチームであり、ウイングバックとして両サイドで起用可能な畑にとってはチャンスが広がったという見方もできる。もちろん、代表において今回ウイングバックに置かれた選手は左にMF三苫、右にMF堂安律(SCフライブルク)と経験・実績ともに文句なしの選手でありポジションを奪うことは困難だ。しかし、必ずしも本職でない故に、攻撃面だけでなく守備での畑の貢献度は魅力と言えるのではないだろうか。


今後の日本代表メンバー招集に期待の国内組5選【SB編】

福田心之助(京都サンガ)

ルーキーイヤーの昨年は、夏にDF白井康介が移籍したこともあり定位置を掴んだDF福田心之助。今季も開幕からスタメン出場を続け、下位に低迷し苦しむチームを支えてきた。途中怪我による離脱もあったが、第27節のセレッソ大阪戦で復帰すると1ゴール1アシストの活躍で大量5得点での勝利に貢献。改めてチーム内での自身の重要性を示した。

ゲーム終盤であっても積極的に上下動を繰り返す運動量が大きな魅力。その分攻撃時に前線へ顔を出す場面も多く、今季ゴール数こそ多くないもののチャンスにはしっかりと絡めている。直近の第34節サガン鳥栖戦でもゲームが終わりに近づく時間帯でパスカットからゴールに迫って自ら決めきり、自身の武器を見せつけて勝利に貢献。国内において急激に成長を見せる選手の1人であることは間違いない。それだけに、代表を経験することでさらに進化を遂げることも十分に期待できる。
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