エルメス財団(Fondation d’entreprise Hermès)は、スキル・アカデミー「金属に学ぶ、五感で考える:夏のオープンクラス」を開催しています。アート展でも、職人技の展示会でもありません。
このプログラムが目指しているのは、「素材から考える力」を育てることです。

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Installation view of the exhibition / Skills Academy “Metal Learning – Summer Class”, 2026© Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès
エルメス財団が2014年から続けるスキル・アカデミーは、アーティストや職人、研究者、教育者など、多様な実践者たちが知識や技術を共有する学びのプラットフォームです。今回の「夏のオープンクラス」では、“金属”という素材を起点に、ものづくりと感性、そして社会との関係を見つめ直します。単に作品を鑑賞するのではなく、素材に触れ、観察し、考える。そのプロセスそのものが、本展の主題となっています。

金属は、私たちに何を教えてくれるのか
金属は人類の歴史とともに発展してきた素材です。

建築、工業製品、道具、装飾品、芸術作品。

その用途は多岐にわたり、現代社会を支える基盤のひとつでもあります。しかし私たちは普段、金属を「完成した製品」として目にすることはあっても、その素材そのものについて考える機会は決して多くありません。

エルメスはなぜ「夏のオープンクラス」を開くのか──スキル・アカデミーが育てる、金属と感性の未来
Installation view of the exhibition / Skills Academy “Metal Learning – Summer Class”, 2026© Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès
本プログラムでは、金属を単なる工業素材としてではなく、思考を促す存在として捉えています。

硬さと柔らかさ。重さと軽さ。
冷たさと温もり。

相反する性質を併せ持つ金属は、触覚や視覚だけでなく、私たちの想像力そのものを刺激します。展示やワークショップを通じて提示されるのは、知識の習得ではなく、素材との対話です。

学ぶのは技術ではなく「見る力」
スキル・アカデミーの特徴は、教育を一方向の知識伝達として捉えていない点にあります。参加者は完成された答えを受け取るのではなく、自ら観察し、考え、発見することを求められます。だからこそ今回のテーマも「金属工芸」ではなく、「金属に学ぶ」。その言葉には、素材を先生として捉える姿勢が込められています。

エルメスはなぜ「夏のオープンクラス」を開くのか──スキル・アカデミーが育てる、金属と感性の未来
Installation view of the exhibition / Skills Academy “Metal Learning – Summer Class”, 2026© Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès
Courtesy of carlier | gebauer
展示空間には、アーティストたちの作品やリサーチの成果だけでなく、制作の過程や思考の痕跡も提示されます。作品を見ることと、素材について考えること。その二つが同時に進行することで、鑑賞者自身の感覚が少しずつ更新されていきます。

エルメス財団が続ける文化的投資
ラグジュアリーメゾンによる文化支援というと、展覧会のスポンサーシップや若手アーティスト支援を思い浮かべる人も多いかもしれません。しかしエルメス財団が長年取り組んできた活動は、それだけではありません。


職人技術の継承。教育プログラムの支援。アーティストとの共同プロジェクト。地域との対話。

スキル・アカデミーもまた、その延長線上にあります。

エルメスはなぜ「夏のオープンクラス」を開くのか──スキル・アカデミーが育てる、金属と感性の未来
Installation view of the exhibition / Skills Academy “Metal Learning – Summer Class”, 2026© Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès
重要なのは、作品を生み出す人だけを支援するのではなく、その背景にある知識や技術、そして考える力そのものを未来へ受け渡そうとしていることです。文化は完成品だけで成立するものではありません。そこへ至るプロセスや学びの蓄積もまた、文化の一部なのです。

「夏のオープンクラス」が開く、新しい学びのかたち
今回の「夏のオープンクラス」は、美術館でも学校でもありません。

展示を見る人。ワークショップに参加する人。アーティストの話に耳を傾ける人。


それぞれが異なる立場から同じテーマへアクセスできるよう設計されています。だからこのプログラムは、専門家のための場ではなく、誰にでも開かれた学びの場です。

エルメスはなぜ「夏のオープンクラス」を開くのか──スキル・アカデミーが育てる、金属と感性の未来
Installation view of the exhibition / Skills Academy “Metal Learning – Summer Class”, 2026© Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès
金属という素材を通して、私たちは何を見るのか。何を感じるのか。そして何を考えるのか。

エルメス財団が提示しているのは、知識を増やすための教育ではありません。五感を使い、自ら問いを立てるための教育です。「金属に学ぶ、五感で考える:夏のオープンクラス」は、そのための実験室として、この夏の東京に開かれています。

エルメスはなぜ「夏のオープンクラス」を開くのか──スキル・アカデミーが育てる、金属と感性の未来
Installation view of the exhibition / Skills Academy “Metal Learning – Summer Class”, 2026© Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès

【INFORMATION】
スキル・アカデミー
「金属に学ぶ、五感で考える」: 夏のオープンクラス

開催期間:2026年7月15日(水)~8月16日(日)
開館時間:11:00~19:00
休館日:月曜日・火曜日 ※ただし、7/20(月・祝)、8/11(火・祝)は開館
会場:SKAC (SKWAT KAMEARI ART CENTRE)
          東京都葛飾区西亀有3-26-4
主催:エルメス財団
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